平成13年・マンション管理士 本試験

管理組合の運営と業務 9問


●管理組合の運営

〔問28〕 管理組合の運営に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び中高層

住宅標準管理規約(団地型)によれば、適切なものはどれか。

1 団地の管理組合が行った団地の共用部分に関する集会の決議は、団地内の各

棟の管理組合のこれに関する集会の決議に優先する。

2 管理組合の集会は、最高の意思決定機関であり、理事会は、集会の決議に反す

る決議及び業務執行をすることができない。

3 管理者である理事長は、管理組合の業務執行機関の代表者として、理事会の

決議に拘束されずに業務を執行することができる。

4 管理組合が法人格を取得しても団体としての同一性は維持されるので、法人格

取得前と同様、管理者である理事長が業務執行機関である。

〔問29〕 管理組合の総会の運営に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準

管理規約(単棟型)によれば、適切でないものはどれか。

1 理事長が病気なので、その同居の配偶者が議長を務めた。

2 議事に法律上の利害関係を有する組合員以外の者の傍聴を認めた。

3 議事の採決の結果が可否同数になったので、議長が可否を決定した。

4 議長が、欠席の組合員から自己に対する委任状を受け取った。

●管理組合の業務

〔問30〕 管理組合の業務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び中高

層共同住宅標準管理規約(単棟型)によれば、適切でないものはどれか。

1 規約により駐車が禁止されている敷地内に駐車がなされている場合に、その

自動車をレッカー車で移動すること。

2 管理費に不足を生じた場合に、組合員に対して、その都度必要な金額の負担

を求めること。

3 漏水事故があった場合に、事故の原因箇所と思われる専有部分への立入りを

求めること。

4 専有部分の賃借人に対して、規約を遵守するよう申し入れること。

●標準管理委託契約書とマンション管理適正化法

〔問31〕 管理委託契約に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準管理委託

契約書及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下,「マンション管理

適正化法」という。によれば、適切でないものはどれか。い

1 区分所有者が共同住宅の秩序に反する行為をした場合に、マンション管理業

者が行為の中止を求めることができるとすること。

2 マンション管理業者は、事業年度終了後6カ月以内に委託業務に係る収支決算

書を作成し、管理組合に報告しなければならないとすること。

3 マンション管理業者は、必要があるときは、専有部分に立ち入ることができると

すること。

4 マンション管理業者は、善良なる管理者の注意義務をもって委託業務を行う

が、自らの申し出にかかわらず、管理組合が承認しなかった事項に関しては、

責任を負わないとすること。

●マンション管理をめぐる訴訟(区分所有法の規定、判例)

〔問32〕 マンションの管理をめぐる訴訟に関する次の記述のうち、区分所有法の

規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合は、管理組合法人であるか否かにかかわらず、民事訴訟において、

原告又は被告となることができる。

2 管理者に不正な行為があったときは、各区分所有者は、その解任を求める訴

訟を提起する事ができる。

3 区分所有者が各区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合には、

その利益侵害の程度によって、行為の禁止、専有部分の使用禁止、区分所有権

の競売を請求できる訴訟を提起することができるが、区分所有者及び議決権の

各3/4以上の多数による決議が必要である。

4 管理組合法人とその理事との間の民事訴訟については、監事が、当該法人を

代表して原告又は被告となる。

●マンション管理をめぐる訴訟での当事者適格(区分所有法の規定)

〔問33〕 甲マンション管理組合(管理組合法人でないものとする。)に係るマン

ションの管理に関する訴訟について、区分所有法の規定によれば、当事者適格

を持つことがないものは、次のうちどれか。

1 管理組合の理事会

2 個々の区分所有者

3 集会で指定された区分所有者

4 管理者であるマンション管理業者

●ペットの飼育(区分所有法の規定)

〔問34〕 マンション(管理組合法人が設立されているものとする。)の専有部分内

で犬が飼育されている場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例

によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、集会を開き、犬を飼育している区分所有者の承諾を得ること

なく、犬の飼育を禁止する内容に規約を改正することができる。

2 犬の飼育に関する規約が定められている場合、管理組合法人は、犬を飼育

する区分所有者に対して犬の飼育を禁止することのほか、必要があれば、犬の

引渡し又は売却を請求することができる。

3 犬の飼育に関する規約が定められていない場合であっても、犬の糞尿による

マンションの汚損や臭気が著しいときは、管理組合法人は、必要があれば、犬

を飼育する区分所有者に対して飼育の禁止を請求することができる。

4 専有部分の賃借人が規約に反して犬を飼育していた場合、管理組合法人は、

当該専有部分の区分所有者に請求することなく、直接、賃借人に対して犬の飼

育の禁止を請求することができる。

●管理組合の決算(区分所有法の規定)

〔問35〕 A管理組合(決算月を3月とする。)の決議に関する次の記述のうち、適切

でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

1 3月に保険期間2年の掛捨型保険を契約し、全保険期間分に係る保険料全額

を支払ったが、決算上は、当該年度分のみを費用として処理し、残りは資産として

計上した。

2 3月に大規模修繕工事が完成したので、4月に支払い予定の費用を3月の末

払費用として計上した。

3 実施を予定していた修繕工事が延期されたが、予算上は、当該年度の工事で

あったので、未払い費用として計上した。

4 3月に4月分の管理費等が入金されたため、会計上、前受金として計上し、

次の4月に収入として振替え処理した。

●管理費の滞納防止

〔問36〕 管理費等の滞納防止を図るための規約の定めに関する次の記述のうち、

適切でないものはどれか。

1 管理費等の徴収方法として、各区分所有者が開設する預金口座から、自動振

替により管理組合口座へ引き落すこととする。

2 区分所有者が規約に定められた期日までに納付すべき管理費等を納付しない

場合、その未払金額について遅延損害金を加算して請求することができることと

する。

3 多額の管理費等を滞納した場合には、滞納者に係る駐車場使用契約を解除

することができることとする。

4 専有部分が賃貸されている場合、当該専有部分に係る区分所有者が管理費等

を長期間納付しないときは、賃借人が管理費等を負担することとする。


【正解】

28 29 30 31 32
2 1 1 2 3

33 34 35 36 **
1 2 3 4 **


●平成13年度・マンション管理士試験
管理基本法令・標準管理規約等(問1〜問18)諸法令(問19〜問25),管理組合の運営(問28〜問36),設備・維持保全・修繕(問37〜問45)管理適正化法(問46〜問50)

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