宅建試験ガイド・註5 宅地建物取引主任者試験の歴史

分野別の出題暦一覧 → 昭和33年から平成20年までの分野別出題数

各分野別の出題内容の推移(50問時代) → 民法関連法令上の制限税法その他

 宅建試験は、昭和33年に第一回の試験が行われました。その当時は、現在の「宅地建物

取引主任者」ではなく、「宅地建物取引員」という名称でした。

■出題数の変化

宅建試験の分野別出題数の推移〜は、こちらをご覧ください。

30問の時代〔昭和33年('58)〜昭和39年('64)〕 「宅地建物取引員」の時代の7年間

 権利の変動(9〜12問)、法令制限(6〜9問)、宅建業法(4〜6問)、税法その他(5〜8問)

 この時代は、宅建業法の出題は比率的には高くはありませんでした。

 当初は、法令集が持ち込み可でした。

40問の時代〔昭和40年('65)〜昭和55年('80)〕 「宅地建物取引主任者」の時代

 権利の変動(9〜14問)、法令制限(9〜11問)、宅建業法(8〜13問)、税法その他(5〜14問)

 この時代は、税法その他の比率が下がっていきました。昭和42年では14問ありましたが、

 昭和55年では6問でした。なお、この時代は、合格基準としては6割と言われていました。

しかし、40問最後の年の昭和55年度試験では、合格推定最低ラインは27点(7割弱)と

なっており、制度の切り替わり直前で、変化がすでにありました。

50問の時代 〔昭和56年('81)〜昭和62年('87)/昭和63年('88)〜〕 現行の試験

 権利の変動(15問)、法令制限(10〜13問)、宅建業法(15〜17問)、税法その他(7〜9問)

昭和63年からは、「不動産適正取引推進機構」が試験実施団体になりました。それまでは、

問題用紙 (試験後回収) は全国同じでも、都道府県により答案用紙の書式が異なって

いて、解答用紙もマークセンス方式ではなく、解答は選択肢の番号を書かせていました。

 現在は試験時間中は退席できませんが、昔は、試験開始後、1時間が経過すると、

退席できました。

50問時代の受験料は、当初は\5,000、現行は\7,000です。(昭和40年代後半は\500)

 受験資格も変化がありました、平成8年〔1996年〕から、受験資格制限が廃止されました。

 (平成7年までは、高校卒業、2年以上の実務経験、または知事がそれらと同等以上の

知識及び能力を有すると認める者が受験資格でした。)

 受験の申込も平成14年から全国で郵送での申込みができるようになりました。(それまで

は一部の都県で実施。)

 合格発表も平成14年,15年で様変わりしました。「不動産適正取引推進機構」のHPで,

合格発表〔各都道府県での掲示は3日間〕初日に,平成14年から、合格基準点・合格者の

受験番号を、平成15年から、問題の正解番号を公表するようになりましたが、今後も試験

制度改革により、情報開示が進み、試験制度の透明化が進むものと思われます。

 合格点でも,平成14年に、初めて合格点が35点を超え、36点になりました。(平成10年〜

平成12年の3年間は合格最低点の推定が30点)。この急上昇は,不況期のため学習意欲

が高い,合格への平均学習時間の増加〔現在では300時間以上,昔は200時間〕,

予備校通学者の増加,法律系統の試験受験者の増加などが原因ととされています。

今後の最低点がどうなるかというのは予測は難しく、それなりの受験準備が必要とされる

ものと思われます。

〔指導機関によっては、8割の40点を目標点にとしているところもあります。〕

5問免除制度−平成21年で13年目〔平成9年('97)〜〕 

 平成9年度より、財団法人・不動産流通近代化センターの実施する「指定講習」の修了者

 を対象に、5問免除される制度が始まりました。(この制度は、原則として、実務経験3年以

 上の実務経験者を対象とするものでしたが、現在では、宅建業者に従事している者ならば、

実務経験年数に関係なく受験できます。)宅建主任者の登録者のうち現在宅建業に従事

 している者の数がそのうちの50%以下という統計もあり、宅建業従事者の中での合格者数

 を確保するためのものと思われます。

 登録講習修了者は、45問4肢択一の試験となり、試験時間も13:10〜15:00
  (1時間50分) になります。
 免除されるのは、土地・建物・住宅金融支援機構・景品表示法・統計の各1問。

→ 詳しくはこちらをどうぞ。

平成17年以降は、登録講習と呼ばれるようになりました。

合格率の変遷

 試験開始の昭和33年は合格率93.0%、昭和34年(1959)には、合格率98%という年もあり

ました。しかし、この年をピークに合格率は下がり始め、昭和38年(1963)には42.3%になり、

昭和40年(1965)の43%、昭和44年(1969)の51.5%と小さなピークがあるにしても、合格率

はほとんど30%を切るようになり、昭和58年(1983)以降は20%に達した年はありません。

最近の、平成10年(1998年)からの10年間では、13.9%〜17.3% になっています。


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