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Echo の宅建民法・重点Notes |
「債務不履行」第1回(概略&強制執行) |
債務不履行の基礎知識●Echoの宅建民法・重点Notes / 債務不履行 |
第1回・概略&強制執行 |
◇◆◇◆◇◆◇◆「債務不履行」第1回(概略&強制執行)◇◆◇◆◇
**1.「債務不履行」とは**
債務者の責任によって、債務の本旨に従った履行のなされないこと(つまり、
債務者として本来なすべきことをしないこと)を「債務不履行」といいます。
例)「約束の本来の趣旨をマゲて実行をした」
「中途半端にやった」
「遅れてからようやく実行した」
「実行したくてももうできない、不可能だ」
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**2.相手がその者の責任によってその債務を履行しない場合**
債務者が、どんな事情であれ債務を履行しない場合には、次のような“要求”
をすることができます。
ア.「強制執行」によって強制的に履行を実現する
イ.相手方の債務不履行を理由として「損害賠償を請求」する
ウ.契約を「解除」する
以降、ア・イ・ウを順に詳説してまいります。
今回は、「強制執行」について詳説します。
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「債務が履行されない場合の措置」
**ア.強制執行**
債権者が債権の満足を得るため、国の執行機関(裁判所)を通じて債務者の財
産を強制的に取り上げ、それを処分して債務の弁済に充てる手続きを「強制執
行」といいます。
強制執行を行うためには、債務者が債権者に対して一定の給付義務を負ってい
ることについて公の確認がされることが必要です。つまり、証拠もないのに「ア
イツから財産を取り上げて下さい」と申し立ててもムリな話で、まずは相手方の
債務が確かに存在することを確認してもらわなければなりません。
<強制執行のタイプ>
●「直接執行」
債務者が、金銭の支払いや物の引渡しの債務を負担している場合、債権者は裁
判所に申し立てて、債務者の財産中の一定額の金銭や物を執行官に差し押さえさ
せ、あるいはそれを売却して、その代金を債権者に取得させるものです。
●「代替執行」
直接執行ができない性質の債務であれば、代替執行による強制執行が行われま
す。
[1]他の人が代わってできるような仕事(例えば、家の取り壊し)であれば、第
三者にその仕事をやらせて、その費用を債務者から取り立てることができます。
ただし、債務者の負っている義務が、“承諾”とか“取消”などの単なる通知
(意思表示)だけで済むときは、裁判で、債務者の意思表示に代わるものを判決
としてもらうことができます。
[2]債務者の負っている義務が「ある行為をしない」というようなとき(例え
ば、この土地に建物は建てない)に、債務者がそれに違反してその行為をした
ら、債権者は、債務者の費用でそれを取り除くことができます。
また将来そのような約束違反が起こらないように、適当な処分を裁判所に請求
できます。
<さらに>
上記の強制執行の規定は、「履行を強制させる」だけではなく、損害が生じて
いれば、併せて「損害賠償の請求(次号で解説)」も、することができます。
<しかし・・・>
相手(債務者)が、債務を履行しないときは、“必ず”「強制しろ!」と言っ
ているのではありません。
相手が債務を履行しない時、債権者が契約を「解除(後日解説)」したけれ
ば、してもよいのです。しかし、契約を解除するよりも、たとえ『遅ればせ』で
あっても、「債務を履行させた方がヨイ」ということもあり得ます。とにかく
「ヤラセル」ことの方が、「契約解除よりは得だ」ということは結構多いもので
す。ですから、この「強制執行(履行の強制)」については、“債務の履行が遅
れている”場合に限り、することができると考えてよいでしょう。
しかし、債務者が「いくら『遅ればせ』であっても、できないものはできな
い」場合・・・最後は「金(損害賠償)」で決着をつけることになるでしょう。
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次回以降「損害賠償請求」「契約解除」を順に解説して参ります。
(第1回・了)
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