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Echo の宅建民法・重点Notes
 「債務不履行」第2回(損害賠償請求) 

債務不履行の基礎知識Echoの宅建民法・重点Notes / 債務不履行

 第1回・概略&強制執行
 第2回・損害賠償請求
 第3回・契約の解除1
 第4回・契約の解除2+事例研究
 第5回・契約解除のタイプ
 第6回・金銭債務に関する特則

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆「債務不履行」第2回(損害賠償請求)◇◆◇◆◇◆◇

<復習>

**1.「債務不履行」とは**

 債務者の責任によって、債務の本旨に従った履行のなされないこと(つまり、

債務者として本来なすべきことをしないこと)を「債務不履行」といいます。

 例)「約束の本来の趣旨をマゲて実行をした」

   「中途半端にやった」

   「遅れてからようやく実行した」

   「実行したくてももうできない、不可能だ」


**2.相手がその者の責任によってその債務を履行しない場合**

 債務者が、どんな事情であれ債務を履行しない場合には、次のような“要求”

をすることができます。

 ア.「強制執行」によって強制的に履行を実現する

 イ.相手方の債務不履行を理由として「損害賠償を請求」する

 ウ.契約を「解除」する

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「債務が履行されない場合の措置」

**イ.損害賠償請求**

<損害賠償とは>

 債務者の責任によって、債務の本旨に従った履行のなされない場合、契約した

相手方に対して、与えた損害を賠償しなければなりません。逆に「損害を受けた

相手方」は、違約した人に対し、「損害賠償をセヨ!」と請求することができま

す。

 ただし、これは“文字通り”損害が発生していないことには、請求することが

できません。この点は、損害が出ようと出まいと、相手が契約に違反しただけで

発生する「違約金」とは、その性質が大きく違うところです。

 そもそも損害とは、実際に相手が違約した時点でないと、いくら損害を被った

のか、算定(計算)することができません。ですから、相手が違約しても、いく

ら賠償金が取れるかは、債権者が損害の発生・損害額を証明した上でないと決ま

らないものなのです。

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<解説>

1.損害賠償の範囲

 ア)通常生じる程度の損害(一般常識で「ナルホド」と言える損害の範囲)

 イ)特別な事情による損害

  (当事者がその特別な事情を予測できる状態にあった時)

2.損害賠償は、原則として「金銭(ゼニ)」によって行います

3.債務不履行(ずっと上の(例)も参照)につき、債権者にも責任がある場合

  には、債権者の責任も考慮して賠償額が定められます。

  →債権者に不注意があれば、賠償額は削られる。

4.損害賠償

  [1]損害が生じてからの賠償(損害の証明・額の算定は困難なことが多い)

  [2]損害賠償の金額を“予定”した賠償=『違約金』

5.『違約金』について

 ア)当事者は、債務不履行になったときに備えて、予め「損害賠償をこれだ

   けにする」という取り決めをしておくことができます。

 イ)この取り決められた額は、裁判所であっても増減できません。(注意!)

   →当事者間の「特約」によって賠償額を増減することは可能です。

 ウ)違約金の取り決めをしておいても、本来の債務の“履行を要求”できま

   す。また“契約を解除”することもできます。

 エ)当事者が『違約金』の契約を結んだときは、予め損害賠償の契約をした

   ものとして取り扱われます。

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<判例>

賠償額の“予定”があるときは、債権者は債務不履行の事実だけを証明すればよ

く、「損害の発生の事実を立証しないで、賠償額を請求できる」

                          (大判大11・7・26)

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次は2回にわたって“契約の解除”についてご説明します。(第2回了)


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