Welcom to Echo's Land !

Echo の宅建民法・重点Notes
  「債務不履行」第5回(契約解除のタイプ)

債務不履行の基礎知識Echoの宅建民法・重点Notes / 債務不履行

 第1回・概略&強制執行
 第2回・損害賠償請求
 第3回・契約の解除1
 第4回・契約の解除2+事例研究
 第5回・契約解除のタイプ
 第6回・金銭債務に関する特則

◇◆◇◆◇◆◇◆◇「債務不履行」第5回(契約解除のタイプ)◆◇◆◇◆◇◆

<前置き>

**1.「債務不履行」とは**

 債務者の責任によって、債務の本旨に従った履行のなされないこと(つまり、

債務者として本来なすべきことをしないこと)を「債務不履行」といいます。

 例)「約束の本来の趣旨をマゲて実行をした」→「契約違反」なので別モノ

   「中途半端にやった」→“不完全”

   「遅れてからようやく実行した」→“遅滞”

   「実行したくてももうできない、不可能だ」→“不能”


**2.相手がその者の責任によってその債務を履行しない場合**

 債務者が、どんな事情であれ債務を履行しない場合には、次のような“要求”

をすることができます。

 ア.「強制執行」によって強制的に履行を実現する

 イ.相手方の債務不履行を理由として「損害賠償を請求」する

 ウ.契約を「解除」する

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「債務が履行されないケースを整理すると…」

1.『履行遅滞』…履行期になっているのにまだ履行してくれない。

2.『履行不能』…実行したくてももうできない、不可能だ!

3.『不完全履行』…中途半端にやった(中途半端の程度にもよる)。

では、順を追って、債務不履行のタイプと、それぞれの場合にどんな“要求”

(強制執行・損害賠償請求・契約解除)ができるのかをお話しします。

------------------------------------------------------------------------

1.『履行遅滞

<履行期の種類>

ア.「確定期限付債務→“期限到来時”から履行遅滞となる。

  ・期限到来時から消滅時効の計算が開始される。(ここ重要!)

イ.「不確定期限付債務」→債務者が期限の到来を“知ったとき”から履行遅滞

             となる。

  ・消滅時効の開始は、「その期限が“到来”した時」から。

ウ.「期限の定めのない債務」→債権者から債務者へ“請求”があったときから

               履行遅滞となる。

  ・消滅時効の開始は、「契約した日」から。

(注意)

“履行遅滞”となる時期の違いを整理して覚えましょう。

“消滅時効”の起算点=すべて「成就・到来・成立」したときからです


<債権者はどんな“要求”ができるか>

a.履行期が過ぎていても一応、「相当の期間を定めて履行を催告」し、その期

  間内に履行がなかった場合にはじめて“契約を解除”できます。

  また、催告期間内に履行がないことを停止条件として“契約解除”の意思表

  示を行ってもヨイことになっています。

b.債権者は、履行期が到来した後、履行されるまでの間によって生じた“損害

  賠償の請求”をすることができます。

------------------------------------------------------------------------

2.『履行不能

<債権者はどんな“要求”ができるか>

a.催告をしても、履行が可能になるわけではありませんから、「催告なしに」

  「直ちに」“契約を解除”できます。

b.履行不能の場合の賠償は、“履行に代わる賠償”となります。

  つまり履行があればどれくらいの利益が見込めたかを金(ゼニ)に換算して

  その金を賠償金として支払うことで、「履行した」ことにするのです。

b’土地・建物の売主の履行不能の場合は、“目的物の時価”が賠償額となり、

  買主が支払うべき代金額と差し引き計算を行うことになります

  時価が上昇した分は、売主が予見できた範囲で賠償額に含みます。

------------------------------------------------------------------------

3.『不完全履行』(試験ではほとんどお目にかからないのでサラッと)

不完全履行とは

履行期に履行はあったが、それが不完全であった場合をいいます。

例)・自動車売買契約の履行として、欠陥車を引き渡された。

  ・目的物が土地・建物のような特定物の売買については、その多くが“担保

   責任”の問題として解決されます。

<債権者はどんな“要求”ができるか>

a.『不完全』の程度によってそれこそケース・バイ・ケースです(だからこそ

  出題されにくい)

b.繰り返しになりますが、

  目的物が土地・建物のような特定物の売買については、その多くが“担保

  責任”の問題として解決されます。

  →担保責任の内容や買主の善意悪意によって“契約解除”“損害賠償請求”

   “代金減額請求”などが決められています。

------------------------------------------------------------------------

「今日のおさらい」

1.『履行遅滞

    →履行の強制〔強制執行/代替執行〕(+損害賠償)

    →(催告の後履行がなければ)契約の解除(+損害賠償)

2.『履行不能

    →(一方的に直ちに)契約の解除(+損害賠償)

3.『不完全履行』…ケース・バイ・ケース

------------------------------------------------------------------------

次回は最終回です。「債務が、“お金を払うこと”」の場合には、特別な規則が

適用されることについて学習します。(第5回 了)


債務不履行の基礎知識Echoの宅建民法・重点Notes / 債務不履行

 第1回・概略&強制執行

 第2回・損害賠償請求

 第3回・契約の解除1

 第4回・契約の解除2+事例研究

 第6回・金銭債務に関する特則

第6回を読む

Echoの宅建民法・重点Notesに戻る