宅建過去問 法令上の制限
国土利用計画法の過去問アーカイブス 平成21年・問15 事後届出
国土利用計画法第23条に基づく都道府県知事への届出 (以下この問において 「事後届出」 という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (平成21年・問15) |
1 宅地建物取引業者Aが都市計画区域外の10,000平方メートルの土地を時効取得した場合、Aは、その日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。 |
2 宅地建物取引業者Bが行った事後届出に係る土地の利用目的について、都道府県知事が適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をした場合、Bがその助言に従わないときは、当該知事は、その旨及び助言の内容を公表しなければならない。 |
3 宅地建物取引業者Cが所有する市街化調整区域内の6,000平方メートルの土地について、宅地建物取引業者Dが購入する旨の予約をした場合、Dは当該予約をした日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。 |
4 宅地建物取引業者Eが所有する都市計画区域外の13,000平方メートルの土地について、4,000平方メートルを宅地建物取引業者Fに、9,000平方メートルを宅地建物取引業者Gに売却する契約を締結した場合、F及びGはそれぞれ、その契約を締結した日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。 |
<コメント> |
肢1が初出題,肢2から肢4は過去問に出題歴。初出題の肢があると正答率が低くなる傾向がありますが,21年のこの問題もやはりそうでした。初出題の肢に惑わされることなく,自信を持って冷静に正解肢を選べるようにしましょう。 |
●出題論点● |
(肢1) 時効による取得は届出の必要はない。
(肢2) 助言に従わない場合に公表するという規定はない。 (肢3) 売買の予約も届出対象規模に達するときは届け出なければならない。 (肢4) 土地を分割して売却する場合も,権利取得者の取得する土地が届出対象規模に達するときに権利取得者が届け出る。 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
正答率 | 52.2% |
都市計画区域内 | 市街化区域 | 2,000平方メートル以上 |
市街化調整区域 非線引き都市計画区域 |
5,000平方メートル以上 | |
都市計画区域外 | 準都市計画区域 | 10,000平方メートル以上 〔1ha以上〕 |
両区域外 |
1 宅地建物取引業者Aが都市計画区域外の10,000平方メートルの土地を時効取得した場合、Aは、その日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。 |
【正解:×】初出題 ◆時効による土地の取得は届出不要 事後届出は,土地売買等の契約により権利の移転及び設定をして,当該区域の届出対象面積に達している場合に,権利取得者※がしなければならないものです(国土利用計画法23条1項)。時効による土地の取得は,当事者間の契約により土地を取得したものではないため,取得した土地の面積規模に関係なく,事後届出をする必要はありません。 ※土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者のことをいう。 |
2 宅地建物取引業者Bが行った事後届出に係る土地の利用目的について、都道府県知事が適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をした場合、Bがその助言に従わないときは、当該知事は、その旨及び助言の内容を公表しなければならない。 |
【正解:×】平成12年・問16・肢2, ◆助言に従わないとき 都道府県知事は,事後届出をした者に対して,当該土地の利用目的について,(当該土地を含む)周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をすることができます(国土利用計画法27条の2)。 しかし,助言に従わなかったときにその旨及び助言の内容を公表しなければならないという規定はありません。 ●事後届出をしたものが知事の勧告や助言に従わなかったときの措置
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3 宅地建物取引業者Cが所有する市街化調整区域内の6,000平方メートルの土地について、宅地建物取引業者Dが購入する旨の予約をした場合、Dは当該予約をした日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。 |
【正解:○】昭和57年・問17・肢2,平成19年・問17・肢1,平成20年・問17・肢3, ◆売買の予約 売買の予約は,「土地売買等の契約」に該当し,当該区域の届出対象面積に達している場合には(市街化調整区域内では5,000平方メートル以上),予約した日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければなりません(国土利用計画法23条1項,2項1号ロ)。 ▼予約完結権を行使したときは,土地所有権移転の予約契約と同一内容であれば〔当事者・利用目的の変更や対価の増額がない〕,予約契約の締結後の事後届出ですでにチェックされているために,改めて再届出の必要はありません。 |
4 宅地建物取引業者Eが所有する都市計画区域外の13,000平方メートルの土地について、4,000平方メートルを宅地建物取引業者Fに、9,000平方メートルを宅地建物取引業者Gに売却する契約を締結した場合、F及びGはそれぞれ、その契約を締結した日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。 |
【正解:×】平成11年・問16・肢2,平成15年・問16・問3, ◆事後届出では,権利取得者の取得した土地の面積規模で届出の要否を判断する 事後届出をしなければならないのは,権利取得者(本肢では,FとG)の取得する土地の面積規模が当該区域の届出対象面積に達している場合です。 都市計画区域外で事後届出をしなければならないのは,権利取得者が取得する土地の面積規模が10,000平方メートル以上なので(国土利用計画法23条1項,2項1号ハ),F(4,000平方メートルの土地を取得)とG(9,000平方メートルの土地を取得)とも,事後届出をする必要はありません。 |
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