法令上の制限 実戦篇
国土利用計画法の過去問アーカイブス 平成15年・問16 事後届出
国士利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成15年・問16) |
1.「Aが所有する都市計画区域に所在する面積6,000平方メートルの土地をBに売却する契約を,Aと,Bの売買契約の代理人であるCが締結した場合,CはC名義により,事後届出を行う必要がある。」 |
2.「Dが所有する市街化調整区域に所在する面積4,000平方メートルの農地をEに売却する契約を,農地法第5条の許可を停止条件としてDとEが締結した場合,Eは事後届出を行う必要がある。」 |
3.「Fが所有する市街化区域に所在する面積5,000平方メートルの一団の土地を分割して,1,500平方メートルをGに,3,500平方メートルをHに売却する契約をFがそれぞれG及びHと締結した場合,Gは事後届出を行う必要はないが,Hは事後届出を行う必要がある。」 |
4.「甲市が所有する市街化区域に所在する面積3,000平方メートルの土地を,I に売却する契約を,甲市と I が締結した場合,I は事後届出を行う必要がある。 」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「Aが所有する都市計画区域に所在する面積6,000平方メートルの土地をBに売却する契約を,Aと,Bの売買契約の代理人であるCが締結した場合,CはC名義により,事後届出を行う必要がある。」 |
【正解:×】 ◆届出は権利取得者自身の名義で行う B (買主) 都市計画区域内の6,000平方メートルならば,市街化区域・その他の都市計画区域のどちらでも届出対象面積になるが,国土法の事後届出は,代理人名義ではなく,権利取得者〔買主等〕の名義で行う。したがって,×になる。
▼代理人が本人B名義で届出をすることはできる。なお,代理人Cが契約締結後2週間以内に届出をしなかった場合は,行為者〔代理人C〕を罰する〔6月以下の懲役又は100万円以下の罰金〕ほか,本人Bも罰金刑〔100万円以下の罰金〕が科されることに注意。〔50条,両罰規定〕→平成2年出題 |
●関連問題 |
1.「土地所有者Aの業務に関し,BがAの代理人として,国土利用計画法の規定に違反して,事前届出をしないで土地の売買契約を締結した場合,Bが6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることがあるほか,Aも100万円以下の罰金に処せられることがある。」(平成2年・問17・肢1)改 |
【正解:○】国土利用計画法に違反して代理人が罰則を受けるときは,本人〔または法人〕も罰金刑が科される。⇒代理人は『○○の懲役又は○○の罰金』,本人は『○○の罰金』 |
2.「Dが所有する市街化調整区域に所在する面積4,000平方メートルの農地をEに売却する契約を,農地法第5条の許可を停止条件としてDとEが締結した場合,Eは事後届出を行う必要がある。」 |
【正解:×】出題歴・農地法第5条の許可を停止条件・平成7年 ◆その他の都市計画区域内は5,000平方メートル 農地法第5条の許可を停止条件とする停止条件付売買契約の締結は事後届出対象になる。しかし,市街化調整区域の面積4,000平方メートルの土地では事後届出対象面積にはならない。したがって,×になる。
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3.「Fが所有する市街化区域に所在する面積5,000平方メートルの一団の土地を分割して,1,500平方メートルをGに,3,500平方メートルをHに売却する契約をFがそれぞれG及びHと締結した場合,Gは事後届出を行う必要はないが,Hは事後届出を行う必要がある。」 |
【正解:○】 ◆分割した土地 : 届出対象面積になっているか? G 1,500平方メートル・・・2,000平方メートル未満なので届出不要 一団の土地の分割の問題。事後届出なので分割後の買い手のG,Hとも取得面積が事後届出対象面積になるかどうかで判断する。Hの取得面積は,市街化区域の面積要件を満たしているので事後届出が必要になる。
▼もしFが所有する土地が注視区域にある場合は,売る側Fが所有する土地は市街化区域2,000平方メートル以上の要件を満たしている〔分割前5,000平方メートル〕ので『売りの一団』となり,当事者であるF,G,Hとも事前届出を必要とする。 |
4.「甲市が所有する市街化区域に所在する面積3,000平方メートルの土地を,I に売却する契約を,甲市と I が締結した場合,I は事後届出を行う必要がある。 」 |
【正解:×】出題歴・昭和55年,59年,平成7年,10年, ◆当事者の一方〔又は双方〕が国,地方公共団体のときは届出はいらない 土地の売買契約等で当事者の一方又は両方が国,地方公共団体,政令で定める法人のときは事前届出,事後届出とも不要である。(23条2項3号など)したがって,×になる。 |
●国土利用計画法の過去問Archives |
【平成10年法施行後の過去問】 平成11年・問16,平成12年・問16,平成13年・問16,平成14年・問16,平成15年・問16,平成16年・問16,平成17年・問17,平成18年・問17,平成19年・問17,平成20年・問17, |
【平成10年法施行前の問題】法改正対応しているため事実上の新作問題 昭和50年,昭和50年,昭和54年,昭和55年,昭和56年,昭和57年,昭和58年,昭和59年,昭和60年,昭和61年,昭和62年,昭和63年,平成元年,平成2年問17,平成2年問18,平成3年,平成4年,平成5年,平成6年,平成7年,平成8年,平成9年,平成10年, |