宅建過去問 宅建業法
免許の過去問アーカイブス 平成21年・問26 事務所の定義,更新手続,免許権者
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 |
1 本店及び支店1か所を有する法人Aが、甲県内の本店では建設業のみを営み、乙県内の支店では宅地建物取引業のみを営む場合、Aは乙県知事の免許を受けなければならない。 |
2 免許の更新を受けようとする宅地建物取引業者Bは、免許の有効期間満了の日の2週間前までに、免許申請書を提出しなければならない。 |
3 宅地建物取引業者Cが、免許の更新の申請をしたにもかかわらず、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なおその効力を有する。 |
4 宅地建物取引業者D (丙県知事免許) は、丁県内で一団の建物の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において建物の売買契約を締結する場合、国土交通大臣への免許換えの申請をしなければならない。 |
<コメント> |
本問題は,基礎知識であっても出題頻度が少ない項目を集めて作問されたと思われますが,正答率は90%に迫っており,絶対に落とせない問題です。 |
●出題論点● |
肢1 本店は,宅建業を営まない場合でも,宅建業法上の事務所として扱う。
肢2 免許の更新は,有効期間満了日の90日前から30日前までの間に申請する。 肢3 適法に免許の更新を申請して,従前の免許の有効期間満了の日までに処分がなされないときは,従前の免許は,有効期間満了後も,その処分がなされるまでの間は,なお効力を有する。 肢4 案内所は,契約行為等を行う場合も,事務所とは扱われない。 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
正答率 | 88.0% |
1 本店及び支店1か所を有する法人Aが、甲県内の本店では建設業のみを営み、乙県内の支店では宅地建物取引業のみを営む場合、Aは乙県知事の免許を受けなければならない。 |
【正解:×】昭和63年・問35・肢2,平成12年・問30・肢1, ◆本店は,宅建業を営まない場合でも,宅建業法上の事務所として扱う 本店は,宅建業を営まない場合も,宅建業法上は,「主たる事務所」として扱います。このため,本肢の法人Aは,甲県と乙県の2県−つまり,2以上の都道府県の区域内に事務所を有することになるので,国土交通大臣の免許を受けなければなりません(宅建業法3条1項)。 「Aは乙県知事の免許を受けなければならない」とする本肢は誤りです。 |
●宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 (国土交通省) |
第3条第1項関係 1 令第1条の2第1号に規定する「事務所」について 本号に規定する「事務所」とは、商業登記簿等に登載されたもので、継続的に宅地建物取引業者の営業の拠点となる施設としての実体を有するものが該当し、宅地建物取引業を営まない支店は該当しないものとする。 なお、登記していない個人にあっては、当該事業者の営業の本拠が本店に該当するものとする。 |
2 免許の更新を受けようとする宅地建物取引業者Bは、免許の有効期間満了の日の2週間前までに、免許申請書を提出しなければならない。 |
【正解:×】平成16年・問32・肢3, ◆免許の更新の申請期間 有効期間の満了後引き続き宅建業を営もうとする者は,免許の更新を受けなければならず(宅建業法3条3項),免許の更新を受けようとする者は,有効期間満了日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出しなければなりません(宅建業法施行規則3条)。 「2週間前までに、免許申請書を提出しなければならない」とする本肢は誤りです。 |
3 宅地建物取引業者Cが、免許の更新の申請をしたにもかかわらず、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なおその効力を有する。 |
【正解:○】平成6年・問49・肢3, ◆有効期間満了日までに免許の更新がなされない場合の従前の免許の効力 適法に免許の更新を申請して,従前の免許の有効期間満了の日までに処分がなされないときは,従前の免許は,有効期間満了後も,その処分がなされるまでの間は,なお効力を有します(宅建業法3条4項)。 また,この場合,その免許の有効期間は,従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から起算されます(宅建業法3条5項)。 |
4 宅地建物取引業者D (丙県知事免許) は、丁県内で一団の建物の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において建物の売買契約を締結する場合、国土交通大臣への免許換えの申請をしなければならない。 |
【正解:×】平成9年・問33・肢3, ◆契約行為等を行う案内所の設置−50条2項の届出 案内所は,契約行為等を行う場合も,事務所としては扱われることはないので,Dは,事務所のある丙県以外の都道府県の区域に案内所を設置するからといって,免許換えの申請をする必要はありません。 契約行為等を行う案内所を設置して一団の建物の分譲を行うには,その案内所の業務を開始する日の10日前までに, 50条2項の所定の届出書〔所在地,業務内容,業務を行う期間及び専任の取引主任者の氏名を記載〕を,免許権者〔免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事〕とその所在地を管轄する都道府県知事に提出するだけです(宅建業法50条2項,施行規則19条3項)。 |
●宅地建物取引業法施行令 |
(法第三条第一項 の事務所) 第1条の2 法第3条第1項 の事務所は、次に掲げるものとする。 一 本店又は支店(商人以外の者にあっては、主たる事務所又は従たる事務所) 二 前号に掲げるもののほか、継続的に業務を行なうことができる施設を有する場所で、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くもの |