宅建過去問 宅建業法
保証協会の過去問アーカイブス 平成21年・問44
宅地建物取引業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。) に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。(平成21年・問44) |
1 保証協会は、宅地建物取引業者の相手方から社員である宅地建物取引業者の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出があったときは、その申出及びその解決の結果について社員に周知することが義務付けられている。 |
2 保証協会は、その社員の地位を失った宅地建物取引業者が地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託した場合は、当該宅地建物取引業者に対し、直ちに弁済業務保証金分担金を返還することが義務付けられている。 |
3 保証協会は、新たに社員が加入したときは、当該社員の免許権者が国土交通大臣であるか都道府県知事であるかにかかわらず、直ちに当該保証協会の指定主体である国土交通大臣に報告することが義務付けられている。 |
4 保証協会は、そのすべての社員に対して、当該社員が受領した支払金や預り金の返還債務を負うことになったときに、その債務を連帯して保証する業務及び手付金等保管事業を実施することが義務付けられている。 |
<コメント> |
●出題論点● |
肢1 苦情について解決の申出があったときは,その申出及びその解決の結果について社員に周知することが義務付けられている。
肢2 弁済業務保証金分担金は,公告期間経過後〔還付があったときはその弁済が完了した後〕に返還しなければならない。社員であった者が営業保証金を供託しても,この事に変わりはない。 肢3 新たに社員が加入した旨の報告は免許権者に対して行う。 肢4 一般保証業務や手付金等保管事業を行うかどうかは任意。 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
正答率 | 47.5% |
1 保証協会は、宅地建物取引業者の相手方から社員である宅地建物取引業者の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出があったときは、その申出及びその解決の結果について社員に周知することが義務付けられている。 |
【正解:○】初出題 ◆苦情の解決 保証協会は,宅建業者の相手方等から社員の取り扱つた宅建業に係る取引に関する苦情について解決の申出があつたときは,その相談に応じ,申出人に必要な助言をし,当該苦情に係る事情を調査するとともに,当該社員に対し当該苦情の内容を通知してその迅速な処理を求める義務があります (宅建業法64条の5第1項,64条の3第1項1号)。 また,保証協会は,上記の申出及びその解決の結果について社員に周知させなければなりません (宅建業法64条の5第4項)。 |
2 保証協会は、その社員の地位を失った宅地建物取引業者が地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託した場合は、当該宅地建物取引業者に対し、直ちに弁済業務保証金分担金を返還することが義務付けられている。 |
【正解:×】平成7年・問49・肢4,平成8年・問44・肢4,平成10年・問38・肢3, ◆弁済業務保証金分担金の返還は公告期間経過後〔還付があったときはその弁済が完了した後に〕 宅建業者が社員の地位を失ったときの弁済業務保証金分担金の返還は,当該社員であつた者に係る宅建業に関する取引により生じた債権に関し弁済を受ける権利を有する者に対し,六月を下らない一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨を公告して,その公告期間の経過後に認証をしたときは当該認証した額に係る還付充当金の債権に関し当該社員であった宅建業者の弁済が完了した後に,弁済業務保証金分担金を返還することになっています(宅建業法64条の11第3項,第4項)。 社員の地位を失った宅建業者が地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託した場合でもこのことに変わりはありません。 したがって,<営業保証金を供託した場合,直ちに弁済業務保証金分担金を返還することが義務付けられている。>とする本肢は誤りです。 |
3 保証協会は、新たに社員が加入したときは、当該社員の免許権者が国土交通大臣であるか都道府県知事であるかにかかわらず、直ちに当該保証協会の指定主体である国土交通大臣に報告することが義務付けられている。 |
【正解:×】平成19年・問44・肢4, ◆加入した旨の報告は免許権者に対して行う 保証協会は,新たに社員が加入し,または社員がその地位を失ったときは,直ちに,その旨を当該社員の免許権者〔その宅建業者が免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事〕に報告しなければなりません(宅建業法64条の4第2項)。 本肢では,<新たに社員が加入したときは,免許権者に関係なく,保証協会の指定主体である国土交通大臣に報告することが義務付けられている>としているので,誤りです。 |
4 保証協会は、そのすべての社員に対して、当該社員が受領した支払金や預り金の返還債務を負うことになったときに、その債務を連帯して保証する業務及び手付金等保管事業を実施することが義務付けられている。 |
【正解:×】昭和61年・問45・肢4, ◆一般保証業務,手付金等保管事業は任意業務 保証協会は,あらかじめ,国土交通大臣の承認を受けた上で,一般保証業務〔社員が受領した支払金または預り金の返還債務その他宅建業に関する債務を負うこととなった場合にその返還債務その他宅建業に関する債務を連帯して保証する業務〕や手付金等保管事業を行うことができますが (宅建業法64条の3第2項,64条の17第1項,64条の17の2第1項) ,これらの業務を行うかどうかは任意です。義務付けられているのではありません。 したがって本肢は誤りです。 ▼保証協会に義務付けられているのは,1) 「社員の取り扱った宅建業に係る取引に関する苦情の解決」,2) 「取引主任者その他宅地建物取引業の業務に従事し,または従事しようとする者に対する研修」,3) 「弁済業務」 の三つだけです。⇒ この三つの業務は適正かつ確実に実施しなければならない。 ●保証協会の業務
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