Brush Up! 権利の変動篇

不動産登記 出題傾向と対策


●出題傾向の概観
難易度 不動産登記の入門的な知識しか出題されていません。ただ,基本書によってはごくごく初歩的なものしか掲載しておらず,その意味では難しいと言えます。(知らないために難しく感じるだけで,司法書士や土地家屋調査士の,『超入門レベルの問題』または両試験の『昭和の時代の過去問レベル』にとどまっています。)

出題項目の分類と出題レベル

 大別すると以下の五つに分かれます。

  ・表示の登記 
  ・権利の登記
  ・不動産登記の一般知識
  ・申請手続 (申請人・添付書類)
  ・区分建物

  → 年度別過去問索引

 昭和〜平成初期では不動産登記の一般知識・権利の登記・表示の登記・申請手続の初歩的な知識を問うものが多く現在ではこの昭和〜平成初期の問題が出題されたならばパーフェクトに得点する必要があります。(この時期の問題レベルでは特別な対策は不要で,現在では,どの基本書でも十分に対応しています。)〔浅く狭くの時代〕

 しかし平成の現在では,昭和63年・平成5年と不動産登記法が改正されていくたびに,難易度も高くなり,特に表示の登記が,それまでの出題と比べると,相当細かいレベルまで要求するようになっています。権利の登記でも,従来と比べ,所有権移転登記・抵当権の登記の初歩的な知識を訊ねるものから,例えば,相続・共有・物権変動・地役権・賃借権などの総合問題・事例問題までと出題範囲は広くなっています。〔より深くより広くの時代〕

 ※しかしながら,不動産登記での初歩的なレベルに出題は限られています。宅建の出題は元々『浅く広く』であり,このレベルで『深入り』などというものは存在しません。

 現在の市販の基本書単体の不動産登記の記述レベルからすると苛酷な印象は否めません,ただこれは基本書単体と過去問にギャップがあるからにほかなりません。〔基本書は元々入門書に過ぎず最大公約数的な記述が本筋であり,過去問で出題された知識量全てを基本書に求めるのは無理な話です。通常は同シリーズの過去問集などで補充されています。〕

 本問題集に収録したのが過去問のアッパーリミットです。これをご覧になれば,不動産登記の問題は決して難しくはないことがわかると思います。

出題の構成

 近年の出題では,4肢の構成は次のようなものになっています。

  ・常識と言えるほど使い古された肢 (陳腐化したもの)
  ・5年〜10年に一度出題歴のある肢 (周期的・回帰的に出題のあるもの)
  ・これまでの出題歴のある肢の周縁・関連知識 (ニューフェィス)

 これらを適度にミックスして出題されています。不動産登記の過去問は敬遠されがちですが,上記の構成から考えると,逆に過去問を見ておくことが学習戦略上大きな意味をもつところだとも言えます。出題状況をつぶさに観察することで,問題に慣れ,不要な恐怖感を拭い,対策を立てやすくなります。

 昭和の時代の不動産登記の試験対策としては,おおむね直近の5年程度の過去問を見ておけばユウユウと得点できるところでした。しかし,平成の10年代では本試験の前に見ておくべき過去問のスパンが長くなっており,10年程度は見ておかないと安心できなくなっています。〔これは民法分野の出題状況でも言えることです。〕

出題パターン 

 (1)一つのまとまった項目を四肢とも訊いてくる場合(2)四肢とも別のトピックを訊いてくる場合があります。

 四肢ともバラバラの出題では,一見,難しく感じますが,基本的な知識を知っているか問うものであることを意識すれば,考えているほど難しい問題ではないことが多いようです。

 例えば,出題項目で未知のものや馴染みのないものが一つ二つあったとしても,正解肢は拍子抜けのするものであったりします。

 このように見かけだけで惑わされないようにする必要もあります。

対策

 今後もそれまで馴染みのなかったものが出題されることはあると思われます。しかし,試験対策としては,余り未知のものにコダワル必要はありません。過去に出題されたものとそれに関連するものを見ておくという王道『過去問+プラスアルファの演習』をこの不動産登記の分野でもすればいいのです。

 昭和〜平成初期の問題は頻出項目のみなので,特別な対策はいりません。しかし,平成4年・5年以降の問題は一通り見ておく必要があります。一度出題されれば,出題者の心理としては別の角度や視点から見た問題・関連問題を,出したくなるものです。

 本問題集では,項目ごとに,関連知識(未出題で出題が今後予想されるもの)も含めて一通りの知識を整理して,自然にアタマに入るように編集してあります。細かい知識よりも常に登記の全体像をイメージするようにして,ご活用いただければ幸いです。

●昭和の年度別 (区分建物の登記を除く)

昭和51年昭和52年昭和53年昭和54年昭和55年昭和56年問15昭和56年問16

昭和57年問15昭和57年問16昭和58年問15昭和58年問16昭和59年問15

昭和59年問16昭和61年問15昭和62年問16昭和63年問15昭和63年問16


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