法令上の制限 実戦篇

建築基準法の過去問アーカイブス 平成19年・問21 

建築確認−特殊建築物の大規模の修繕,石綿等を添加した建築材料の使用禁止,

耐火建築物,防火壁


建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。  (平成19年・問21)

1 建築主は、共同住宅の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が150平方メートルであるものの大規模の修繕をしようとする場合、当該工事に着手する前に、当該計画について建築主事の確認を受けなければならない。

2 居室を有する建築物の建築に際し、飛散又は発散のおそれがある石綿を添加した建築材料を使用するときは、その居室内における衛生上の支障がないようにするため、当該建築物の換気設備を政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

3 防火地域又は準防火地域において、廷べ面積が1,000平方メートルを超える建築物は、すべて耐火建築物としなければならない。

4 防火地域又は準防火地域において、廷べ面積が1,000平方メートルを超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁で有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000平方メートル以内としなければならない。

<コメント>  
 肢1があっというほど易しい問題。肢2〜肢4の正誤が判別できなくても,正解に達することができたはずです(肢2はこの年の改正点ですが,石綿は換気装置で済むはずがないことがわかるはずです。改正点アレルギーをなくす必要があります。)

 しかし,正答率は少し低すぎました。おそらく出題者も想定外だったと思います。ただし,今後もし同じ問題が出題されたとしたら,19年と同じ正答率になるとは思われません。

●出題論点●
 (肢1) 建築確認−特殊建築物の大規模の修繕
 (肢2) 石綿等の飛散・発散の防止
 (肢3) 防火地域・準防火地域の耐火建築物

 (肢4) 防火壁

【正解】

× × ×

 正答率  53.1%

1 建築主は、共同住宅の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が150平方メートルであるものの大規模の修繕をしようとする場合、当該工事に着手する前に、当該計画について建築主事の確認を受けなければならない。

【正解:平成10年・問20・肢3平成11年・問20・肢4平成16年・問21・肢2

◆建築確認−特殊建築物の大規模の修繕

 共同住宅は「特殊建築物」です(建築基準法2条2号,別表第一(い)欄(2))。その用途に供する部分の床面積合計が100平方メートル超えるものの大規模の修繕をするには,工事に着手する前に,あらかじめ建築確認を受けなければなりません(建築基準法6条1項1号)

2 居室を有する建築物の建築に際し、飛散又は発散のおそれがある石綿を添加した建築材料を使用するときは、その居室内における衛生上の支障がないようにするため、当該建築物の換気設備を政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

【正解:×初出題,〔参考〕平成16年・問21・肢4

◆石綿等を添加した建築材料の使用禁止

 居室を有する建築物で,建築材料や換気設備を政令で定める技術的基準に適合しなければならないのは,クロルピリホスまたはホルムアルデヒドに関してのものです(建築基準法28条の2第3号,施行令20条の5)。石綿を添加した建築材料についてのものではないため,本肢は誤りです。

 居室に限らず,石綿等をあらかじめ添加した建築材料〔吹付け石綿,吹付けロックウールで含有する石綿の重量がその0.1%を超えるもの〕の使用は,原則として禁止されています(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたものや認定したものを除く)(建築基準法28条の2第2号,平成18年9月28日国土交通省告示第1172号)

クロルピリホス〔建築材料にクロルピリホスを添加したり,クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料(国土交通大臣が定めたものを除く。)を使用することは禁止されている(施行令20条の6)。〕

 ホルムアルデヒド施行令20条の6,20条の7,20条の8,20条の9で,規定されている。

3 防火地域又は準防火地域において、廷べ面積が1,000平方メートルを超える建築物は、すべて耐火建築物としなければならない。

【正解:×頻出問題

◆耐火建築物

 問題文では,「廷べ面積が1,000平方メートルを超える建築物」となっているので,階数は考えずに,延べ面積だけで判定します。

 防火地域で耐火建築物にしなければならないのは,<延べ面積が100平方メートル超>のときで(建築基準法61条)

 準防火地域で耐火建築物にしなければならないのは,<延べ面積が1,500平方メートル超>のときです(建築基準法62条1項)

 したがって,防火地域では,廷べ面積が1,000平方メートルを超える建築物の場合は耐火建築物にしなければなりませんが,

 準防火地域では,廷べ面積が1,000平方メートルを超える建築物の場合は,耐火建築物または準耐火建築物のどちらかにすればよいので,本肢は誤りです。

●耐火建築物にしなければならないもの
 防火地域  地階を含む階数が3以上,または,延べ面積が100平方メートル超
 準防火地域  地階を除く階数が4以上,または,延べ面積が1,500平方メートル超

●防火地域

延べ面積 \ 地階を含む階数 2以下 3以上
延べ面積≦100平方メートル 耐火 or 準耐火 耐火建築物
100平方メートル<延べ面積 耐火建築物 耐火建築物

●準防火地域

延べ面積 \ 地階を除く階数 2以下 4以上
延べ面積≦500平方メートル        耐火 or 準耐火 or

技術的基準に適合

耐火
500平方メートル<延べ面積≦1,500平方メートル 耐火 or 準耐火 耐火 or 準耐火 耐火
1,500平方メートル<延べ面積 耐火 耐火 耐火

4 防火地域又は準防火地域において、廷べ面積が1,000平方メートルを超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁で有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000平方メートル以内としなければならない。

【正解:×平成9年・問25・肢3平成11年・問22・肢3平成12年・問22・肢4平成15年・問20・肢1

◆防火壁

 延べ面積が1,000平方メートルを超える建築物は,防火上有効な構造の防火壁によつて有効に区画し,かつ,各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000平方メートル以内としなければなりません(建築基準法26条1項)

 しかし,耐火建築物や準耐火建築物については,この規定は除外されているため(建築基準法26条1項1号),本肢は誤りです。


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