宅建過去問
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 切土・盛土・斜面   

●切土・盛土・斜面の過去問Archives
【不等沈下】平成3年・問1・肢4,〔不同沈下〕平成9年・問50・肢3,〔不同沈下〕平成13年・問49・肢4

【切土したがけ面に湧水】平成3年・問1・肢2

【切土での措置】平成5年・問1・肢1,【切土斜面】平成16年・問50・肢2

【斜面地での盛土〜段切り】平成5年・問1・肢2,【自然斜面と切土】平成10年・問50・肢2

【樹木と斜面地(傾斜地)】平成12年・問49・肢2

【砂質土からなるのり面と排水施設】平成13年・問49・肢3

【排水処理】平成9年・問50・肢4

【擁壁の上にブロックを積み増しして盛土】平成9年・問50・肢2

【不等沈下】平成3年・問1・肢4,〔不同沈下〕平成9年・問50・肢3,〔不同沈下〕平成13年・問49・肢4

【不等沈下】平成3年・問1・肢4

4.「建物や構造物の不等沈下は,一般に切土部よりも盛土部で起こりやすい。」

【正解:

◆不同沈下(不等沈下)

 不等沈下は,沈下量が部分的に異なる沈下のことをいい,一般に切土部よりも盛土部で起こりやすいと言われます。

 盛土そのものの自重によって沈下することで盛土をした部分は自然に締め固まるものですが,締め固まるまで何十年も待っているわけにはいかないので人為的に締め固めます。これを転圧といい,この転圧が不十分であったり,場所によって不均等な部分があると,不同沈下が起こることがあります。

不同沈下(不等沈下)・・・

 不同沈下の類系 ⇒ http://www.gir.co.jp/fudou_chinka.html

 不同沈下 ⇒ http://www.j-shield.co.jp/whats/index.html

〔不同沈下−切土部と盛土部にまたがる区域〕平成9年・問50・肢3

3.「丘陵地を切り盛りして平坦化した宅地において,切土部と盛土部にまたがる区域では,沈下量の違いにより不同沈下を生じやすい。」

【正解:

◆切土部と盛土部にまたがる区域

 切土部と盛土部では地盤の強度が異なっていることにより沈下量が異なります。このため,不同沈下が起こりやすいやすいと言われます。

〔不同沈下−切土と盛土の境目〕平成13年・問49・肢4

4.「丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は,その境目では地盤の強度が異なるため,不同沈下が起こりやすい。」

【正解:

◆丘陵地での不同沈下−盛土と切土

 丘陵地一般に丘陵地・台地・地山等を切土と盛土により造成した地盤の場合は,その境目では地盤の強度が異なるため,不同沈下が起こりやすい。

地山と盛土の強度差がある場合にも不同沈下が起こりやすい。

【切土したがけ面に湧水】平成3年・問1・肢2

2.「切土したがけ面に湧水が見られる場合には,一般にその湧水地点から下の部分の方が,それより上の部分よりも,がけくずれを起こしやすいので,特に注意が必要である。」

【正解:×

◆切土したがけ面の湧水

 切土したがけ面に湧水が見られる場合には,その湧水地点から上の部分に帯水層があるので,湧水地点から上の方ががけくずれを起こしやすい。

湧水の多い箇所や地下水位の高い箇所を切土する場合には,のり面が不安定になりやすいので,のり面勾配を緩くしたり,湧水の軽減や地下水位の低下のためののり面の排水工事を実施します。

のり面(法面)・・・盛土や切土によって人工的に形成された斜面のことをいいます。

【切土での措置】平成5年・問1・肢1

1.「地山を切土して宅地を造成する場合,風化による強度の低下と流水による浸蝕のおそれがあるので,擁壁で覆うか,又は速やかに植生等をして,そのがけ面を保護しなければならない。」

【正解:

◆切土でのがけ面の保護

 地山を切土して宅地を造成する場合に,擁壁で覆う,のり面緑化工,構造物によるのり面保護工,のり面排水工などののり面保護工の措置をしなければなりません。

●宅地造成等規制法施行令1条2号
「がけ」とは地表面が水平面に対し30度をこえる角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外のものをいい、「がけ面」とはその地表面をいう。

切土又は盛土をした土地の部分に生ずるがけ面は,原則として,崩壊を防ぐために,擁壁でおおわなければならない(宅地造成等規制法施行令5条,)。⇒ 都市計画法施行規則第23条第1項にも同様のものがある。

建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない(建築基準法19条4項)

●都市計画法33条の開発規準
 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的及び第2号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること(都市計画法・33条1項9号)

 33条1項2号イ〜二

イ 開発区域の規模、形状及び周辺の状況
ロ 開発区域内の土地の地形及び地盤の性質
ハ 予定建築物等の用途
ニ 予定建築物等の敷地の規模及び配置

【切土斜面】平成16年・問50・肢2

2.「切土斜面は,掘削後時間とともに安定化が進むので,切土掘削直後の斜面安定が確認できれば以後は安心である。」

【正解:×

◆切土斜面

 切土斜面(人工的に形成された切土ののり面)では,降雨・地震動・風化によって,掘削後時間の経過とともにしだいに不安定になっていくので,掘削直後の斜面安定が確認されても安心とはいえません。

【斜面地での盛土〜段切り】平成5年・問1・肢2

2.「著しく傾斜している谷に盛土して宅地を造成する場合,盛土前の地盤と盛土が接する面がすべり面となって崩壊するおそれがあるので,原地盤に繁茂している樹木を残したまま盛土を行って,その安定を図らなければならない。」

【正解:×

◆斜面地での盛土 ⇒ 段切り

 原地盤に繁茂している樹木を残したまま盛土を行うと崩壊する恐れがあるので,斜面を段切りして削り取るなどして地すべりや斜面崩壊の発生を防ぐ必要があります。
 ⇒ 斜面状の地盤の上に盛土をするときは,原地盤には段切りをすることが多い。 

【自然斜面と切土】平成10年・問50・肢2

2.「自然斜面は,地層分布,土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので,特にのり高の大きい切土を行う際は,のり面の安定性の検討をする必要がある。」

【正解:

◆自然斜面での切土

 自然斜面は,地層分布,土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので,特にのり高の大きい切土を行う際は,のり面の安定性を図らなければなりません。

のり面(法面)・・・盛土や切土によって人工的に形成された斜面のことをいいます。

【樹木と斜面地(傾斜地)】平成12年・問49・肢2

2.「樹木が生育する斜面地では,その根が土層と堅く結合しても,根より深い位置の斜面崩壌に対しては,樹木による安定効果を期待することはできない。」

【正解:

◆樹木が生育する斜面地と斜面崩壊

 斜面崩壌とは,集中豪雨や地震などにより斜面が不安定になって崩壊することをいいます。

 斜面地に樹木があれば,根などにより表層の崩壊を防止する機能はありますが,やはり,根より深い位置の斜面崩壊を防止することはできないので,ノンフレーム工法等で斜面の安定化を図る必要があります。

【砂質土からなるのり面と排水施設】平成13年・問49・肢3

3.「まさ,しらす,山砂,段丘砂礫などの主として砂質土からなるのり面は,地表水による浸食には比較的強いため,簡易な排水施設の設置により安定を図ることが可能である。」

【正解:×

◆砂質土から成るのり面の保護

 砂質土からなるのり面は,流水による浸食に特に弱く,落石・崩壊・土砂の流出が生じる場合が多いので,のり面の勾配や排水に十分注意する必要があり,簡易な排水施設だけでは不十分です。

【排水処理】平成9年・問50・肢4

4.「宅地の安定に排水処理は重要であり,擁壁の水抜き穴,盛土のり面の小段の排水溝等による排水処埋の行われていない宅地は,不適当であることが多い。」

【正解:

◆排水処理

 宅地の安定に排水処理は不可欠であり,排水処埋の行われていない宅地は,不適当です。

【擁壁の上にブロックを積み増しして盛土】平成9年・問50・肢2

2.「宅地周りの既存の擁壁の上に,ブロックを積み増し,盛土して造成することにより,宅地面積を広げつつ,安全な宅地として利用できることが多い。」

【正解:×

◆既存の擁壁の上にブロックを積み増し造成した宅地

 既存の擁壁の上に,ブロックを積み増し,盛土して造成したというのは以下のようなものをイメージしてください。このような造成の仕方では,盛土部そのものの地盤の強度が場所によって不均等で,地盤が崩壊する危険もあり,このような造成地が安全な宅地とはいえません。 




ブロック
  -----------------盛土部分------------                               
    ------------------    地山           




     
  もともとの宅地 (地盤)      


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