税法その他 実戦篇

土地の過去問アーカイブス 平成16年・問50 

旧河道・切土斜面・地盤と基礎の支持力・台地


土地に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成16年・問50)

1.「旧河道は軟弱で水はけの悪い土が堆積していることが多く,宅地として選定する場合は注意を要する。」

2.「切土斜面は,掘削後時間とともに安定化が進むので,切土掘削直後の斜面安定が確認できれば以後は安心である。」

3.「建物の基礎の支持力は,粘土地盤よりも砂礫地盤の方が発揮されやすい。」

4.「台地は,一般に水はけがよく地盤が安定しているので宅地に適する。」

【正解】

×

1.「旧河道は軟弱で水はけの悪い土が堆積していることが多く,宅地として選定する場合は注意を要する。」

【正解:

◆旧河道

 旧河道とは,昔河川だった場所(流路が変わって水が流れなくなった結果できたもの)です。そのため,旧河道では,泥土が堆積しており,周囲の土地よりも低い帯状の地形で湿地になっていることが多く,水害や地震に対しては弱いので宅地には適していません。

 性質=多くは,粘土層や砂礫層が不均一で軟弱地盤(不同沈下が起きやすい。),排水も悪く,低湿で,地震・洪水による被害を受けやすい。

 旧河道は,それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき,軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく,宅地には不適当であることが多い。

⇒ 旧河道・自然堤防の写真

旧河道でも,軟弱地盤ではない場合もあります。扇状地上の旧河道(低湿だが,砂礫層が表面近くまである。),天井川が廃川となった旧河道(表面が砂や砂礫で,周囲よりも高い。)

●旧河道の出題
(平成3年・問1・肢3),平成6年・問1・肢4平成7年・問1・肢4平成8年・問1・肢4,〔厚い粘土質〕平成14年・問49・肢1平成16年・問50・肢1

〔天井川が廃川になった旧河道〕昭和53年・肢4

2.「切土斜面は,掘削後時間とともに安定化が進むので,切土掘削直後の斜面安定が確認できれば以後は安心である。」

【正解:×

◆切土斜面

 切土斜面(人工的に形成された切土ののり面)では,降雨・地震動・風化によって,掘削後時間の経過とともにしだいに不安定になっていくので,掘削直後の斜面安定が確認されても安心とはいえません。

3.「建物の基礎の支持力は,粘土地盤よりも砂礫地盤の方が発揮されやすい。」

【正解:

◆建物の基礎の支持力 ⇒ 粘土地盤<砂礫地盤

 支持力とは,基礎や地盤で,,荷重を支える力のことを言います。一般的には,砂礫地盤のほうが粘土地盤よりも基礎の支持基盤としては適していると言われます。(粘土地盤では不同沈下が起きやすく,基礎の支持力も安定しない。)

4.「台地は,一般に水はけがよく地盤が安定しているので宅地に適する。」

【正解:

◆台地

 台地とは,必ずしもはっきりとした定義があるわけではありませんが,一般的には,<平野及び盆地のうちで周囲から一段と高く地表面が平らな台状の地形>のことをいいます。

 具体的には,河岸段丘・海岸段丘・開析扇状地など。(開析扇状地の例としては,武蔵野台地)

 一般には,水はけがよく地盤が安定しているので宅地に適していると言われます。(丘陵地も同じです。)

 ex.台地・丘陵地は,一般に洪水や地震に対する安全度が比較的高く,地盤にも地耐力がある。(昭和61年・問1・肢3,)

台地の縁辺部 崖下などの縁辺部では,集中豪雨の時に崖崩れを起こすことが
多いので,宅地には適さない。(平成7年・問1・肢2,)
台地上の浅く,
広い谷間
集中豪雨のときに水に漬かりやすいので宅地には適さない。
軟弱地盤であることが多く,このような土地を埋土して造成された
宅地では,地盤沈下や排水不良を生じることが多い。
(昭和60年・問1・肢2平成9年・問50・肢1,)

●台地・丘陵地・段丘の出題
【丘陵地】昭和53年・肢1昭和60年・問1・肢4昭和61年・問1・肢3平成6年・問1・肢1
【台地】昭和61年・問1・肢3平成16年・問50・肢4
【段丘】平成7年・問1・肢1
【台地の縁辺部】平成7年・問1・肢2
【丘陵地・台地内の谷間】昭和60年・問1・肢2平成9年・問50・肢1

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