税法その他 実戦篇
土地の過去問アーカイブス 平成14年・問49
旧河道・地すべりの予兆・低平地での盛土・液状化
土地に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成14年・問49) |
1.「旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土層からなるときは,軟弱地盤である可能性が高い。」 |
2.「宅地予定地周辺の擁壁や側溝,道路等にひび割れが見られる場合,地すべりが活動している可能性が高い。」 |
3.「河川近傍の低平地で盛土を施した古い家屋が周辺に多いのは,洪水常習地帯である可能性が高い。」 |
4.「丘陵地帯で地下水位が深く,固結した砂質土で形成された地盤の場合,地震時は液状化する可能性が強い。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土層からなるときは,軟弱地盤である可能性が高い。」 |
【正解:○】 ◆旧河道 旧河道とは,昔河川だった場所(流路が変わって水が流れなくなった結果できたもの)です。そのため,旧河道では,泥土が堆積しており,周囲の土地よりも低い帯状の地形で湿地になっていることが多く,水害や地震に対しては弱いので宅地には適していません。 性質=多くは,粘土層や砂礫層が不均一で軟弱地盤(不同沈下が起きやすい。),排水も悪く,低湿で,地震・洪水による被害を受けやすい。 旧河道は,それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき,軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく,宅地には不適当であることが多い。 ▼旧河道でも,軟弱地盤ではない場合もあります。扇状地上の旧河道(低湿だが,砂礫層が表面近くまである。),天井川が廃川となった旧河道(表面が砂や砂礫で,周囲よりも高い。) |
●旧河道の出題 |
(平成3年・問1・肢3),平成6年・問1・肢4,平成7年・問1・肢4,平成8年・問1・肢4,〔厚い粘土質〕平成14年・問49・肢1,平成16年・問50・肢1,
〔天井川が廃川になった旧河道〕昭和53年・肢4, |
2.「宅地予定地周辺の擁壁や側溝,道路等にひび割れが見られる場合,地すべりが活動している可能性が高い。」 |
【正解:○】 ◆地すべりの予測 地すべりの発生は,地形図等からも予測できますが,周辺の擁壁や側溝,道路等にひび割れが見られることによっても予測できます。 ⇒ 地すべりの予測 (社団法人 斜面防災対策技術協会), |
●地すべりについてのリンク |
地すべりとは(PDF,国土交通省),日本の地すべり,日本の地すべり・災害事例写真集,地すべり学入門(鹿児島大学), |
●地すべりの出題 |
平成4年・問1・肢2,〔地すべり地と等高線〕平成11年・問49・肢2,平成12年・問49・肢1,平成13年・問49・肢1,〔地すべりの予測−擁壁・側溝・道路にひび割れ〕平成14年・問49・肢2,〔断層と地すべり〕平成15年・問49・肢2, |
3.「河川近傍の低平地で盛土を施した古い家屋が周辺に多いのは,洪水常習地帯である可能性が高い。」 |
【正解:○】 ◆河川近傍の低平地 河川近傍の低平地では,水害の可能性がありますが,周辺の古い家屋が盛土を施しているならば,洪水がよくあるので盛土をしているのだと考えていいでしょう。 |
●後背低地(後背湿地)の出題 |
昭和60年・問1・肢3,昭和61年・問1・肢2,〔自然堤防に囲まれた低地〕平成7年・問1・肢3,〔自然堤防の背後に広がる低平地,盛土の沈下〕平成12年・問49・肢4,
〔河川近傍の低平地で盛土のある古い家屋−洪水の予測〕平成14年・問49・肢3, |
4.「丘陵地帯で地下水位が深く,固結した砂質土で形成された地盤の場合,地震時は液状化する可能性が強い。」 |
【正解:×】 ◆液状化 液状化は,
のときに発生します。 したがって,<地下水位が深く,固結した砂質土で形成された地盤>では液状化する可能性は低いので,本肢は誤りです。 ▼液状化は多くは砂地盤で発生しますが,砂地盤以外の地盤でも起きることがあります。(例えば,粘土地盤でも粘土層が薄く,その下部に砂層がある地点では液状化が発生。 ) ▼台地上の土地でも,凹地では,地下水(宙水)が貯留されているような場合,液状化が起きることがあります。 |
●液状化の参考リンク |
液状化現象とは?(国土交通省),地震に伴う現象と地震災害 (山賀 進のWeb site), いろいろな土の液状化状況 (飛島建設技術研究所),液状化(横浜市),防災Q&A(京都大学防災研究所), 液状化の発生要因(http://www.mmjp.or.jp/honki/ie/ekizyouka/kiso0052.htm), |
●液状化の過去問Archives |
平成3年・問1・肢1,平成14年・問49・肢4, |