税法その他 実戦篇

土地の過去問アーカイブス 平成11年・問49 地形図 

急傾斜地と等高線・地すべり地・崖錘・断層地形


土地の地形に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成11年・問49)

1.「地形図で見ると,急傾斜地では等高線の間隔は密になっているのに対し,傾斜が緩やかな土地では等高線の間隔は疎となっている。」

2.「地すべり地については,上部は急斜面,中部は緩やかな斜面,下部には末端部に相当する急斜面があり,等高線は乱れて表れることが多い。」

3.「崖錐は,谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しており,谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表されることが多い。」

4.「断層地形は,直線状の谷,滝その他の地形の急変する地点が連続して存在するといった特徴が見られることが多い。」

【正解】

×

1.「地形図で見ると,急傾斜地では等高線の間隔は密になっているのに対し,傾斜が緩やかな土地では等高線の間隔は疎となっている。」

【正解:等高線の出題 : 平成元年,11年,15年

◆急傾斜地と等高線

 地形図で等高線は同一の高度にあるところを線で結んだものです。傾斜のない水平な土地の地形図では等高線はありません。

 等高線の間隔が密であることは急傾斜地であることを意味し,等高線の間隔が疎になっているのは傾斜が緩やかであることを意味します。

2.「地すべり地については,上部は急斜面,中部は緩やかな斜面,下部には末端部に相当する急斜面があり,等高線は乱れて表れることが多い。」

【正解:

◆地すべり地

 地すべり地は周囲よりも緩やかな斜面になっていることが多いので,地すべり地は,地形図では,等高線の間隔がその周囲よりやや広がり,不自然に膨らんでいるように見えます。

 問題文は,このことを「地すべり地では等高線は乱れて表れることが多い」と表現しています。⇒ 地すべり地形(中国地質業協会)

●地すべりについてのリンク
地すべりとは(PDF,国土交通省)日本の地すべり日本の地すべり・災害事例写真集地すべり学入門(鹿児島大学)
●地すべりの出題
平成4年・問1・肢2,〔地すべり地と等高線〕平成11年・問49・肢2平成12年・問49・肢1平成13年・問49・肢1,〔地すべりの予測−擁壁・側溝・道路にひび割れ〕平成14年・問49・肢2,〔断層と地すべり〕平成15年・問49・肢2

3.「崖錐は,谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しており,谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表されることが多い。」

【正解:×

◆崖錘

 崖錐は,傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しているので,この部分は正しいのですが,谷出口を頂点とする同心円状の傾斜があるのは扇状地です。後半が,【扇状地】のことをいっているので誤りです。

 → 決め手・<谷出口を頂点とする同心円状の等高線> ⇒ 扇状地

 ―*―*―*―関連知識―*―*―*―

 崖錐(がいすい)とは,風化,剥離した岩屑(がんせつ)が急斜面を落下して堆積した地形で,急な崖の下(崖の基部)に形成され,崖錐斜面(30゜〜40゜)を構成します。(斜面の下にできた半円錐状の地形。)

 透水性が高いため地すべりを起こしやすく,集中豪雨の時には,斜面崩壊から土石流を引き起こしやすいといわれます。 ⇒ 参考・崖錐斜面の図

崖錐堆積物,または崖錐性堆積物とは崖錘の構成物です。構成土砂は未固結で侵食に弱いとされています。

●崖錐の出題
〔地すべりとの関連〕平成4年・問1・肢4平成8年・問1・肢2

【崖錐】平成11年・問49・肢3

4.「断層地形は,直線状の谷,滝その他の地形の急変する地点が連続して存在するといった特徴が見られることが多い。」

【正解:

◆断層地形

 問題文は,専門用語を用いずに,断層地形の概要を述べたものです。

 断層地形とは,地表面が断層面を境にして水平方向または垂直方向にずれ動いたものや断層線(断層面と地表面の交線)付近に差別侵食が行われたりして形成された地形をいいます。(断層崖,地塁,地溝,断層谷,断層盆地,傾動地塊,ケルンバット,ケルンコルなど)

 ⇒ 断層を見る (猫三さんの地学教室)断層地形と地形図

断層地形が地表面に出ないような断層もあり,断層地形がないからといって地下に断層がないとはいいきれません。

●断層の出題
平成元年・問1・肢2平成11年・問49・肢4平成15年・問49・肢2

過去問アーカイブス・税法その他に戻る 土地のトップに戻る

Brush Up! 税法その他編に戻る