宅建過去問 法令上の制限
都市計画法の過去問アーカイブス 平成21年・問16 建築等の規制
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。(平成21年・問16) |
1 市街地開発事業の施行地区内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事等の許可を受けなければならない。 |
2 風致地区内における建築物の建築については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。 |
3 工作物の建設を行おうとする場合は、地区整備計画が定められている地区計画の区域であっても、行為の種類、場所等の届出が必要となることはない。 |
4 都市計画事業においては、土地収用法における事業の認定の告示をもって、都市計画事業の認可又は承認の告示とみなしている。 |
<コメント> |
4肢とも過去問に出題歴があり,正解肢も頻出論点でした。 |
●出題論点● |
(肢1) 市街地開発事業の施行地区ー非常災害の応急措置については許可不要
(肢2) 風致地区−条例による規制 (肢3) 地区整備計画が定められている地区計画の区域−建築等の届出 (肢4) 都市計画事業のための土地等の収用又は使用 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
正答率 | 76.0% |
1 市街地開発事業の施行地区内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事等の許可を受けなければならない。 |
【正解:×】平成7年・問18・肢3, ◆市街地開発事業の施行地区ー非常災害の応急措置については許可不要 都市計画施設の区域または市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は,都道府県知事等(市の区域内では当該市の市長)の許可を受けなければなりませんが,例外がいくつかあります。非常災害のため必要な応急措置として行う行為はその例外の一つで,都道府県知事等の許可は不要です(都市計画法53条1項2号)。 【対比】都市計画事業の認可等の告示後に,事業地内において,都市計画事業の施行の障害となるおそれがあるものについては,非常災害のため必要な応急措置として行う行為であっても許可を受けなければなりません(都市計画法65条1項)。(出題)平成10年・問17・肢4, |
2 風致地区内における建築物の建築については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。 |
【正解:○】昭和60年・問18・肢4,平成14年・問18・肢4, ◆風致地区−条例による規制 風致地区内における建築物の建築,宅地の造成,木竹の伐採その他の行為については,政令で定める基準に従い,地方公共団体の条例で,都市の風致を維持するため必要な規制をすることができます(都市計画法58条1項)。 ▼条例は,面積が10 ha以上の風致地区で2以上の市町村の区域にわたるものは都道府県が,それ以外の風致地区に係るものは市町村が定めます(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令2条)。 |
3 工作物の建設を行おうとする場合は、地区整備計画が定められている地区計画の区域であっても、行為の種類、場所等の届出が必要となることはない。 |
【正解:×】平成元年・問19・肢2,平成3年・問19・肢4,平成9年・問17・肢4,平成12年・問18・肢3,平成19年・問18・肢3, ◆地区整備計画が定められている地区計画の区域−建築等の届出 地区計画の区域のうち,一定の施設の配置及び規模が定められている再開発等促進区・開発整備促進区または地区整備計画が定められている区域内で,土地の区画形質の変更、建築物の建築その他政令で定める行為(工作物の建設も含まれる)を行おうとする者は,当該行為に着手する日の30日前までに,行為の種類,場所,設計または施行方法,着手予定日その他国土交通省令で定める事項(行為の完了予定日)を市町村長に届け出なければなりません(都市計画法58条の2第1項,施行令38条の4,施行規則43条の8)。 |
4 都市計画事業においては、土地収用法における事業の認定の告示をもって、都市計画事業の認可又は承認の告示とみなしている。 |
【正解:×】平成18年・問18・肢3, ◆都市計画事業のための土地等の収用又は使用 都市計画事業では,都市計画事業の認可または承認の告示をもつて土地収用法の規定による事業の認定の告示とみなしています(都市計画法70条1項)。 本肢はこの規定とは逆の記述になっています。 |