税法その他 実戦篇
登録免許税の過去問アーカイブス 昭和56年・問31
登録免許税に関する次の記述のうち,誤っているのはどれか。 (昭和56年・問31) |
1.「個人が分譲住宅を取得した場合において,住宅だけでなくその敷地についても,移転登記に対する登録免許税の軽減措置が講じられている。」 |
2.「新築住宅の取得ばかりでなく,いわゆる中古住宅の取得についても,一定の要件のもとに登録免許税の軽減措置が講じられている。」 |
3.「個人が自己の居住用の住宅を新築した場合において,その保存登記については,登録免許税の軽減措置が講じられている。」 |
4.「住宅に係る登録免許税の軽減措置は,住宅の保存登記または移転登記についてばかりでなく,その取得のための資金の貸し付けに係る抵当権の設定登記についても講じられている。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | ○ | ○ |
住宅用家屋の軽減税率の出題歴 (50問時代) | |
所有権保存 | 平成10年,昭和59年,昭和57年,昭和56年, |
所有権移転 〔売買または競落〕 |
平成15年,平成元年,昭和59年,昭和57年,昭和56年,
(昭和55年), |
抵当権設定 | 昭和59年,昭和57年,昭和56年, |
登記 | 課税標準 | 本則 | 軽減税率 |
所有権保存 | 価額 | 4/1000 | 1.5/1000 |
所有権移転 〔売買・競落〕 |
価額 |
20/1000 土地の売買のみ |
3/1000 |
抵当権設定 | 債権金額 | 4/1000 | 1/1000 |
・相続・法人の合併による移転登記は 4/1000 ・軽減税率の特例の適用は住宅用家屋だけで,「住宅用家屋以外の建物」や「土地」には適用されない。〔平成27年3月31日まで〕(租税特別措置法72条の2〜75条)⇒個人のみ |
1.「個人が分譲住宅を取得した場合において,住宅だけでなくその敷地についても,移転登記に対する登録免許税の軽減措置が講じられている。」 |
【正解:×】 ◆住宅用家屋の敷地には適用されない 住宅用家屋の保存登記,移転登記,抵当権設定には,軽減措置がありますが,住宅用家屋の敷地についての軽減措置はありません。 |
2.「新築住宅の取得ばかりでなく,いわゆる中古住宅の取得についても,一定の要件のもとに登録免許税の軽減措置が講じられている。」 |
【正解:○】昭和55年問26肢4,56年問31肢2,57年問29肢3,57年問29肢4,平成15年問27肢1,参考・平成10年問26肢3 ◆既存住宅−取得後1年以内 当該住宅用家屋の取得後1年以内に登記を受けるものに限り, 建築後使用されたことのある住宅用家屋のうち政令で定めるものの取得 の場合,既存住宅でも,移転登記・抵当権設定登記については登録免許税の軽減措置が適用されます。(租税特別措置法・75条,施行令42条の2の2) この場合,所有権移転登記では〔価額の〕1000分の3とする軽減税率になります。
※鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造その他の財務省令で定めるもの ※平成17年の施行令の改正により,<当該家屋が建築基準法施行令第3章及び第5章の4の規定又は国土交通大臣が財務大臣と協議して定める地震に対する安全性に係る基準に適合するものであること。>が加わり,この場合には築年数は問わないことになった。 註 床面積と築年数だけは覚えておきましょう。 |
●住宅用家屋の所有権の移転登記の税率の軽減 |
第73条 個人が、昭和59年4月1日から平成27年3月31日までの間に建築後使用されたことのない住宅用家屋又は建築後使用されたことのある住宅用家屋のうち政令で定めるものの取得(売買その他の政令で定める原因によるものに限る。)をし、当該個人の居住の用に供した場合には、これらの住宅用家屋の所有権の移転の登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところによりこれらの住宅用家屋の取得後1年以内(1年以内に登記ができないことにつき政令で定めるやむを得ない事情がある場合には、政令で定める期間内。次条において同じ。)に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、〔価額の〕1000分の3とする。 |
3.「個人が自己の居住用の住宅を新築した場合において,その保存登記については,登録免許税の軽減措置が講じられている。」 |
【正解:○】昭和56年,57年,59年,平成10年 ◆保存登記−新築後又は取得後1年以内 所有権保存登記について,政令で定める住宅用家屋を新築後1年以内又は(政令で定める未使用住宅のときは)取得後1年以内に限り,〔価額の〕1000分の1.5とする登録免許税の軽減措置が適用されます。(租税特別措置法・72条の2,施行令41条)
註 床面積だけは覚えておきましょう。 |
●住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減 |
第72条の2 個人が、昭和59年4月1日から平成27年3月31日までの間に住宅用の家屋で政令で定めるもの(以下第74条までにおいて「住宅用家屋」という。)を新築し、又は建築後使用されたことのない住宅用家屋を取得し、当該個人の居住の用に供した場合には、当該住宅用家屋の所有権の保存の登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該住宅用家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、〔価額の〕1000分の1.5とする。 |
4.「住宅に係る登録免許税の軽減措置は,住宅の保存登記または移転登記についてばかりでなく,その取得のための資金の貸し付けに係る抵当権の設定登記についても講じられている。」 |
【正解:○】昭和56年,57年,59年 ◆住宅用家屋の抵当権設定登記の軽減税率 住宅用家屋の新築をし,又は取得して,1年以内に抵当権の設定登記を受けるものに限り,債権金額の1000分の1とする軽減税率が適用されます。(租税特別措置法・75条,施行令42条の2の2) |
●住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減 |
第75条 個人が、昭和59年4月1日から平成27年3月31日までの間に住宅用家屋の新築(当該期間内に家屋につき増築をし、当該増築後の家屋が住宅用家屋に該当する場合における当該増築を含む。以下この条において同じ。)をし、又は建築後使用されたことのない住宅用家屋若しくは建築後使用されたことのある住宅用家屋のうち政令で定めるものの取得をし、当該個人の居住の用に供した場合において、これらの住宅用家屋の新築又は取得(以下この条において「住宅用家屋の新築等」という。)をするための資金の貸付け(貸付けに係る債務の保証を含む。)が行われるとき又は対価の支払が賦払の方法により行われるときは、その貸付け又はその賦払金に係る債権で次の各号に掲げるものを担保するために当該各号に定める者が受けるこれらの住宅用家屋を目的とする抵当権の設定の登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該住宅用家屋の新築等後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条 の規定にかかわらず、〔債権金額の〕1000分の1とする。 一 住宅用家屋の新築等をするための資金の貸付けに係る債権 当該債権に係る貸付けを行つた者 二 住宅用家屋の新築等をするための資金の貸付けに係る債務の保証に基づく求償権 当該債務の保証を行つた者 三 住宅用家屋の新築等をするための対価の支払が賦払の方法により行われる場合における当該賦払金に係る債権 当該賦払の方法により当該対価の支払を受けた者 四 住宅用家屋の新築等をするための資金の貸付けに係る債権で独立行政法人住宅金融支援機構が独立行政法人住宅金融支援機構法 (平成17年法律第82号)第13条第1項第1号 の業務により金融機関から譲り受けた貸付債権 独立行政法人住宅金融支援機構 |
⇒住宅用家屋の軽減税率についての租税特別措置法の施行令は,こちらをご覧ください。
●登録免許税の宅建過去問Up-To-Date 50問時代の全問 〜検索用〜 |
昭和56年問31,昭和57年問29,昭和59年問31,昭和63年問30,平成元年問30,平成3年問28,平成8年問29,平成10年問26,平成14年問27,平成15年問27 |