宅建過去問 宅建業法
保証協会の過去問アーカイブス 平成20年・問44
宅地建物取引業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。) 又はその社員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(平成20年・問44) |
1 300万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、6,000万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。 |
2 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。 |
3 保証協会の社員は、保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で、その通知を受けた日から1か月以内にその通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないときは、当該保証協会の社員の地位を失う。 |
4 宅地建物取引業者は、保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から2週間以内に、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。 |
<コメント> |
4肢のどれも出題歴がありますが,肢1は久しぶりの出題であったため,マゴついた方がいたようです。
また,営業保証金と保証協会では,期限がよく問題になります。一通り整理しておく必要があります。 |
●出題論点● |
肢1 弁済を受けることができる金額
肢2 還付充当金は保証協会に納付する 肢3 特別弁済業務保証金分担金は,通知を受けてから1ヵ月以内に納付する 肢4 社員の地位を失つた場合の営業保証金は,1週間以内に供託する |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
正答率 | 69.9% |
1 300万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、6,000万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。 |
【正解:×】平成元年・問45・肢2,平成2年・問50・肢2,平成4年・問47・肢2〜4,平成6年・問46・肢2, ◆弁済を受けることができる金額 保証協会の社員である宅建業者が,納付しなければならない弁済業務保証金分担金は,主たる事務所について60万円,従たる事務所について30万円の合計金額です(宅建業法64条の9第1項,施行令7条)。 1) 従たる事務所の数を算出 主たる事務所の60万円に着目して,従たる事務所の数を算出すると, (300万円−60万円)÷30万円=8 これより,事務所の数は,「主たる事務所1+従たる事務所8」であることがわかります。 2) 弁済業務保証金から弁済を受けることができる金額を算出 弁済を受けることができる金額は営業保証金を供託していた場合と同じですから(宅建業法64条の8第1項), 主たる事務所 1,000万円 従たる事務所 500万円×8=4,000万円 合計すると 5,000万円。 したがって,社員となった者と宅建業に関し取引をした者は,その取引により生じた債権に関し,5,000万円を限度として,弁済業務保証金から弁済を受けることができることになります。 本肢は,<6,000万円を限度>としているので,誤りです。 |
2 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。 |
【正解:×】】平成11年・問44・肢3,と全くの同一問題。 ◆還付充当金の納付 保証協会は,弁済業務保証金の還付があったとき,その還付に係る社員または社員であった者に対して,「還付充当金を保証協会に納付するように」と通知しなければなりません(宅建業法64条の10第1項)。 本肢では,<還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきこと>となっているので,誤りです。 ▼宅建業者は,保証協会から還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に,通知された額の還付充当金を保証協会に納付しないときは,社員としての地位を失います(宅建業法64条の10第1項〜第3項)。 |
3 保証協会の社員は、保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で、その通知を受けた日から1か月以内にその通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないときは、当該保証協会の社員の地位を失う。 |
【正解:○】平成12年・問45・肢3, ◆特別弁済業務分担金の納付 保証協会の社員は,保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けたときは,その通知を受けた日から1か月以内にその通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければなりません(宅建業法64条の12第4項)。 特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないときは,その保証協会の社員の地位を失います(宅建業法64条の12第5項,宅建業法64条の10第3項)。 ●整理● −納付または供託の期限−
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4 宅地建物取引業者は、保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から2週間以内に、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。 |
【正解:×】平成10年・問38・肢4,平成15年・問42・肢4,平成18年・問44・肢4, ◆社員の地位を失つた場合の営業保証金の供託 宅地建物取引業者は,保証協会の社員の地位を失ったときは,その地位を失った日から1週間以内に,営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければなりません(宅建業法64条の15)。 これに違反すると,業務停止処分を受けることがあります(宅建業法65条2項2号)。 本肢は,<当該地位を失った日から2週間以内>となっているので,誤りです。 ▼宅建業者は,社員でなくなったことにより営業保証金を供託したときは,供託した旨の届出をしなければいけません(宅建業法25条4項,64条の15後段)。 |