宅建過去問 宅建業法
業務上の規制の過去問アーカイブス 平成21年・問43 事務所等の規制
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。(平成21年・問43) |
1 宅地建物取引業者の従業者である取引主任者は、取引の関係者から事務所で従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて従業者名簿又は宅地建物取引主任者証を提示することで足りる。 |
2 宅地建物取引業者がその事務所ごとに備える従業者名簿には、従業者の氏名、生年月日、当該事務所の従業者となった年月日及び当該事務所の従業者でなくなった年月日を記載することで足りる。 |
3 宅地建物取引業者は、一団の宅地の分譲を案内所を設置して行う場合、業務を開始する日の10日前までに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及び案内所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。 |
4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあった月の翌月10日までに、一定の事項を記載しなければならない。 |
<コメント> |
●出題論点● |
肢1 従業者名簿や取引主任者証を提示しても,従業者証明書を提示したことにはならない
肢2 従業者名簿の記載事項は,宅建業法と施行規則で定められており,その全てを記載しなければならない。 肢3 50条2項の届出は業務を開始する10日前までにしなければならない。 肢4 帳簿は,取引のあったつど,記載する。 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
正答率 | 82.8% |
1 宅地建物取引業者の従業者である取引主任者は、取引の関係者から事務所で従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて従業者名簿又は宅地建物取引主任者証を提示することで足りる。 |
【正解:×】平成元年・問40・肢2,平成8年・問36・肢2,平成15年・問40・肢2,平成19年・問45・肢1, ◆従業者名簿や取引主任者証を提示しても,従業者証明書を提示したことにはならない 宅建業者の従業者は,従業者証明書をその業務に従事する間,常に携帯して,取引の関係者から請求があったときは,従業者証明書を提示しなければなりません(宅建業法48条2項)。 取引主任者が,取引主任者証※を提示しても,従業者証明書の提示に代えることはできません。したがって,本肢は誤りです。 ※取引主任者証には,従事している宅建業者の商号,名称,その事務所の所在地は記載されていないので, 取引主任者証を提示しても,その宅建業者の従業者であることを証明することはできないからです。 |
2 宅地建物取引業者がその事務所ごとに備える従業者名簿には、従業者の氏名、生年月日、当該事務所の従業者となった年月日及び当該事務所の従業者でなくなった年月日を記載することで足りる。 |
【正解:×】平成2年・問38・肢3,(従業者証明書番号)平成8年・問40・肢1,(取引主任者であるか否かの別)平成9年・問30・肢1,(取引主任者であるか否かの別)平成12年・問31・肢4, ◆従事者名簿の記載事項 従業者名簿の記載事項は,宅建業法と施行規則で定められており,その全てを記載しなければなりません(宅建業法48条3項,施行規則17条の2)。
本肢では,<従業者の氏名、生年月日、当該事務所の従業者となった年月日及び当該事務所の従業者でなくなった年月日を記載することで足りる。>としており,このほかにも記載しなければならないもの〔従業者証明書の番号,主たる職務内容,取引主任者であるか否かの別〕があるので,本肢は誤りです。 |
3 宅地建物取引業者は、一団の宅地の分譲を案内所を設置して行う場合、業務を開始する日の10日前までに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及び案内所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。 |
【正解:○】昭和55年・問40・肢4,昭和60年・問42・肢2,平成16年・問43・肢4, ◆50条2項の届出は業務を開始する10日前まで 宅建業者は,契約行為等を行う案内所・展示会場・出張所(事務所以外で継続的に業務を行うことができる施設を有する場所)〔専任の取引主任者を置く義務のある場所。〕を設置する場合は,あらかじめ,その業務を開始する10日前までに,50条2項の届出を,免許権者及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければなりません(宅建業法50条2項,施行規則19条3項)。
国土交通大臣免許業者の場合,国土交通大臣及び当該場所の所在地を管轄する都道府県知事に対して届け出ますが(宅建業法・50条2項,施行規則19条3項), 国土交通大臣への届出は,その届出に係る業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行います(宅建業法・50条2項,78条の3第2号)。 |
4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあった月の翌月10日までに、一定の事項を記載しなければならない。 |
【正解:×】平成16年・問45・肢4,平成18年・問42・肢3, ◆帳簿は,取引のあったつど,記載する 宅建業者は,その事務所ごとに,その業務に関する帳簿を備え,宅建業に関し取引のあつたつど,その年月日,その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければなりません(宅建業法49条,施行規則18条)。 |