法令上の制限 実戦篇
諸法令の過去問アーカイブス 平成13年・問25 総合事例問題・新傾向
A所有の都市計画法による市街化区域内の宅地:甲地(面積250平方メートル)をBが取得した場合における次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成13年・問25) |
1.「Bが甲地を盛土したうえで住宅を建築しようとするときには,都市計画法第29条の許可(開発許可)を受けなければならない。」 |
2.「甲地が都市計画法による第一種住居地域に指定されているときは,建築基準法の規定によると,Bは,甲地に住宅の一部を喫茶店(店舗面積150平方メートル)として使用する建築物を建築することができる。」 |
3.「甲地にA所有の住宅が建っているとき,BがAに対してこれを除却するよう求めるためには,民法の規定によると,Bは,甲地の所有権移転登記を完了していなければならない。」 |
4.「甲地と公道との間が建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる私道(敷地はA所有)のみにより接続しているときには,Bは,甲地に住宅を建築する目的で同法第6条第1項の確認を受けるためには,当該私道の通行についてのAの承諾を必要とする。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「Bが甲地を盛土したうえで住宅を建築しようとするときには,都市計画法第29条の許可(開発許可)を受けなければならない。」 |
【正解:×】 ◆開発許可 市街化区域内で住宅を建築するために開発行為をしようとする場合,原則として,1,000平方メートル未満であれば,開発許可を受ける必要はありません。 甲地の面積は250平方メートルなので,開発許可を受ける必要はなく,本肢は誤りです。 |
2.「甲地が都市計画法による第一種住居地域に指定されているときは,建築基準法の規定によると,Bは,甲地に住宅の一部を喫茶店(店舗面積150平方メートル)として使用する建築物を建築することができる。」 |
【正解:○】 ◆150平方メートル以内の喫茶店 喫茶店の用途に供する部分〔3階以上の部分の場合を除く。〕の床面積の合計が150平方メートル以内であれば,第二種低層住居専用地域から建築することができるので,第一種住居地域でも建築することができます。(建築基準法・48条2項,別表第二(ろ)項) ▼喫茶店の用途に供する部分〔3階以上の部分の場合を除く。〕の床面積の合計が500平方メートル以内のものは,第一種中高層住居専用地域から建築することができるので,第一種住居地域でも建築することができる。(建築基準法・48条4項・5項,別表第二(は)項) |
3.「甲地にA所有の住宅が建っているとき,BがAに対してこれを除却するよう求めるためには,民法の規定によると,Bは,甲地の所有権移転登記を完了していなければならない。」 |
【正解:×】 ◆物権的請求権 A(土地の譲渡人)→B(土地の譲受人) Bは,Aから甲地の所有権を取得しているので,BとAは当事者の関係に立っているので,Bは,所有権移転登記を完了していなくても,所有権の権利行使として,Aに建物の除却を求めることができます。〔物権的請求権〕 |
4.「甲地と公道との間が建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる私道(敷地はA所有)のみにより接続しているときには,Bは,甲地に住宅を建築する目的で同法第6条第1項の確認を受けるためには,当該私道の通行についてのAの承諾を必要とする。」 |
【正解:×】 ◆建築確認申請で,私道通行の承諾は必要ではない 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる私道とは,特定行政庁の指定した『2項道路』であることを意味します。 建築確認の申請で,建築基準法上の道路とみなされる私道の所有者の承諾は必要ではありません。 |
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