法令上の制限 実戦篇

諸法令の過去問アーカイブス 昭和57年・問28


次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和57年・問28)

1.「河川区域内の土地において,工作物を改築しようとする者は,原則として事前に河川管理者に一定事項を届け出なければならない。」

2.「国立公園の特別保護地区内において,工作物を新築しようとする者は,原則として環境大臣の許可を受けなければならない。

3.「都市計画区域内の土地で都市計画施設の区域内にあるものを有償で譲渡しようとする所有者は,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」

4.「保安林において,立木を伐採しようとする者は,原則として農林水産大臣の許可を受けなければならない。」

【正解】

× × ×

1.「河川区域内の土地において,工作物を改築しようとする者は,原則として事前に河川管理者に一定事項を届け出なければならない。」

【正解:×

◆河川区域

 河川区域,河川保全区域,河川予定地で以下のような行為をしようとするには,
河川管理者の許可が必要です。(55条1項など)

●河川法
   河川管理者
制限内容
1級河川 国土交通大臣 ・土地の掘さく,盛土又は切土その他土地の形状を
変更する行為(昭和62,平成10,14)

・工作物の新築又は改築(平成13)

(2つとも,政令で定める行為については除く)

2級河川 都道府県知事

(1級河川は国土交通大臣,2級河川は都道府県知事が指定。)

(河川法において「河川」とは,1級河川及び2級河川をいい,これらの河川に係る河川管理施設を含むものとする。)

◆河川区域

 河川区域では,以下の行為をしようとする者は河川管理者の許可を受けなければいけません。届出ではないので注意

 土地の占用の許可(24条),土石等の採取の許可(25条),工作物の新築・改築・除却の許可(26条)昭和57年出題,土地の掘削,盛土若しくは切土その他土地の形状を変更(27条)

 ⇒ 河川法 

●類題
1.「河川区域内の民有地においては,土地の掘削を伴う土石等の採取を行おうとする場合,河川管理者の許可は不要である。」(不動産鑑定士・2次・平成9年)

【正解:×】河川区域内では民有地においても,土地の掘削には河川管理者の許可が必要。(27条1項)

2.「河川予定地において工作物の新築を行おうとする場合には,河川管理者の許可を得なければならない。」(不動産鑑定士・2次・平成5年)

【正解:(57条1項)

2.「国立公園の特別保護地区内において,工作物を新築しようとする者は,原則として環境大臣の許可を受けなければならない。

【正解:昭和56年

◆国立公園・特別保護地区

 環境大臣は国立公園について(都道府県知事は国定公園について),当該公園の景観を維持するため,特に必要があるときは,公園計画に基づいて,特別地域内に特別保護地区を指定することができる。(21条1項)

 特別保護地区内においては,一定の行為は,国立公園にあっては環境大臣の,国定公園にあっては都道府県知事の許可を受けなければ,してはならない。(21条3項)

 国立公園・国定公園の特別地域や特別保護地区では,以下の行為をしようとする者は,国立公園では環境大臣,国定公園では都道府県知事の許可を受けなければいけません。(自然公園法・20条3項,21条3項)

 また,環境大臣又は都道府県知事は,環境省令で定める基準に適合しないものについては,許可をしてはならないことになっています。(20条4項,21条4項)

・工作物を新築し(昭和56-57,62,平成11)改築し又は増築すること
・土地を開墾し(昭和59)その他土地の形状を変更すること。(昭和63)
・広告物その他これに類する物を掲出し,若しくは設置し,又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
・木竹を伐採すること。

・環境大臣が指定する区域内において木竹を損傷すること
・鉱物を掘採し,又は土石を採取すること
・水面を埋め立て,又は干拓すること。

・環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと。

・環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを放つこと

・特別地域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
・特別保護地区における景観の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの

 ⇒ 自然公園法 

自然公園法の出題

 特別保護地区 昭和56年,57年,62年,平成2年
 特別地域 昭和59年,63年,平成11年,
 風景地保護協定 平成15年

●国立公園・国定公園の許可と届出−頻出事項

■国立公園・国定公園の出題歴

  国立公園・特別保護地区 昭和56年,昭和57年,
  
国定公園・特別保護地区 昭和62年,平成2年,
         特別地域 昭和59年,63年,平成11年 

 国立公園  特別地域
 特別保護地区
 海域公園地区
 環境大臣

 地域の指定・許可権者

 国定公園  特別地域
 特別保護地区
 海域公園地区
 都道府県知事

 地域の指定・許可権者

 普通地域は,国立公園又は国定公園の区域のうち特別地域及び海域公園地区に含まれない区域で,一定の行為について事前の届出が必要になります。

 国立公園  普通地域  環境大臣に届出。
 国定公園  普通地域  都道府県知事に届出。

3.「都市計画区域内の土地で都市計画施設の区域内にあるものを有償で譲渡しようとする所有者は,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」

【正解:×昭和57年・問28,60年・問27,平成2年・問28,

◆都市計画施設の区域内の土地の売却→届出

 許可ではなく都道府県知事への事前の届出です。

 都市計画施設の区域内にあるものを所有する者は,その土地を有償で譲り渡そうとするときは,原則として,その土地の所在および面積,譲渡予定価格,譲り渡そうとする相手方等の主務省令(総務省令・国土交通省令)で定める事項を,当該土地の所在する市町村長を経由して,都道府県知事(市の区域内では市長)に事前に届け出なければいけません(4条1項)

 しかし,これにはいくつか例外があり,国・地方公共団体・政令で定める法人に譲り渡されるものであるとき,又はこれらの者が譲り渡すものであるときは届け出る必要はありません。(4条2項1号)

 ⇒ 公有地の拡大の推進に関する法律 

国土利用計画法の事後届出と公拡法による届出は別の制度です(公拡法は公有地に必要な土地を確保するという制度趣旨。)

●類題
1.「都市計画区域外の区域内の都市計画施設の区域内に所在する土地を有償で譲り渡そうとする場合には,公有地の拡大の推進に関する法律による届出義務はない。」(不動産鑑定士・2次・平成5年)

【正解:×】都市計画区域外であっても,都市計画施設の区域内に所在する土地の有償譲渡には公拡法による届出が必要です。(4条1項1号)

■公有地の拡大の推進に関する法律の届出対象となる土地

区域区分 届出対象となる土地
都市計画施設の
区域内
土地区画整理事業で規定されている一定の土地を除く(昭和57,60)
都市計画区域内 道路、都市公園、河川などの予定地、及び政令で定める土地

・新たな市街地の造成を目的とする土地区画整理事業で、
都道府県知事が指定し、主務省令で定めるところにより
公告したものを施行する区域内の土地

住宅街区整備事業の施行区域として定められた土地の
区域内の土地

都市計画法の「生産緑地地区」の区域内の土地 

都市計画区域内 上記のほか、面積が2,000平方メートルを下回らない規模で
政令で定める規模以上のもの

4.「保安林において,立木を伐採しようとする者は,原則として農林水産大臣の許可を受けなければならない。」

【正解:×保安林・昭和56年問29,62年,民有林・昭和56年問28,58年,60年,

◆保安林

 保安林は,農林水産大臣または都道府県知事が指定し,水源のかん養,土砂の流失の防備,土砂の崩壊の防備などのために必要があるときに指定される森林です。(森林法25条,25条の2)

 保安林では,立木の伐採(34条1項)土地の形質変更(34条2項)都道府県知事の許可を受けなければいけません。

【出題歴】立木の伐採 (昭和57年,62年) 土地の形質変更  

最終改正:平成16年3月31日法律第20号


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