税法その他 実戦篇

宅地建物の統計の過去問アーカイブス 平成3年・問33  改題

本問題は,平成24年受験用にデータをアップデートしています。


宅地建物取引業に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成3年・問33)

1.宅地建物取引業者は,近年微減の傾向にあり,平成23年3月末現在の業者数は建設業の許可業者数とほぼ同じの約50万である。

2.宅地建物取引業についても,法人化が進み,個人業者は,現在では約2割である。

3.宅地建物取引業者は,都道府県知事免許に係るものが圧倒的に多く,国土交通大臣免許に係るものは,1〜2パーセントに過ぎない。

4.宅地建物取引業者は,他産業に比べて,零細なものが多い。

【正解】

×

1.宅地建物取引業者は,近年微減の傾向にあり,平成23年3月末現在の業者数は建設業の許可業者数とほぼ同じの約50万である。

【正解:×平成3年,平成6年,平成14年,平成18年,

◆宅建業者の数は約12.6万

 宅建業者は,近年微減の傾向にあり,平成22年度も減少しました。

 平成23年3月末(平成22年度末)現在の宅地建物取引業者数は,125,832 (平成22年3月末は 126,582)であり,前年に比べ750(0.6%減)減少しています。

 また,平成23年3月末の建設業の許可業者数は約50万業者であり,宅建業者の約4倍になっています。

 したがって,『近年微減の傾向』は正しくても,『建設業の許可業者数とほぼ同じ』ではないので,本肢は誤りです。

宅建業者数の推移

  16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
全体 130,819 131,251 130,647 129,991 127,702 126,582 125,832

2.宅地建物取引業についても,法人化が進み,個人業者は,現在では約2割である。
(類・平成6年)

【正解:

◆法人業者と個人業者

 平成22年度末現在では法人業者が83.1%に対して個人業者は16.9%になっている。最近は法人の構成比が微増し,個人の構成比が微減しているのがわかる。

法人業者と個人業者・・・法人業者の構成率は増加傾向にある。
22年度は法人・個人とも減少した。

  16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
法人業者 104,256
(79.7%)
105,448
(80.3%)
106,012
(81.1%)
106,441
(81.9%)
105,141
(82.3%)
104,617
(82.6%)
104,605
(83.1%)
個人業者 26,563
(20.3%)
25,803
(19.7%)
24,635
(18.9%)
23,550
(18.1%)
22,561
(17.7%)
21,965
(17.4%)
21,227
(16.9%)

法人業者 : 個人業者≒8 : 2 

3.宅地建物取引業者は,都道府県知事免許に係るものが圧倒的に多く,国土交通大臣免許に係るものは,1〜2パーセントに過ぎない。

【正解:

◆免許権者の構成比

 都道府県知事免許 約12万4千国土交通大臣免許 約2千。(平成23年3月末現在)

  知事免許業者は全体の約98.3%。大臣免許業者は全体の約1.7% (国土交通省・宅地建物取引業法施行状況調査による)

免許権者による分類

  16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
大臣免許業者 2,071 2,161 2,258 2,321 2,258 2,153 2,124
知事免許業者 128,748 129,090 128,389 127,670 125,444 124,429 123,708

このデータは,国土交通白書,土地白書とも掲載されていません。

4.宅地建物取引業者は,他産業に比べて,零細なものが多い。(関連・平成元年)

【正解:総務省統計局「事業所・企業統計調査」

◆不動産業の特性

 不動産業を他の産業と比較すると以下の特性を有している。

1 自己資本比率が低い (25.4%, 全産業平均35.6%)。
2 中小零細性が著しい。(従業員5人未満の事務所が86%。全産業平均は59%)
3 参入退出率が高い
4 従業員1人あたりの付加価値額が極めて高い(2,033万円)

*2 平成21年総務省統計局「事業所・企業統計調査」
*4 平成23年財務省「法人企業統計」

自己資本比率が低い・・・自己資本率が低いのは,業務の性格上,素地取得等に多額の資金を要し,かつ,事業期間が長期間に及ぶため借入金依存度が他の産業と比較して高いことに加え,特に近年は地価の下落の長期化など不動産業を取り巻く諸情勢が厳しいことなどの理由によると考えられる。(建設白書2000 p.498)

自己資本率の推移

 ― 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
全産業平均 29.8% 30.1% 32.8% 33.5% 33.9% 34.5% 35.6%
不動産業 20.7% 17.5% 32.1% 27.0% 24.6% 13.0% 25.4%

借入金比率の推移 −借入金負担率の高水準−

不動産業は他の産業に比べて、借入金依存度が高く、借入金負担率が高い。

 ― 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
全産業平均 31.7% 29.1% 27.6% 26.3% 31.5% 34.7% 32.7%
不動産業 197.8% 192.7% 161.0% 158.2% 198.0% 236.2% 221.4%

●統計の過去問Up-to-date
昭和63年・問28平成元年・問34,平成3年・問33,平成5年・問34平成6年・問33
平成7年・問34平成8年・問34平成9年・問46平成10年・問46平成11年・問46
平成12年・問46平成13年・問48平成14年・問48平成15年・問48平成16年・問48
平成17年・問48平成18年・問48平成19年・問48平成20年・問48平成21年・問48
平成22年・問48平成23年・問48

過去問アーカイブス・税法その他に戻る 統計の過去問トップに戻る

統計問題対策に戻る