税法その他 実戦篇

宅地建物の統計の過去問アーカイブス 平成16年・問48 改題

本問題は,平成24年受験用にデータをアップデートしています。


 ガイド   肢1は数値,肢2〜肢3は数値+推移,肢4は推移
肢2・肢3は『数値は正しいが推移の記述が誤り』という設定で,数値だけマル暗記
した人をヒッカケる問題
。近年はこの種の問題が目立つ。

宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成16年・問48)

1.平成18年版土地白書(平成18年6月公表)によれば,平成16年の全国の土地取引の面積規模別件数の割合は,500平方メートル未満が全体の約8割を占めている。

2.平成22年度法人企業統計 (財務省) によれば、平成22年度の不動産業の売上高は約36.6兆円で、4年連続で増加している。

3.住宅着工統計(国土交通省)によれば,平成23年の新設住宅の着工床面積は,前年比約3.4%減で,2年連続の減少となった。

4.平成24年地価公示(平成24年3月公表)によれば,東京都区部では地価は下落したが,他の圏域に関しては,その傾向は全く見られない。

【正解】

× × ×

1.平成18年版土地白書(平成18年6月公表)によれば,平成16年の全国の土地取引の面積規模別件数の割合は,500平方メートル未満が全体の約8割を占めている。

【正解:平成9年,

土地取引の面積規模別件数の割合 

<このデータは24年版土地白書には掲載されていないので出題されません>

 平成16年の全国の土地取引で500平方メートル未満のものは全体の80.7%。「全体の約8割を占めている」という記述はです。(平成18年版・土地白書 p.135)

 平成17年版・土地白書までは,300平方メートル未満の割合が記述されていましたが,平成18年版では上記の500平方メートル未満に変わっているので注意する必要があります。

  300平方メートル未満の割合は56.4%。

●土地取引の面積規模別件数の割合・全国(平成16年)
100平方メートル未満  31.4%
100以上〜300平方メートル未満  25.0%
300以上〜500平方メートル未満   24.3%
500以上〜2000平方メートル未満   13.4%
2000平方メートル以上        5.8%

↓ この土地取引での面積規模別の割合では覚えるのは、これだけです。

要点 500平方メートル未満全体の8割以上(約8割)を占めている。

2.平成22年度法人企業統計 (財務省) によれば、平成22年度の不動産業の売上高は約36.6兆円で、4年連続で増加している。

【正解:×平成16年,17年,19年

◆不動産業の売上高

 売上高の数値約36.6兆円は正しくても,推移の記述「4年連続で増加」が誤りです。正しくは,<4年ぶりの減少>です。 

 平成20年度の不動産業の売上高は,約36兆6,315億円 (対前年度比 10.6%の減少)。

不動産業の売上高は 全産業の 2.6% を占めています。

売上高の推移 

  16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
売上高(兆円) 33.3

(-1.1)

34.5

(+3.8)

33.9

(-1.9)

37.1

(+9.6)

38.7

(+4.2)

41.0

(+6.0)

36.6

(-10.6)

3.住宅着工統計(国土交通省)によれば,平成23年の新設住宅の着工床面積は,前年比約3.4%減で,2年連続の減少となった。

【正解:×昭和63年,平成元年に平均床面積の出題があったが,床面積全体の推移は初出題。

◆新設住宅の着工床面積

●年間集計
 新設住宅着工戸数  約83万戸2.6%増となり,2年連続の増加。
 持家,分譲住宅,給与住宅が増加貸家は減少
 新設住宅の着工床面積  75,355千平方メートル,3.4%増、2年連続の増加。

  平成23年1年間の着工床面積は,前年比約3.4%増で,2年連続の増加です。
 本肢は約3.4%という数値そのものは正しくても,「2年連続の減少」ではなく,「2年連続の増加」です。

新設住宅着工床面積の年間集計の推移 (単位 : 千平方メートル)

  平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
年間 108,815 90,651 90,768 68,324 72,910 75,355

例年,新設住宅着工数が出題されていましたが,平成16年は新設住宅の着工床面積の推移が出題されました。当サイトでは創設以来,毎年,着工床面積の推移を掲載してきました。

4.平成24年地価公示(平成24年3月公表)によれば,東京都区部では地価は下落したが,他の圏域に関しては,その傾向は全く見られない。

【正解:×

◆東京都心部と他の圏域

 地価が下落しているのは東京圏の一部だけではなく,三大都市圏,地方圏,全国平均でも地価は下落しています。

 『他の圏域に関しては,その傾向(地価の下落)は全く見られない』とする本肢は誤りです。

●平成24年地価公示
 全国  住宅地商業地,全用途平均とも下落率縮小

 住宅地(2.3%)<全用途平均(2.6%)<商業地(3.1%)

 三大都市圏  住宅地商業地,全用途平均とも下落率縮小

 住宅地(1.3%)<全用途平均(1.5%)<商業地(1.6%)

 地方圏  住宅地商業地,全用途平均とも下落率縮小

 住宅地(3.3%)<全用途平均(3.6%)<商業地(4.3%)


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