税法その他 実戦篇

宅地建物の統計の過去問アーカイブス 昭和63年・問28  改題

本問題は,平成24年受験用にデータをアップデートしています。


 ガイド   宅建で初めて統計問題が出題された年。そのためか気負いが見られ,数値
が全肢に出ています。,

宅地及び建物の需給についての基本的な統計に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和63年・問28)

1.平成23年3月に発表された地価公示によれば,三大都市圏の住宅地の地価の年別変動率〔対前年比〕は,東京圏ではマイナス1.6%となるなど,三大都市圏では4年連続で下落しているものの,下落率は縮小した。

2.建築着工統計(国土交通省)によれば,平成23年の新設着工戸数は,約109万戸と,前年に比べ約2万1千戸の増加となった。これは,持家系住宅着工戸数が減少しているものの,借家系住宅着工戸数が増加したことによるものである。

3.平成20年住宅・土地統計調査(総務省)によれば,最低居住面積水準以上の世帯の割合は,全国の世帯の中で約90.3パーセントを占めている。住宅の所有関係別で見ると,持家におけるその割合は約99.3パーセントであるのに対し,借家におけるその割合は約82.6パーセントになっている。(関連・平成7年,平成11年,平成13年)

4.住宅着工統計(国土交通省)によれば,新設住宅一戸あたりの平均床面積は,平成23年は約90.3平方メートルとなっている。

【正解】

×

1.平成23年3月に発表された地価公示によれば,三大都市圏の住宅地の地価の年別変動率〔対前年比〕は,東京圏ではマイナス1.6%となるなど,三大都市圏では4年連続で下落しているものの,下落率は縮小した。

【正解:

◆三大都市圏の住宅地

 全国,三大都市圏の全体,東京圏,名古屋圏,大阪圏の各圏とも住宅地の地価は4年連続で下落しているものの,下落率は2年連続で縮小した。

●東京圏の平均地価の最近の動向 (青字は下落幅縮小)

地価公示→ 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年  年別変動率
全用途平均 ▲0.7  +4.6  +6.7 ▲4.7 ▲5.4 ▲1.9 ▲1.7 2年連続で

落率縮小

住宅地 ▲0.9  +3.6  +5.5 ▲4.4 ▲4.9 ▲1.7 ▲1.6 2年連続で

落率縮小

商業地  1.0  +9.4 +12.2 ▲6.1 ▲7.3 ▲2.5 ▲1.9 2年連続で

落率縮小

●平成24年地価公示
 全国  住宅地商業地,全用途平均とも下落率縮小

 住宅地(2.3%)<全用途平均(2.6%)<商業地(3.1%)

 三大都市圏  住宅地商業地,全用途平均とも下落率縮小

 住宅地(1.3%)<全用途平均(1.5%)<商業地(1.6%)

 地方圏  住宅地商業地,全用途平均とも下落率縮小

 住宅地(3.3%)<全用途平均(3.6%)<商業地(4.3%)

2.建築着工統計(国土交通省)によれば,平成23年の新設着工戸数は,約109万戸と,前年に比べ約2万1千戸の増加となった。これは,持家系住宅着工戸数が減少しているものの,借家系住宅着工戸数が増加したことによるものである。

【正解:×

◆〔年度集計〕新設住宅着工戸数−持家系合計は増加,貸家系合計は減少

 本肢には二つ誤りがあります。

・新設住宅着工戸数の数値と推移
 → 着工戸数109万戸は全くのデタラメ。23年は,約83万戸,前年度に比べ約2万1千戸の増加

  平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
年間 123.6 129.0 106.1 109.3 78.8 81.3 83.4

・大都市圏での持家系住宅着工戸数が減少,借家系住宅着工戸数が増加
 → 23年は,持家系住宅着工戸数は増加,借家系住宅着工戸数は減少

利用関係別の着工戸数 (単位 : 千戸)

  11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年
持家 475 452 387 368 373 370 353 359 315 319 285 305 306
分譲住宅 303 345 339 324 327 346 369 379 295 300 169 202 235
持家系合計 778 797 726 692 699 716 722 738 610 619 454 507 540
貸家系合計 437 433 448 459 461 474 514 553 451 475 334 306 294
貸家 424 421 438 450 452 465 504 543 442 465 321 298 286
給与住宅  13  12  9.7 9 9.2 8.7 9.5 9.2 9.4 10.1 13  8  8

3.平成20年住宅・土地統計調査(総務省)によれば,最低居住面積水準以上の世帯の割合は,全国の世帯の中で約90.3パーセントを占めている。住宅の所有関係別で見ると,持家におけるその割合は約99.3パーセントであるのに対し,借家におけるその割合は約82.6パーセントになっている。(関連・平成7年,平成11年,平成13年)

【正解:

◆最低居住水準未満の世帯

 平成20年住宅統計調査(総務省)では,「最低居住水準以上の住宅」ではなく,「最低居住面積水準以上の世帯」という表現をしている。⇒ 住宅・土地統計調査

 最低居住水準以上の世帯 全国 90.3%
  (持家・・・99.3% 借家・・・82.6%)

  総数4,961.5万世帯のうち,最低居住面積水準以上は4,486万世帯,水準以下は324.3万世帯。

 持家では,3,036.5世帯のうち,最低居住面積水準以上は3,012.3万世帯,水準以下は24.2万世帯。

借家では,1,773.8万世帯のうち,最低居住面積水準以上は1,473.8万世帯,水準以下は300万世帯。

※最低居住面積水準とは,健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住戸規模のことをいい,住生活基本法に基づく住生活基本計画(全国計画)において以下のように設定。

(1)単身者 25平方メートル

(2)2人以上の世帯 10平方メートル×世帯人数+10平方メートル

4.住宅着工統計(国土交通省)によれば,新設住宅一戸あたりの平均床面積は,平成23年は約90.3平方メートルとなっている。

【正解:

◆新設住宅一戸あたりの平均床面積は微増

 平成23年1年間の一戸あたりの平均床面積は,前年より増加しています。

着工新設住宅の1戸あたり全国の平均床面積の推移 (単位 : 平方メートル)(年間集計)

 土地白書24年版による。新設住宅全体の平均は増加。  

 ― 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年
新設住宅

全体

91.0 89.7 88.8 86.2 84.3 85.5 83.0 86.7 83.0 90.3
持家 136.2 135.0 134.4 133.9 133.3 132.0 130.5 127.8 126.2 125.6
分譲住宅 96.8 95.1 95.4 94.8 93.5 95.6 92.0 94.3 92.0 92.9
貸家 50.4 48.8 47.9 46.8 46.0 45.9 45.1 47.5 49.8 51.1
給与住宅 70.2 70.8 66.5 66.2 67.0 66.5 64.0 56.6 63.1 69.2

▼土地白書で,着工新設住宅の一戸あたり平均床面積の推移を掲載しています。


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