税法その他 実戦篇

宅地建物の統計の過去問アーカイブス 平成10年・問46  改題

本問題は,平成24年受験用にデータをアップデートしています。


宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成10年・問46)

1.平成24年3月に公表された地価公示(国土交通省)によれば,平成23年1年間の地価の概況は,商業地については,一部の高度商業地で上昇に転じる地点が現れたものの,三大都市圏,地方圏とも,わずかながら下落幅が拡大した。

2.土地白書(平成24年6月公表)によれば,全国の売買による土地の所有権移転登記の件数は,平成9年から平成23年まで毎年,前年比で減少を続けている。

3.平成24年1月に公表された建築着工統計(国土交通省)によれば,平成23年1年間の新設住宅着工戸数は,約83万戸で対前年比では 12.6%の増加になっている。

4.平成24年3月末現在で指定流通機構に登録されている物件情報の総数は,約89万件となっている。

【正解】

× × ×

1.平成24年3月に公表された地価公示(国土交通省)によれば,平成23年1年間の地価の概況は,商業地については,一部の高度商業地で上昇に転じる地点が現れたものの,三大都市圏,地方圏とも,わずかながら下落幅が拡大した。

【正解:×

◆商業地の地価の下落幅−三大都市圏と地方圏

 平成24年の地価公示は,

 全国・三大都市圏・地方圏の商業地=下落幅縮小

 したがって,本肢は『大都市圏,地方圏とも下落幅が縮小』としているので×

 商業地   全国では、4年連続で下落し,2年連続で下落幅縮小。
 圏域による違い  三大都市圏・地方圏とも下落幅縮小。

平成7年,8年,9年,10年と4年連続して三大都市圏と地方圏を出題。

2.土地白書(平成24年6月公表)によれば,全国の売買による土地の所有権移転登記の件数は,平成9年から平成23年まで毎年,前年比で減少を続けている。

【正解:×】平成8年・12年・19年・20年・22年・23年にも出題

◆売買による土地の所有権移転登記の件数

 平成23年の土地取引件数は,売買による所有権移転登記の件数でみると約113.6万件対前年比で1.6%減であり,8年連続の減少となっています。

  平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年
全国 1,608,007 1,600,801 1,580,450 1,546,591 1,414,970 1,294,121 1,179,483
対前年比 +0.5% △0.4% △1.3% △2.1% △8.5% △8.5% △8.9%

  平成22年 平成23年
全国 1,154,026 1,135,917
対前年比 △2.2% △1.6%

 平成12年,平成13年,平成14年と3年連続して減少し,平成11年,15年は増加,平成16年〜23年は減少。『毎年前年比で減少を続けている』とは言えません。

平成12年の問題文では『毎年増加を続けている』だった。同工異曲の問題。

3.平成24年1月に公表された建築着工統計(国土交通省)によれば,平成23年1年間の新設住宅着工戸数は,約83万戸で対前年比では 12.6%の増加になっている。

【正解:×

◆新設住宅着工戸数 

●年間集計
 新設住宅着工戸数  約83万戸2.6%増となり,2年連続の増加。
 持家,分譲住宅,給与住宅が増加貸家は減少
 新設住宅の着工床面積  75,355千平方メートル,3.4%増、2年連続の増加。

 平成23年の新設住宅着工戸数は約83万戸となり,
 対前年比2.6%増で,2年連続の増加となっています。

 本肢も『新設住宅着工戸数は,83万戸』は正しいのですが,『対前年比では 12.6%の増加』というのが間違っています。正しくは『2.6%の増加』です。

 巧妙なヒッカケですが,『宅建試験では数値そのものの正誤よりも推移や動向がポイント』ということに注意してください。

4.平成24年3月末現在で指定流通機構に登録されている物件情報の総数は,約89万件となっている。

【正解:出題可能性は限りなくゼロに近い。

◆指定流通機構の総登録件数

 平成23年度末(23年度末)現在の総登録件数は,885,250件(対前年度末比5.7%増)で,正しい記述です。

 原題では,出典は『建設白書(平成9年7月公表)』でしたが,国土交通白書・平成23年度版では,指定流通機構の総登録件数のデータは掲載していないため,問題文を修正しました。

総登録件数の推移(データは全て年度)

年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
総登録件数  250,121  261,919  290,015  318,384  362,558  428,197
 463,029
売り物件  160,030
 (64.0%)
 166,209
 (63.5%)
 177,019
 (61.0%)
 182,271
 (57.2%)
 182,487
 (50.3%)
 186,245
 (43.5%)
 191,687
 (41.4%)
賃貸物件   90,091
 (36.0%)
  95,710
 (36.5%)
 112,996
 (39.0%)
 136,113
 (42.8%)
 180,071
 (49.7%)
 241,952
 (56.5%)
 271,342
 (58.6%)

年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
総数 500,237 552,360 570,394 741,497 791,916 837,696 885,250
売り
物件
 203,903

 (40.8%)

 229,021

 (41.5%)

229,607

 (40.3%)

303,933

 (41.0%)

275,545

 (34.8%)

290,163

 (34.6%)

316,115

 (35.7%)

賃貸
物件
296,334

 (59.2%)

323,339

 (58.5%)

340,787

 (59.7%)

437,564

 (59.0%)

516,371

 (65.2%)

547,533

 (65.4%)

569,135

 (64.3%)

公益財団法人 不動産流通近代化センターでは,指定流通機構の活用実績を公表しています。


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