税法その他 実戦篇

不動産取得税の過去問アーカイブス 平成16年・問26


不動産取得税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (平成16年・問26)

1.「 不動産取得税は,不動産の取得に対し,当該不動産の所在する市町村において,当該不動産の取得者に課される。」

2.「宅地の取得に係る不動産取得税の課税標準は,当該取得が平成18年1月1日から平成27年3月31日までの間に行われた場合に限り,当該宅地の価格が1/3の額とされる。」

3.「不動産取得税の課税標準となるべき額が9万円である土地を取得した者が当該土地を取得した日から6ヵ月後に隣接する土地で,その課税標準となるべき額が5万円であるものを取得した場合においては,それぞれの土地の取得について不動産取得税を課されない。」

4.「床面積が240平方メートルで,床面積1平方メートル当たりの価格が20万円である住宅を平成26年5月1日に建築した場合,当該住宅の建築に係る不動産取得税の課税標準の算定については,当該住宅の価格から1,200万円が控除される。 」

【正解】

× × ×

1.「 不動産取得税は,不動産の取得に対し,当該不動産の所在する市町村において,当該不動産の取得者に課される。」

【正解:×昭和59年,平成2年,3年,7年,10年,13年,16年

◆普通徴収・不動産の所在する(都)道府県が課税主体

 不動産取得税は,不動産の取得に対して,当該不動産の所在する都道府県が当該不動産の取得者に課します。(地方税法73条の2第1項,1条2項)

 この法律〔地方税法〕中,道府県に関する規定は都に,市町村に関する規定は特別区に準用する。(地方税法1条2項)

2.「宅地の取得に係る不動産取得税の課税標準は,当該取得が平成18年1月1日から平成27年3月31日までの間に行われた場合に限り,当該宅地の価格が1/3の額とされる。」

【正解:×昭和59年,平成6年,7年,8年,10年,12年,16年

◆宅地評価土地等の課税標準の特例

 宅地評価土地(宅地・宅地比準土地)を取得した場合,不動産取得税の課税標準は,当該土地の価格の1/2になる。(地方税法附則11条の5第1項)当該宅地の価格が1/3の額になるのではない。

不動産取得税の宅地評価土地等の課税標準の特例

課税標準 × 税率 = 税額
 ↑ここが1/2

 宅地評価土地等の不動産取得税=課税標準(固定資産税評価額)×1/2×3%宅地評価土地(宅地・宅地比準土地)の課税標準の特例  

   課税標準  税率  税額
 宅地
 宅地比準土地
 登録価格の1/2  ―  ―

3.「不動産取得税の課税標準となるべき額が9万円である土地を取得した者が当該土地を取得した日から6ヵ月後に隣接する土地で,その課税標準となるべき額が5万円であるものを取得した場合においては,それぞれの土地の取得について不動産取得税を課されない。」

【正解:×平成2年,4年,8年,16年

◆免税点←未満が免税であることに注意

 都道府県は,不動産取得税の課税標準となるべき額が,土地の取得にあっては10万円,家屋の取得のうち建築に係るものにあっては1戸につき23万円,その他の家屋の取得にあっては1戸につき12万円に満たない場合は,不動産取得税を課することができない。(73条の15の2第1項)

 土地を取得した者が当該土地を取得した日から1年以内に隣接する土地を取得した場合は,合せて一の土地の取得とみなして,免税点の規定が適用される。本肢の場合は,合計すると14万円で,免税点を超える10万円以上となるので課税される。    (73条の15の2第2項) 

免税点の比較→ 未満が免税であることに注意

   固定資産税  不動産取得税
 土地  30万円  10万円
 家屋  20万円  取得のうち建築に係るもの 1戸につき23万円

 その他の家屋の取得 1戸につき12万円

 償却資産  150万円  ―

4.「床面積が240平方メートルで,床面積1平方メートル当たりの価格が20万円である住宅を平成26年5月1日に建築した場合,当該住宅の建築に係る不動産取得税の課税標準の算定については,当該住宅の価格から1,200万円が控除される。 」

【正解:昭和60年,62年,63年,平成元年,2年,7年,10年,12年,16年

◆新築特例住宅の課税標準の特例

 新築の特例適用住宅を取得した場合〔面積要件(50〜240平方メートル),(戸建以外の貸家住宅は40〜240平方メートル)〕には,一戸につき1,200万円を課税標準額から控除する特例措置があります。

課税標準 × 税率 = 税額
 
 価格−控除額(1,200万円)=課税標準

◆特例適用住宅 新築住宅・既存住宅・・・・別荘には適用されない

   課税標準  税率  税額
 新築住宅 貸家でもよい 法人にも適用

 ・床面積 50〜240平方メートル

  〔戸建以外の貸家 40〜240平方メートル〕

 1,200万円を

 控除

 ―  ―
 既存住宅 自己居住用のみ 法人不可

 ・居住部分の床面積 50〜240平方メートル

 ・経過年数の要件 20年〔構造により 25年〕

 経過年数により

 控除額は異なる

 ―   

 ―

平成17年の施行令の改正により,既存住宅の経過年数の要件は緩和され,<昭和57年1月1日以後に新築されたもの>,又は,<国土交通大臣が総務大臣と協議して定める地震に対する安全性に係る基準に適合することにつき総務省令で定めるところにより証明がされたもの>であれば適用されることになった。


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