税法その他 実戦篇

固定資産税・不動産取得税の過去問アーカイブス 昭和63年・問31


地方税に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。 (昭和63年・問31)

1.「固定資産税の標準税率は, 1.4/100である。」

2.「住宅用地のうち小規模住宅用地に該当するものに係る固定資産税の課税標準は,当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の 1/6の額となる。」

3.「宅地建物取引業者が建売住宅を請負業者に新築させた場合,当該宅地建物取引業者に対して不動産取得税が課税されることはない。」

4.「 既存住宅のうち一定の要件を満たしているものを取得した場合には,不動産取得税の課税標準の特例措置が適用される。」

【正解】

×

1.「固定資産税の標準税率は, 1.4/100である。」

【正解:昭和63年,平成5年,6年,平成9年

◆標準税率

 固定資産税の標準税率は, 1.4/100です。 市町村がその財政上その他の必要があると認める場合においては,標準税率を超える税率で課税することができます。

●平成16年法改正 固定資産税の制限税率の廃止 (地方税法350条1項)

 従来は2.1%を超えて課税することはできませんでしたが,この制限が廃止されました。

 改正前  固定資産税の標準税率は,百分の一・四とする。
 ただし,標準税率を超える税率で課する場合においても,
百分の二・一を超えることができない。
 改正後 固定資産税の標準税率は,百分の一・四とする。
 (改正で但書が削除された。)

●平成16年法改正 標準税率の変更要件の緩和 (地方税法・1条1項5号)

 改正前  政上特別の必要があると認められる場合に限り,税率を変更できる。
 改正後 財政上その他の必要があると認められる場合に,税率を変更できる。

2.「住宅用地のうち小規模住宅用地に該当するものに係る固定資産税の課税標準は,当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の 1/6の額となる。」

【正解:昭和60年,63年,平成4年,14年

◆小規模住宅用地(200平方メートル以下の住宅用地)

 200平方メートル以下の住宅用地の固定資産税の課税標準は,価格の1/6です。

 住宅用地の課税標準は、以下のように2つに分けて計算します。(349条の3の2)。
200平方メートル以下の部分 固定資産課税台帳の登録価格の1/6
200平方メートル超の部分 固定資産課税台帳の登録価格の1/3

3.「宅地建物取引業者が建売住宅を請負業者に新築させた場合,当該宅地建物取引業者に対して不動産取得税が課税されることはない。」

【正解:×関連・昭和59年

◆新築住宅を請負業者から取得した場合の宅建業者の特例

 家屋が新築された場合は,原則として,当該家屋について最初の使用又は譲渡が行われた日に家屋の取得がなされたものとみなし,当該家屋の所有者又は譲受人を取得者とみなして不動産取得税が課されます。(地方税法73条の2第2項本文)

 しかし,家屋が新築された日から6月を経過しても,最初の使用又は譲渡が行われないときは,その6月を経過した日に取得がなされたものとみなし,所有者を取得者とみなして,不動産取得税が課されます。(73条の2第2項但書)

 宅地建物取引業者の場合にはさらに次のような軽減措置があります。

 『家屋を新築して譲渡することを業とする者で政令に定めるもの』又は『住宅を新築して譲渡する者で政令で定めるもの』が注文者となって,請負業者に新築させた場合は,新築後1年以内に分譲されたならば,請負業者から引渡しを受けたときには課税されず,分譲された時点で購入者に課税されることになっています。(地方税法73条の2第2項但書,附則10条の2,施行令36の2の2第1項)→本則では6月。1年とする特例措置は,改正で平成28年3月31日まで延長になった。

 したがって,新築後1年を経過した日に分譲されていない家屋については,その時点で宅建業者に課税されるので,本肢は×です。〔その後分譲されたときにまた購入者に課税されます。〕

4.「 既存住宅のうち一定の要件を満たしているものを取得した場合には,不動産取得税の課税標準の特例措置が適用される。」

【正解:昭和60年,62年,63年,平成元年,2年,7年,10年,12年,

◆既存住宅の課税標準の特例

 特例適用住宅での課税標準の特例は,既存住宅でも適用されます。

 個人が自己の居住の用に供する既存住宅を取得した場合の不動産取得税の課税標準の算定では,

  ・床面積要件 50平方メートル〜240平方メートル,

  ・新築からの経過年数要件 取得の日より20年以内〔鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造その他の総務省令で定めるものは25年以内〕

  (⇒平成17年の施行令の改正により,経過年数の要件は緩和され,<昭和57年1月1日以後に新築されたもの>,又は,<国土交通大臣が総務大臣と協議して定める地震に対する安全性に係る基準に適合することにつき総務省令で定めるところにより証明がされたもの>であれば適用されることになった。)

のときに限り,一戸につき,当該住宅が新築された当時に新築住宅について特例適用住宅として控除するものとされていた額を,固定資産税課税台帳の登録価格から控除することができます。(地方税法73条の14第3項,施行令37条の18)

既存住宅で控除する金額は,新築した時期によって特例適用住宅で控除する額が異なっていたので,一律ではありません。〔350万円,420万円,450万円,1,000万円,1,200万円〕

     新築住宅  既存住宅
 控除される額  1200万円  新築時期によって異なる
 適用住宅  自己居住住宅
 貸家

 個人だけでなく法人が
 取得した場合も適用。

 個人の自己居住住宅のみ
 面積  50〜240平方メートル

 〔戸建以外の貸家では
 40〜240平方メートル〕

 50〜240平方メートル,
 経過年数  ―  取得の日より20年以内

〔鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート
その他の総務省令で定めるものは25年以内〕


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