税法その他 実戦篇

不動産取得税の過去問アーカイブス 昭和59年・問30


不動産取得税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (昭和59年・問30)

1.「家屋が新築された日から一定の期間が経過しても最初の使用又は譲渡が行われないときは,当該期間が経過した日に家屋が取得されたものとみなして,当該不動産の所有者に不動産取得税が課される。」

2.「不動産取得税は相続による不動産の取得についても課税される。」

3.「不動産取得税は,不動産の取得に対し,その不動産の所在する市町村が課する税である。 」

4.「宅地については,不動産取得税の軽減措置はない。」

【正解】

× × ×

1.「家屋が新築された日から一定の期間が経過しても最初の使用又は譲渡が行われないときは,当該期間が経過した日に家屋が取得されたものとみなして,当該不動産の所有者に不動産取得税が課される。」

【正解:関連・昭和63年,

◆新築家屋−最初の使用又は譲渡の日に取得がされたものとみなす

 家屋が新築された場合は,原則として,最初の使用又は譲渡が行われた日に当該家屋の取得がなされたものとみなし,所有者又は譲受人を取得者とみなして,不動産取得税が課されます。

 しかし,家屋が新築された日から6月を経過しても,最初の使用又は譲渡が行われないときは,その6月を経過した日に取得がなされたものとみなし,所有者を取得者とみなして,不動産取得税が課されます(73条の2第2項)

 ⇒ 一定の宅地建物取引業者等では,この「6月経過した日」が「1年経過した日」に軽減されています。昭和63年出題

2.「不動産取得税は相続による不動産の取得についても課税される。」

【正解:×包括遺贈・平成2年,相続・昭和59年,平成8年,10年,

◆相続・包括遺贈では非課税

 相続・包括遺贈・法人の合併・法人の政令で定める分割・委託者から受託者に信託財産を移す場合などによる形式的な不動産の所有権の移転については非課税です。(73条の7) 

3.「不動産取得税は,不動産の取得に対し,その不動産の所在する市町村が課する税である。 」

【正解:×平成3年,10年,

◆課税主体は都道府県

 不動産取得税は,不動産の取得に対して,当該不動産の所在する都道府県が取得者に対して課す税です。(73条の2第1項)

 本肢では「市町村」となっているので×です。

4.「宅地については,不動産取得税の軽減措置はない。」

【正解:×

◆宅地についての不動産取得税の軽減

 宅地評価土地では課税標準が登録価格の1/2と軽減されていて,また,

 特例適用住宅の用地の取得では,不動産取得税の税額は,

  『登録価格の1/2×3%−住宅用土地の減額』

 と減額されているので,「宅地については,不動産取得税の軽減措置はない」とは言えない。

宅地評価土地の課税標準の軽減措置(地方税法附則11条の5第1項)

   課税標準  税率  税額
 宅地

 宅地比準土地

 登録価格の1/2  ―  ―

住宅用土地に対する不動産取得税の減額措置(73条の24)

   課税標準  税率  税額
 特例適用住宅の用地  ―  ―  150万円×3% または

 土地の1平方メートルの価格×
 住宅の床面積の2倍×3%

 のうち多いほうを税額から控除


●不動産取得税の過去問Up-to-date 〜検索用〜
昭和57年・問30,昭和59年・問30,昭和60年・問29昭和62年・問31昭和63年・問31
平成元年・問31平成2年・問31平成3年・問30平成4年・問30平成5年・問29
平成6年・問28平成7年・問30平成8年・問30平成10年・問28平成12年・問28
平成13年・問28平成16年・問26平成18年・問28平成19年・問28

不動産取得税の過去問アーカイブスに戻る     過去問アーカイブス・税法その他に戻る

1000本ノック・不動産取得税のトップに戻る   税法その他・基礎編のトップに戻る