税法その他 実戦篇

固定資産税・不動産取得税の過去問アーカイブス 平成3年・問30


地方税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (平成3年・問30)

1.「不動産取得税は,不動産の取得に対し,その不動産の所在する市町村において課する税である。 」

2.「固定資産税の徴収は,申告納付の方法による。」

3.「市町村長は,原則として毎年1月から3月までの間,土地価格等縦覧帳簿及び家屋価格等縦覧帳簿をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなければならない。」

4.「家屋を改築した場合においても,不動産取得税が課税されることがある。」

【正解】

× × ×

1.「不動産取得税は,不動産の取得に対し,その不動産の所在する市町村において課する税である。 」

【正解:×昭和59年,平成2年,3年,7年,10年,13年,16年

◆不動産取得税は東京都,道府県が課税主体

 不動産取得税は,不動産の取得に対して,当該不動産の所在する都道府県が当該不動産の取得者に課します。(地方税法73条の2第1項,1条2項)

 ×・・・不動産の所在する市町村

 この法律〔地方税法〕中,道府県に関する規定は都に,市町村に関する規定は特別区に準用する。(地方税法1条2項)

2.「固定資産税の徴収は,申告納付の方法による。」

【正解:×平成15年

◆普通徴収

 固定資産税の徴収は,普通徴収の方法(納税義務者に納税通知書を交付して徴収)によって行われます。(364条1項)

 ×・・・申告納付

3.「市町村長は,原則として毎年1月から3月までの間,土地価格等縦覧帳簿及び家屋価格等縦覧帳簿をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなければならない。 」

【正解:×

土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧

 市町村長は、縦覧の場所や縦覧期間をあらかじめ公示した上で、4月1日から20日間または当該年度の最初の納期限の日いずれか遅い日以後の日までの間土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿固定資産税の納税者の縦覧に供しなければなりません。(416条1項)

×・・・毎年1月から3月までの間、関係者の縦覧、

●閲覧と縦覧−平成15年法改正
固定資産課税台帳・・・年間を通していつでも閲覧することができる。
 閲覧できる人
  ・固定資産の所有者(納税義務者)
  ・借地借家人
  ・総務省令で規定された管財人など

土地価格等縦覧帳簿及び家屋価格等縦覧帳簿・・・3/31までに作成することになっています。この縦覧帳簿は納税義務者本人以外のものの価格も見ることができます。〔他の土地や家屋との比較材料という制度趣旨なのですから本人以外のものが見られないと意味がありません。ただし土地のみの所有者は土地価格等縦覧帳簿のみ家屋のみの所有者は家屋価格等縦覧帳簿のみ、縦覧できます。〕こちらは「閲覧」ではなく「縦覧」になっています。

4.「家屋を改築した場合においても,不動産取得税が課税されることがある。」

【正解:昭和60年,平成3年,7年,13年

◆改築によって価格が増加した場合

 不動産取得税の課税対象になる家屋の建築は新築・増築・改築を意味し(73条6号,8号)改築によって当該家屋の価格が増加した場合は当該改築をもって家屋の取得とみなして不動産取得税が課されます。この場合の課税標準は当該改築により増加した価格です。(73条の2第4項,73条の13第2項)


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