税法その他 実戦篇
不動産取得税の過去問アーカイブス 昭和55年・問27
不動産取得税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (昭和55年・問27) |
1.「不動産取得税は,土地,家屋及び償却資産の取得に対し都道府県がその取得者に課する税であり,標準税率は100分の3である。」 |
2.「不動産取得税は,相続による不動産の取得に対しては課税されない。」 |
3.「一定の条件に該当する住宅の用に供する土地を取得した場合における,その土地に対する不動産取得税の課税標準の算定については,150万円が控除される。」 |
4.「一定の条件に該当する住宅の用に供する土地を取得した場合における,その土地に対する不動産取得税については,原則として,150万円が減額される。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「不動産取得税は,土地,家屋及び償却資産の取得に対し都道府県がその取得者に課する税であり,標準税率は100分の3である。」 |
【正解:×】 ◆標準税率 不動産取得税は,不動産(土地,家屋の総称)の取得に対し都道府県がその取得者に課する税です(地方税法・73条の2第1項)。 したがって,償却資産は含まれず,また住宅以外の家屋では4%なので本肢は誤りです。 不動産取得税の標準税率は本則では4/100ですが,以下のように,特例措置で土地と住宅の取得については平成18年4月1日〜平成27年3月31日は特例で3/100に引下げられています。 したがって×です。 不動産取得税の標準税率は本則では4/100ですが(地方税法・73条の15)(住宅以外の家屋の取得の税率では平成20年4月以降は4%。)
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2.「不動産取得税は,相続による不動産の取得に対しては課税されない。」 |
【正解:○】 ◆相続,包括遺贈,相続人になされた遺贈は非課税 不動産取得税は,相続(包括遺贈,相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得に対しては課税されない(地方税法・73条の7・第1号)ので正しい記述です。 このほか,以下の場合にも不動産取得税は課税されません。(下記以外にもありますが省略) ・法人の合併または政令で定める分割による不動産の取得 ・共有物の分割による不動産の取得(ただし,当該不動産の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得を除く。) ・委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(形式的な移転)
▼<相続人以外の人への特定遺贈>には不動産取得税が課されるので注意してください。 |
3.「一定の条件に該当する住宅の用に供する土地を取得した場合における,その土地に対する不動産取得税の課税標準の算定については,150万円が控除される。」 |
【正解:×】 ◆宅地評価土地の取得に対する課税標準の特例 宅地評価土地(宅地及び宅地比準土地をいう。)には,課税標準の減額措置がありますが,本肢にいう「150万円が控除される」のではなく,<当該土地の価格の2分の1の額にする>ものなので,本肢は誤りです。 また,特例適用住宅の用地の取得に対しては肢4の税額の減額措置があります。 ●『宅地評価土地の課税標準の軽減措置』(地方税法附則11条の5第1項)
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4.「一定の条件に該当する住宅の用に供する土地を取得した場合における,その土地に対する不動産取得税については,原則として,150万円が減額される。」 |
【正解:×】 ◆住宅用土地の減額 住宅用土地に対する不動産取得税の減額措置は,政令で定める住宅〔特例適用住宅,新築住宅・既存住宅を問わない〕の敷地の用に供せられる土地の取得ならば,申告することによって適用されますが(73条の24第4項),下記にあるように,<150万円>に税率を乗じて得た金額または<土地の1平方メートルの価格(200平方メートルが限度)×住宅の床面積の2倍>に税率を乗じて得た金額を減額するので,150万円が減額されるのではありません。
※200平方メートルを超える場合は200平方メートルとして計算する。 |
●不動産取得税の過去問Up-to-date 〜検索用〜 |
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