宅建過去問 税法その他
地価公示法の過去問アーカイブス 平成23年・問25
地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (平成23年・問25) |
1 公示区域とは、土地鑑定委員会が都市計画法第4条第2項に規定する都市計画区域内において定める区域である。 |
2 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならない。 |
3 土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行わなければならない。 |
4 土地鑑定委員会が標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、当該価格については官報で公示する必要があるが、標準地及びその周辺の土地の利用の現況については官報で公示しなくてもよい。 |
<コメント> |
正答率は,地価公示法の問題としてはかなり低い数値です。ただ,肢1を除いて,ほかの3肢は過去問出題歴があるので,難しい問題ではありません。
正答率が低かった理由は,肢2,肢4の出題がかなり前だったこと(15年ぶり,20年ぶり)ことと肢1で標準地の選定と勘違いした方がいたことによります。 |
●出題論点● |
(肢1) 公示区域
(肢2) 土地収用での取得価格は公示価格を規準とする (肢3) 努力義務としての指標 (肢4) 官報で公示する事項ー標準地及びその周辺の土地の利用の現況 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
正答率 | 56.1% |
1 公示区域とは、土地鑑定委員会が都市計画法第4条第2項に規定する都市計画区域内において定める区域である。 |
【正解:×】初出題。類題・昭和52年・肢1,平成6年・問34・肢1, ◆公示区域 公示区域とは,『都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(国土利用計画法 の規定により指定された規制区域を除く) 』をいい(地価公示法2条1項),国土交通大臣が定めます(地価公示法施行規則1条1項)。
本肢には,二つのマチガイがあります。 1) 公示区域を定めるのは国土交通大臣で,土地鑑定委員会が定めるのではない。
2) 公示区域は,都市計画区域内だけではなく,都市計画区域外の区域でも「土地取引が相当程度見込まれる」場合は,含まれる。⇒ 都市計画区域内だけではない。 |
●地価公示法 |
(標準地の価格の判定等) 第2条 第1項 土地鑑定委員会は、都市計画法 (昭和43年法律第100号)第4条第2項 に規定する都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(国土利用計画法 (昭和49年法律第92号)第12条第1項 の規定により指定された規制区域を除く。以下「公示区域」という。)内の標準地について、毎年一回、国土交通省令で定めるところにより、二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行つて、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとする。 (標準地の選定) |
●地価公示法 施行規則 |
(公示区域) 第1条 地価公示法 第2条第1項 の国土交通省令で定める公示区域は、都市計画法 (昭和43年法律第100号)第4条第2項 に規定する都市計画区域及び土地取引が相当程度見込まれる区域(都市計画区域を除く。)で、国土交通大臣が定めるものとする。 2 国土交通大臣は、前項の規定により公示区域を定めたときは、これを告示しなければならない。 |
2 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならない。 |
【正解:○】昭和60年・問33・肢3,平成4年・問34・肢1, ◆公共事業の用に供する土地の取得価格の算定の準則 土地収用法その他の法律によつて土地を収用することができる事業を行う者は,公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合に,当該土地の取得価格を定めるときは,公示価格を規準としなければなりません(地価公示法9条)。
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3 土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行わなければならない。 |
【正解:×】頻出。平成14年・問29・肢1,平成18年・問29・肢4, ◆土地の取引を行なう者の責務 都市及びその周辺の地域等において,土地の取引を行なう者は,取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行なうよう努めなければなりません(地価公示法1条の2)。 しかし,これは努力義務であって,必ず指標にしなければならないということではないので,本肢は誤りです。
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4 土地鑑定委員会が標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、当該価格については官報で公示する必要があるが、標準地及びその周辺の土地の利用の現況については官報で公示しなくてもよい。 |
【正解:×】昭和58年・問33・肢2,平成8年・問33・肢4, ◆官報で公示しなければならないもの 標準地及びその周辺の土地の利用の現況 は,価格等とともに,官報に公示しなければならない(地価公示法6条4号)ので,本肢は誤りです。 |
●地価公示法の過去問アーカイブス 〜検索用〜 |
昭和52年,昭和53年,昭和54年,昭和57年・問33,昭和58年・問33,昭和60年・問33, 昭和61年・問33,昭和62年・問34,昭和63年・問34,平成元年・問32,平成2年・問32, 平成3年・問34,平成4年・問34,平成6年・問34,平成8年・問33,平成12年・問29, 平成14年・問29,平成15年・問29,平成18年・問29,平成21年・問25,平成23年・問25, |
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