税法その他 実戦篇

地価公示法の過去問アーカイブス 平成2年・問32


地価公示法に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成2年・問32)

1.「標準地の単位面積当たりの正常な価格が判定されたときは,国土交通大臣は,その価格,所在地等について官報で公示し,関係市町村に所要の図書を送付しなければならない。」

2.「地価公示は,一般の土地の取引価格に対して指標を与え,及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資することを目的とするものである。」

3.「標準地の鑑定評価を行うに当たっては,近傍類地の取引価格から算定される推定の価格,近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して,行わなければならない。」

4.「標準地の正常な価格とは,土地に建物がある場合は,当該建物が存しないものとして,自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいう。」

●地価公示法関連の条文のチェック
地価公示法
地価公示法・施行令
地価公示法・施行規則
地価公示法第二条第一項の都市計画区域を定める省令
標準地の鑑定評価の基準に関する省令

【正解】

×

1.「標準地の単位面積当たりの正常な価格が判定されたときは,国土交通大臣は,その価格,所在地等について官報で公示し,関係市町村に所要の図書を送付しなければならない。」

【正解:×昭和60年,63年,平成2年,

◆関係市町村・東京都の特別区・指定都市の区に送付

 「国土交通大臣」ではなく,『土地鑑定委員会』です。

 土地鑑定委員会は,標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは,すみやかに,官報で公示するとともに(6条),すみやかに,関係市町村(都の特別区の存する区域にあつては特別区、地方自治法の指定都市にあっては当該市の区。)の長に対して,公示した事項のうち当該市町村・特別区・指定都市の区が属する都道府県に存する標準地に係る部分を記載した書面及び当該標準地の所在を表示する図面を送付しなければいけません。(7条1項)

土地鑑定委員会から送付される書面・図面は,当該市町村・特別区・指定都市の区の標準地に係るものだけではなく当該市町村・特別区・指定都市の区が属する都道府県に存する標準地に係るものであることに注意してください。

関係市区町村の長は,政令で定めるところにより,土地鑑定委員会から送付された図書を当該市町村の事務所において一般の閲覧に供しなければならないことになっています。(7条2項)

2.「地価公示は,一般の土地の取引価格に対して指標を与え,及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資することを目的とするものである。」

【正解:平成元年,2年,

◆地価公示の目的

 地価公示法は,標準地の正常な価格を公示することにより,一般の土地の取引価格に対して指標を与え,公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し適正な地価の形成に寄与することを目的とするものです。(1条)

3.「標準地の鑑定評価を行うに当たっては,近傍類地の取引価格から算定される推定の価格,近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して,行わなければならない。」

【正解:平成2年,3年,8年,12年,14年

◆標準地についての鑑定評価基準

 不動産鑑定士は,標準地の鑑定評価を行うに当たっては,

近傍類地の取引価格から算定される推定の価格
近傍類地の地代等から算定される推定の価格
同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額

 を勘案して,行わなければなりません。(4条)

●地価公示法
(標準地の選定)
第3条
 前条第1項の標準地は、土地鑑定委員会が、国土交通省令で定めるところにより、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定するものとする。

(標準地についての鑑定評価の基準)
第4条
 不動産鑑定士は、第2条第1項の規定により標準地の鑑定評価を行なうにあたっては、国土交通省令で定めるところにより、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案してこれを行なわなければならない。

4.「標準地の正常な価格とは,土地に建物がある場合は,当該建物が存しないものとして,自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいう。」

【正解:昭和57年,61年,62年,平成2年,6年,8年

◆公示価格−正常な価格〔建物がないものとしての取引価格〕

 公示価格とは,標準地に建物その他の定着物がある場合にはその定着物が存しないものとして,自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる当該標準地の正常な価格です。(地価公示法・2条2項)

建物その他の定着物がある場合 定着物が存しないものとして
通常成立すると認められる価格
地上権その他当該土地の使用・収益を
制限する権利が存する場合
権利が存しないものとして
通常成立すると認められる価格

●地価公示法の過去問アーカイブス 〜検索用〜
昭和52年昭和53年昭和54年昭和57年問33昭和58年問33昭和60年問33昭和61年問33昭和62年問34昭和63年問34平成元年問32,平成2年問32,平成3年問34平成4年問34平成6年問34平成8年問33平成12年問29平成14年問29平成15年問29平成18年・問29平成21年・問25平成23年・問25

過去問アーカイブス・地価公示に戻る 過去問アーカイブス・税法その他に戻る

価格の評定/地価公示のトップに戻る 税法その他・基礎編のトップに戻る