宅建過去問 税法その他 

地価公示法の過去問アーカイブス 平成21年・問25 


地価公示法に係る次の記述のうち、正しいものはどれか。(平成21年・問25)

1 公示区域内の土地を対象とする鑑定評価については、公示価格を規準とする必要があり、その際には、当該対象土地に最も近接する標準地との間に均衡をもたせる必要がある。

2 標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して行われる。

3 地価公示において判定を行う標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に、当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。

4 地価公示の標準地は、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が最も優れていると認められる一団の土地について選定するものとする。

<コメント>  
 地価公示法の出題論点は他の法令に比べて多くはないため,マスターするのは容易ですが,出題間隔を置いて出題されるものがあるので注意する必要があります。

【正解】

× × ×

 正答率  71.4%

1 公示区域内の土地を対象とする鑑定評価については、公示価格を規準とする必要があり、その際には、当該対象土地に最も近接する標準地との間に均衡をもたせる必要がある。

【正解:×昭和63年・問34・肢3平成15年・問29・肢3

◆公示区域内の土地についての鑑定評価 (不動産鑑定士の土地についての鑑定評価の準則)

 不動産鑑定士は,公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合に,正常な価格を求めるときは,「公示価格」(標準地の価格)を規準としなければなりませんが(地価公示法8条)対象土地に最も近接する標準地との間に均衡をもたせなければならないという規定はありません

2 標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して行われる。

【正解:平成2年・問32・肢3平成3年・問34・肢3平成8年・問33・肢3
平成12年・問29・肢3平成14年・問29・肢4平成18年・問29・肢3

◆標準地についての鑑定評価の基準

 不動産鑑定士が標準地の鑑定評価を行うときは,国土交通省令で定めるところにより,近傍類地の取引価格から算定される推定の価格,近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額勘案してこれを行わなければなりません(地価公示法4条,標準地の鑑定評価に関する省令3条,4条)

●標準地の鑑定評価の基準に関する省令
(鑑定評価の原則)

第3条  標準地の鑑定評価は、当該標準地及び事例地に係る価格形成要因を明確に把握するとともに、土地の価格形成の過程において認められる経済上の諸原則の認識のもとに価格形成要因の作用する程度を適切に判定することにより行なわなければならない。

第4条  標準地の鑑定評価は、事例地の取引価格から算定される推定の価格、事例地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額のうち当該標準地の鑑定評価に適切と認められるものを勘案して行なわなければならない。

3 地価公示において判定を行う標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に、当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。

【正解:×昭和60年・問33・肢1平成14年・問29・肢3

◆正常な価格とは

 「正常な価格」とは,土地について,自由な取引が行なわれるとした場合におけるその取引※において通常成立すると認められる価格をいい,当該土地に建物その他の定着物がある場合又は地上権その他当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には,それらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格のことをいいます(地価公示法2条2項)

 正常な価格とは,当該土地に建物その他の定着物がある場合又は地上権その他当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には,それらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格のことをいう。

農地、採草放牧地又は森林の取引(農地、採草放牧地及び森林以外のものとするための取引を除く。)は除かれる

4 地価公示の標準地は、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が最も優れていると認められる一団の土地について選定するものとする。

【正解:×昭和63年・問34・肢2平成元年・問32・肢3平成3年・問34・肢1平成6年・問34・肢2平成12年・問29・肢2

◆標準地の選定

 標準地は,土地鑑定委員会が,国土交通省令で定めるところにより、,自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において,土地の利用状況,環境等が通常と認められる一団の土地について選定します(地価公示法3条)

 最も優れていると認められる一団の土地について選定するのではありません。

公示区域 国土交通大臣が定める
標準地 土地鑑定委員会が選定

標準地の選定は,土地の用途が同質と認められるまとまりのある地域において,土地の利用状況,環境,地積,形状等が当該地域において通常であると認められる一団の土地について行なうものとする(地価公示法施行規則3条)


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