法令上の制限 基礎編

宅地造成等規制法のアウトライン


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宅地造成等規制法 最終改正:平成18年4月1日 法律第30号
宅地造成等規制法・施行令 最終改正:平成19年3月16日 政令第49号
宅地造成等規制法・施行規則 最終改正:平成19年3月30日 国土交通省令第27号

【宅地造成等規制法の出題歴】  平成12年は出題なし。

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宅地の定義 - - - - - - - - - -
宅地造成の定義 - - - - - - - -
規制区域 - - - - - - - - -
測量・調査の立入 - - - - - - - - - - - - - -
工事の許可 - - - - -
技術的水準 - - - - - - - - - - - - -
工事完了検査 - - - - - - - - - - -
監督処分 - - - - - - - - - - - -
工事等の届出 - - - - - - - -
宅地の保全義務 - - - - - - - - - -
改善命令 - - - - - - - - - - - - -
立入検査 - - - - - - - - - - - - - -
報告の徴取 - - - - - - - - - - - - -

●宅地造成等規制法の過去問Archives −検索用−
昭和55年昭和56年昭和57年昭和58年昭和59年昭和60年昭和61年昭和62年昭和63年平成元年平成2年平成3年平成4年平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年平成10年〜平成14年平成15年平成16年平成17年平成18年
平成元年〜平成9年、平成15年から、独立問題として1問4肢
平成10〜11年,13〜14年は、その他の法令と共に1肢出題
平成12年は、出題されなかった
●宅地造成等規制法と共に出題されたもの (平成10年〜11年,13〜14年)

平成10年 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
           (急傾斜地 / 急傾斜地崩壊危険区域)
       建築基準法・災害危険区域内における建築物の建築に関する制限
       河川法・河川保全区域内において土地の形状を変更する行為

平成11年 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
            (急傾斜地崩壊危険区域)
       自然公園法 国定公園の特別地域内での工作物の新築
       生産緑地法 

平成13年 生産緑地法 
       河川法
       流通業務市街地の整備に関する法律

平成14年 道路法、都市計画事業地の制限、河川法、
        土砂災害防止法、海岸法、都市緑地保全法、急傾斜崩壊防止法


■宅地造成等規制法のアウトライン

宅地造成等規制法の目的
 この法律は、

  宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出による災害の防止のため

  必要な規制を行うことにより、国民の生命及び財産の保護を図り、

  もつて公共の福祉に寄与することを目的とする。

  (宅地造成等規制法・第1条)

宅地の定義
 農地、採草放牧地及び森林

 並びに

 道路、公園、河川その他法令で定める

 公共の用に供する施設の用に供せられている土地

 以外の土地をいう。(宅地造成等規制法・第2条・1号)

 <注意> 登記は無関係

○…工場用地(平成2年)、建物の敷地に供せられる土地に限らない(平成4年)

   ゴルフ場・宗教法人が建設する土地・私立高校(平成5年)

×…果樹園(平成5年)、森林→公園用地(平成9年)

<公共施設>

  道路・公園・河川・飛行場・鉄道施設・港湾施設・砂防設備・海岸保全施設・

  国又は地方公共団体が管理する↓

  「学校・運動場・緑地・広場・墓地・水道・下水道」など

■宅地造成工事規制区域のアウトライン

宅地造成の定義
宅地以外の土地を宅地にするため

又は

宅地において行なう

土地の形質の変更で政令で定めるもの

(宅地を宅地以外の土地にするために行なうものを除く)

をいう。(宅地造成等規制法・第2条・2号)

<一定規模の宅地造成(政令で定めるもの)

 ・高さが2 m を超えるがけを生じる切土

 ・高さが1 mを超えるがけを生じる盛土

 ・切土、盛土を同時にする場合は、全体として高さが2 mを超えるがけを生じるとき

 ・その他切土、または盛土をする土地の面積が500平方メートルを超えるとき

●許可の要否の判定問題の解法
1.土地の形質変更の目的『宅地→宅地以外』,『宅地以外→宅地以外』は許可不要
        ↓ 
2.〔宅地以外→宅地〕,〔宅地→宅地〕のとき 土地の形質変更の規模 面積⇒高さ 

  ・高さ2mを超えるがけを生ずる切土
  ・高さ1mを超えるがけを生ずる盛土
  ・切土盛土を同時にする場合で2mを超えるがけを生ずるもの
  ・土地の面積500平方メートルを超えるもの

災害の定義
がけ崩れ、又は

土砂の流出による災害

をいう。(宅地造成等規制法・第2条・3号)

全体の構成

  宅地造成工事規制区域の指定があると

(都市計画区域・準都市計画区域であるかないかなどに無関係に指定できる)

宅地造成工事都道府県知事の許可 

  違反すると→監督処分

  常時…       許可の取消し

  工事中…     工事施行停止命令・災害防止措置命令

             〔工事停止命令にはあらかじめ弁明の機会を付与する〕

  工事完了後…  宅地の使用禁止・使用制限・災害防止措置命令 

  <造成工事の流れ>

  許可申請書の申請→技術的基準の審査→ 

  許可→造成工事の施行→公示完了後の検査検査済証

 

宅地造成に伴う災害と密接に関連する一定の行為都道府県知事への届出

 (宅地造成工事には該当しなくても

    区域指定の時にすでに工事が行われていた(指定から21日以内)

    「高さが2 m を超える擁壁」・「排水施設の除去工事(着手の14日前まで)

    宅地以外の土地→宅地への転用(転用した日から14日以内)

 などは、

 許可を要する場合を除き、都道府県知事への届出をしなくてはならない。)

宅地の保全義務→勧告・改善命令

 宅地の所有者・管理者・占有者は宅地造成に伴う災害が生じないよう、

 その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。

 (規制区域の指定前に造成されていた宅地・宅地造成を含む)

改善命令

 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地で、

災害防止のために必要な擁壁・排水施設が設置されていないか、

あるいは不完全で、

これが放置された場合には災害の発生のおそれが著しいと判断した場合

宅地・擁壁・排水施設の「所有者・管理者・占有者」に対し、

それらの設置・改良・改造の工事を命ずることができます

●取消処分
 どんな場合か?  誰が処分を受けるか  監督処分の内容
 偽りその他不正な手段

 で許可を受けた

 造成主  許可の取り消し

●宅地造成工事中の監督処分
 どんな場合か?  誰が処分を受けるか  監督処分の内容
 許可を受けずに工事  造成主

 工事請負人〔下請人も含む〕

 現場管理者

 弁明の機会を付与して

 工事の施行停止命令

 許可の条件に違反  相当の猶予期限をつけて

 擁壁・排水施設設置etc
 災害防止に必要な措置

 技術的基準
 災害防止に必要な措置

●宅地造成工事完了後の監督処分
 どんな場合か?  誰が処分を受けるか  監督処分の内容
 許可を受けずに施行  宅地の

 所有者・管理者・占有者

 造成主

 宅地の使用禁止・制限
 検査を受けていない  擁壁・排水施設設置etc
 災害防止に必要な措置
 検査の結果,
 技術的基準に不適合

●勧告
 どんな場合か  誰が勧告を受けるか  勧告の内容は?
 災害防止のため

 必要と認めるとき

 宅地

 所有者・管理者・占有者

 擁壁・排水施設の設置・改造
 etc災害防止に必要な措置

※保全義務があるのは,勧告を受ける者と同じ。

●改善命令
 どんな場合か  誰が改善命令を受けるか  改善命令の内容は?
 擁壁・排水施設の
 未設置・不完全で
 放置すると災害発生
 のおそれが著しいとき
 宅地・擁壁・排水施設

 所有者・管理者・占有者

 相当の猶予期限をつけて

 擁壁・排水施設の設置・改造,
 地形改良工事

測量又は調査のための土地の立入
都道府県知事 又はその命じた者 若しくは委任した者は、

宅地造成工事規制区域の指定のために

他人の占有する土地に立ち入って

測量又は調査を行う必要がある場合は

その必要の限度において

他人の占有する土地に立ち入ることができる

(立ち入ろうとする日の3日前までにその旨を土地の占有者に通知)

立入検査
都道府県知事 又はその命じた者 若しくは委任した者は、

その権限を行うため必要がある場合は、

当該宅地に立ち入り、

当該宅地又は当該宅地で行われている宅地造成に関する工事の状況を

検査することができる。

報告の徴取
都道府県知事は、

 宅地造成工事規制区域内における

 宅地の所有者、管理者又は占有者に対して

当該宅地又は当該宅地において行われている工事の状況について

報告を求めることができる。

市町村長の意見の申し出
市町村長は、

宅地造成工事規制区域内における宅地造成に伴う災害の防止に関し、

都道府県知事に意見を申し出ることができる。


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