法令上の制限 実戦篇

宅地造成等規制法の過去問アーカイブス 平成5年・問27 


宅地造成工事規制区域内において,次に掲げる施設用地の造成のため10万平方メートルの土地について切土又は盛土を行う場合,宅地造成等規制法の許可を有しないものはどれか。(平成5年・問27)

1.「ゴルフ場」

2.「宗教法人が建設する墓地」

3.「私立高校」

4.「果樹園」

⇒ 昭和50年の問題も一緒にご覧になることをお勧めします。

【正解】

× × ×

 「宅地造成」とは,以下の要件を満たす「土地の形質の変更」の一部です。

●宅地造成の定義
 【公式i】〔宅地以外→宅地〕宅地以外の土地を宅地にするため
 行う土地の形質の変更政令に定める一定規模を超えるもの(2条2号)

 【公式ii】 〔宅地→宅地〕宅地において
 行う土地の形質の変更政令に定める一定規模を超えるもの(2条2号)
 〔形質の変更後も宅地であるものに限る。〕

<注意点>宅地造成にならないもの
 → 【系1】宅地を宅地以外のものにするために行うものは宅地造成ではない。
    (『宅地→宅地以外』,『宅地以外→宅地以外』は宅地造成ではない。)

 → 【系2】〔宅地以外→宅地〕又は〔宅地→宅地〕の形質の変更であっても,
       一定規模を下回るものは宅地造成ではない

●一定規模を超える形質の変更とはどのようなものか−施行令3条
(定義1) 高さ2mを超えるがけを生ずる切土

(定義2) 高さ1mを超えるがけを生ずる盛土

(定義3) 切土盛土を同時にする場合で2mを超えるがけを生ずるもの〔正確には,この中で,盛土をした土地の部分に高さが1m以下のがけを生ずるもの〕

(定義4) (1)〜(3)に該当しなくても,土地の面積が500平方メートルを超えるもの

【正解:平成2年,4年,5年

◆宅地の定義

 本問題は,許可を要するもの(=宅地造成)を尋ねていますが,実体としては「宅地かどうかの判定問題」です。

 この中で「宅地造成等規制法での宅地」ではないものは,4の「果樹園」です。

 宅地造成等規制法でいう「宅地」とは,「農地,採草放牧地,森林,道路・公園・河川その他政令で定める公共施設の用に供せられている土地」以外の土地をいいます。(2条1号)

政令で定める公共施設(施行令2条,施行規則1条)

災害防止〔砂防設備,地すべり防止施設,海岸保全施設〕
交通〔港湾施設,飛行場,鉄道施設〕
国又は地方公共団体が管理する学校,運動場,緑地,広場,墓地,
                      水道及び下水道

 これまで過去問で出題された非・宅地の具体例としては,次のようなものがあります。
・農地(50,)果樹園(5)
・森林(50,9)
・公園(50,53,9)

これまで過去問で出題された宅地の具体例
・私営の墓地(53,)宗教法人が建設する墓地(5)
・私立高校(5)
・ゴルフ場(5)
・工場用地(2)

 

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