法令上の制限 実戦篇
宅地造成等規制法の過去問アーカイブス 昭和53年 許可の要否
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和53年) |
1.「宅地造成工事規制区域内で,都道府県が行う宅地造成工事については,許可権者である都道府県知事に対してあらかじめ届出を行えば足りる。」 |
2.「宅地造成工事規制区域内で,政令指定都市・中核市・特例市以外の市町村が職員住宅建設のために行う宅地造成工事は,許可を必要としない。」 |
3.「宅地造成工事規制区域内で,市町村または都道府県が行う公園造成工事は,許可を必要としない。」 |
4.「宅地造成工事規制区域内で行う私営の墓地造成工事は,宅地造成工事ではないので許可を必要としない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「宅地造成工事規制区域内で,都道府県が行う宅地造成工事については,許可権者である都道府県知事に対してあらかじめ届出を行えば足りる。」 |
【正解:×】昭和52年,昭和53年, ◆許可があったものとみなす 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする造成主は,宅地造成工事前に,原則として※都道府県知事〔又は指定都市等の長〕の許可を受けなければいけません。(8条1項) しかし,国または都道府県 (指定都市・中核市・特例市) が宅地造成工事規制区域内において行う宅地造成工事については,国または都道府県 (指定都市・中核市・特例市) と都道府県知事 (指定都市・中核市・特例市にあってはそれぞれの長) との協議が成立すれば許可があったものとみなすという規定があります。(11条) <協議が成立すれば許可があったものとみなす>ということは<あらかじめ届出を行えば足りる>ということではないので,誤りです。 ※都市計画法29条1項・2項の開発許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した宅地造成に関する工事については許可を受ける必要はない。以下肢2〜肢4とも同じ。 |
2.「宅地造成工事規制区域内で,政令指定都市・中核市・特例市以外の市町村が職員住宅建設のために行う宅地造成工事は,許可を必要としない。」 |
【正解:×】 ◆一般の市町村では許可が必要 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする造成主は,宅地造成工事前に,原則として都道府県知事〔又は指定都市等の長〕の許可を受けなければいけません。(8条1項) しかし,国または都道府県 (指定都市・中核市・特例市) が宅地造成工事規制区域内において行う宅地造成工事については,国または都道府県 (指定都市・中核市・特例市) と都道府県知事 (指定都市・中核市・特例市にあってはそれぞれの長) との協議が成立すれば許可があったものとみなすという規定があります。(11条) 指定都市・中核市・特例市以外の市町村が行う宅地造成工事では,許可が必要なので,誤りです。 |
3.「宅地造成工事規制区域内で,市町村または都道府県が行う公園造成工事は,許可を必要としない。」 |
【正解:○】 ◆宅地の定義−公園は「宅地」ではない 公園は宅地造成等規制法でいう「宅地」ではないので,公園の造成工事は,許可は不要です。 ※本肢では<市町村または都道府県が行う公園造成工事>となっていますが,公園の造成工事の場合は,誰が行うかに関係なく,許可は不要です。 ●宅地の定義 宅地造成等規制法でいう「宅地」とは,「農地,採草放牧地,森林,道路・公園・河川その他政令で定める公共施設の用に供せられている土地」以外の土地をいいます。(2条1号)
これまで過去問で出題された非・宅地の具体例としては,次のようなものがあります。
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4.「宅地造成工事規制区域内で行う私営の墓地造成工事は,宅地造成工事ではないので許可を必要としない。」 |
【正解:×】 ◆宅地の定義−私営の墓地は「宅地」に該当する 墓地は宅地造成等規制法では宅地に該当する場合と該当しない場合があります。
したがって,私営の墓地は「宅地」なので,その造成工事は,一定規模に達していれば,許可が必要になります。 ▼墓園は,規模が1 ha 以上の場合は,都市計画法での『第二種特定工作物』であり,規模が1 ha 以上の墓園は開発許可が必要です。(都市計画法4条11項,施行令1条2項2号) |
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