法令上の制限 実戦篇

宅地造成等規制法の過去問アーカイブス 平成10年〜平成14年 


宅地造成等規制法に関する次の記述は,○か×か。(平成10年〜平成14年)

1.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域は,宅地造成に伴い災害が生ずるおそれの大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって,宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものについて指定される。」

2.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする造成主は,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」

3.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の請負人は,工事に着手する前に,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」

4.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用する者は,宅地造成に関する工事を行わない場合でも,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」

【正解】

× ×

1.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域は,宅地造成に伴い災害が生ずるおそれの大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって,宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものについて指定される。」(平成10年・問25・肢1)

【正解:

◆宅地造成工事規制区域の指定

 都道府県知事(指定都市,中核市,特例市の区域内の土地については,それぞれ指定都市,中核市又は特例市の長。)は,必要があると認めるときは、関係市町村長(特別区の長を含む)の意見を聴いて,宅地造成に伴い災害が生ずるおそれの大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって,宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものを宅地造成工事規制区域として指定することができます。(宅地造成等規制法・3条1項)

宅地 農地,採草放牧地及び森林並びに道路,公園,河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられている土地以外の土地

宅地造成 宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行なう土地の形質の変更で政令で定めるもの(宅地を宅地以外の土地にするために行なうものを除く。)

災害 がけくずれ又は土砂の流出による災害。

 ⇒ 宅地造成等規制法 最終改正:平成18年4月1日法律第30号

2.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする造成主は,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」(平成11年・問25・肢2)

【正解:平成13年

◆宅地造成工事の許可

 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする造成主は当該工事に着手する前に,原則として都道府県知事〔指定都市・中核市・特例市の長〕の許可を受けなければならない。 (宅地造成等規制法・8条1項) 

造成主 宅地造成に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者。

工事施行者 宅地造成に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事をする者。

 ⇒ 宅地造成等規制法 最終改正:平成18年4月1日法律第30号

都市計画法29条1項・2項の開発許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した宅地造成に関する工事については許可を受ける必要はない。

3.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の請負人は,工事に着手する前に,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」(平成13年・問24・肢1)

【正解:×平成11年

◆宅地造成工事の許可

 工事請負人ではなく,造成主が都道府県知事の許可を受けます

 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする造成主は当該工事に着手する前に,原則として都道府県知事〔指定都市・中核市・特例市の長〕の許可を受けなければならない。 (宅地造成等規制法・8条1項) 

造成主 宅地造成に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者。

工事施行者 宅地造成に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事をする者。

 ⇒ 宅地造成等規制法 最終改正:平成18年4月1日法律第30号

都市計画法29条1項・2項の開発許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した宅地造成に関する工事については許可を受ける必要はない。

4.「宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用する者は,宅地造成に関する工事を行わない場合でも,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。」(平成14年・問24・肢2)

【正解:×平成3年問25,9年問20に宅地造成等規制法の単独問題の肢で出題

◆宅地造成をしないで宅地以外の土地を宅地に転用→届出が必要

 宅地造成工事規制区域で宅地造成に関する工事を行わない転用については,許可は不要です。

 しかし,宅地以外の土地を宅地に転用したときは転用した日から14日以内〔平成3年問,9年出題都道府県知事〔指定都市・中核市・特例市の長〕にその旨の届出をしなければいけません。←事前の届出ではなく,転用後の届出であることに注意。(宅地造成等規制法・15条3項)

宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用した者は,第8条第1項本文の許可〔工事に着手する前の宅地造成に関する工事についての許可〕を受けなければならない場合を除き,その転用した日から14日以内に,国土交通省令で定めるところにより,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 (15条3項)

 宅地造成工事を行って宅地以外の土地を宅地に転用する場合には,宅地造成の許可を事前に受けるので,届出は不要です。

 ⇒ 宅地造成等規制法 最終改正:平成18年4月1日法律第30号


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