法令上の制限 基礎編

宅地造成等規制法 §8 宅地造成工事規制区域の届出制


次のそれぞれの記述は,宅地造成等規制法の規定によれば○か,×か。なお,本問における都道府県知事とは,指定都市,中核市又は特例市にあっては,指定都市,中核市又は特例市の長をいうものとする。

1.「新たに指定された規制区域内において,指定の前にすでに着手されていた宅地造成に関する工事については,その造成主はその指定があった日から21日以内に,都道府県知事の許可を受けなければならない。」15-24-3,同57-25-2,63-26-3

2.「宅地造成工事規制区域内の宅地において,高さが2mを超える擁壁又は排水施設の全部又は一部の除却工事を行おうとする者は,宅地造成工事の許可を受けなければならない場合を除き,その工事に着手する日の14日前までに,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」57-25-3

3.「宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用した者は,宅地造成に関する工事の許可を受けなければならない場合を除き,その転用した日から14日以内に,その旨を都道府県知事に届けなければならない。」57-25-4,63-26-4,9-20-4,

【正解】

×

1.「新たに指定された規制区域内において,指定の前にすでに着手されていた宅地造成に関する工事については,その造成主はその指定があった日から21日以内に,都道府県知事の許可を受けなければならない。」15-24-3,(同57-25-2,63-26-3),(類・55-23-4,62-25-1)

【正解:×昭和55年,57年,59年,62年,63年平成7年15年

◆規制区域指定の際に現に行われている宅地造成→指定後21日以内に届出

  ポイント : 許可ではなく届出,指定後21日以内

 規制区域の指定の際に,現に行われている宅地造成工事の造成主は,その指定があった日から21日以内に,都道府県知事にその旨を届け出なければならない。(15条1項)

ある日突然規制区域の指定があるわけではなく,規制区域指定の前には都道府県知事によって公示され,関係市町村にも通知されることになっています。このため,指定の前に駆け込みで宅地造成をしようとする人が出てくるので,このような措置が設けられています。届出によって宅地造成したのがチェックできるからです。

●類題
1.「規制区域の指定の際,当該区域内において行われている宅地造成に関する工事の造成主は,その指定があった日以降の工事については,都道府県知事の許可を受けなければならない。」7-25-2
【正解 :×
2.「宅地造成工事規制区域の指定の際に,当該区域内において現に行われている工事については,都道府県知事に届け出る必要はない。」59-25-2
【正解 :×

2.「宅地造成工事規制区域内の宅地において,高さが2mを超える擁壁又は排水施設の全部又は一部の除却工事を行おうとする者は,宅地造成工事の許可を受けなければならない場合を除き,その工事に着手する日の14日前までに,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」57-25-3

【正解:昭和57年

◆除却工事の届出

 ポイント : 許可ではなく届出,着手する14日前まで

 宅地造成工事規制区域内の宅地において,『高さが2mを超える擁壁』又は〔雨水その他の地表水や地下水を排除するための〕排水施設』,または『地滑り抑止ぐい』等の全部又は一部の除却工事を行おうとする者は,その工事に着手する日の14日前までに,その旨を都道府県知事に届け出なければいけません。(15条2項,施行令18条)

 届出の中では唯一,事前の届出になっていることに注意しましょう。

宅地造成工事の許可を得ている場合において,擁壁・排水施設等の除却工事をするときには,この届出は不要です。

●施行令
(届出を要する工事)

第18条 法第十五条第二項 の政令で定める工事は、高さが二メートルを超える擁壁、地表水等を排除するための排水施設又は地滑り抑止ぐい等の全部又は一部の除却の工事とする。

●改正●工事の届出

(工事等の届出)第15条

2 宅地造成工事規制区域内の宅地において、擁壁等に関する工事その他の工事で政令で定めるものを行おうとする者(第8条第1項本文若しくは第12条第1項の許可を受け、又は同条第2項の規定による届出をした者を除く。)は、その工事に着手する日の14日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

●類題
1.「宅地造成工事規制区域内の宅地において,擁壁に関する工事を行おうとする者は,法第8条第1項の工事の許可を受けている場合等を除き、工事に着手する日までに,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」18-23-1
【正解 :×】×工事に着手する日まで ⇒ ○ 工事に着手する日の14日前まで

3.「宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用した者は,宅地造成に関する工事の許可を受けなければならない場合を除き,その転用した日から14日以内に,その旨を都道府県知事に届けなければならない。」57-25-4,63-26-4,9-20-4,

【正解:昭和55年,57年,63年,平成3年9年

◆転用届 (宅地以外の土地→宅地)

  ポイント : 許可ではなく届出,転用をした日から14日以内

 宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用した者は,宅地造成工事の許可を受けなければならない場合を除き,その転用した日から14日以内に,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。(15条3項)(昭和57年,63年にソノママ出題)

 宅地造成工事+転用 → 許可が必要。
 宅地造成工事なし+転用 → 許可は要らず,14日以内に届出
●類題
1.「宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用した者は,その転用した日から21日以内に,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」3-25-4
【正解 :×】21日以内ではなく,14日以内に届出。
2.「宅地造成工事規制区域内において,宅地以外の土地を宅地に転用した者は,許可を受けなければならない場合を除き,すべて,その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」55-23-2
【正解 :】「すべて」という言葉に引っかかってはいけません。
 宅地造成工事なし+転用 → 許可は要らず,14日以内に届出

●宅地造成等規制法の過去問Archives −検索用−
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