法令上の制限 実戦篇

都市計画法の過去問アーカイブス 昭和57年・問18・開発許可


都市計画法に基づく開発行為の規制に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和57年・問18)

1.「市街化調整区域内で行われる開発行為について許可される場合は,常に開発審査会の議を経なければならない。」

2.「市街化調整区域内で第二種特定工作物の建設の用に供する目的で開発行為を行う場合は,許可を受けなくてもよい。」

3.「区域区分の定められていない都市計画区域内で行う開発行為は規制の対象にならない。」

4.「開発許可を受けた開発区域内の土地においては,一定の場合を除き,工事完了公告があるまでの間は建築物を建築し,又は特定工作物を建設してはならない。」

【正解】

× × ×

1.「市街化調整区域内で行われる開発行為について許可される場合は,常に開発審査会の議を経なければならない。」

【正解:×昭和57年・問18,63年・問19,平成元年・問21,9年・問19

◆34条許可基準〔許可要件〕−開発審査会の議が必要な場合

           ┌─市街化調整区域以外(33条のみ)
開発許可の基準┤            ┌─建築物 or 第一種特定工作物(33条+34条)
          └─市街化調整区域┤
                        └─第二種特定工作物(33条)

 市街化調整区域内で行われる全ての開発行為で,許可をする前に,開発審査会の議を経なければならないのではありません。(都市計画法34条14号)

 市街化調整区域内で行われる開発行為について,都道府県知事等が許可をするときに,あらかじめ開発審査会の議を経なければいけないのは次のものです。

 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ,かつ,市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められるもの

 都市計画法34条では1号から13号までかなり細かく開発許可の要件を定めていますが,そのほかのものでも開発を許可しても都市計画に支障がない場合があります。このようなときに一種の救済規定として定められているのがこの34条14号です。いわば,34条1号から13号に該当しなくても,開発審査会の議を経た上でならば,開発を認めましょうという規定です。

 開発審査会の議を経る許可の具体的な運用については,通達が出ていますが,通達内容については省くことにします。

●34条許可基準の出題歴
 物品販売店舗  平成元年・問18,9年・問18,
 観光資源活用  昭和55年・問18,
 農産物の処理・貯蔵・加工・  平成12年・問20,15年・問18,
 開発審査会の議を経たもの  昭和57年・問18,63年・問19,
 平成元年・問21,9年・問19,
●開発審査会(78条,50条1項,34条14号)
第78条 第50条1項に規定する審査請求〔開発許可・不許可・監督処分に対する不服申立て〕に対する裁決その他この法律によりその権限に属させられた事項を行わせるため,都道府県及び指定都市等〔指定都市・中核市・特例市〕に,開発審査会を置く。
 開発審査会は,審査請求を受理した日から2月以内に裁決をしなければならない。(50条2項)

2.「市街化調整区域内で第二種特定工作物の建設の用に供する目的で開発行為を行う場合は,許可を受けなくてもよい。」

【正解:×関連・昭和56年・問18・肢4

第二種特定工作物〔面積要件なしのゴルフコース以外は1ha以上〕

●市街化調整区域の造成工事と開発許可
一般の建築物・第一種特定工作物  33条の許可基準に加えて,34条の許可要件を
 満たせば,開発許可を受けることができる。
第二種特定工作物  33条の許可基準を満たせば,
 開発許可を受けることができる。
第二種特定工作物の規模要件を
満たさないもの(ゴルフコースを除く)
 規模1ha未満のため第二種特定工作物に
 ならないものの建設の用に供する目的の
 造成工事は開発行為にならないので,
 開発許可は不要。

 市街化調整区域内で第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為は,34条の許可要件が適用されないだけのことで,開発許可を受けなくてもよいのではなく,開発許可を受けなければいけません。第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為は33条の許可基準に該当すれば開発許可を受けることができます。

●ゴルフコース以外の第二種特定工作物 (施行令・1条2項)
 野球場,庭球場,陸上競技場,遊園地,動物園その他の運動場・レジャー施設である工作物〔学校教育法の学校(大学・専修学校・各種学校を除く)の施設に該当するものなどを除く〕で1ha以上のもの

 墓園1ha以上のもの

  第二種特定工作物にならないとされるもの・・・博物館法に規定する施設・キャンプ場・ピクニック緑地・スキー場〔人口スキー場を除く。〕・マリーナ・モトクロス場

3.「区域区分の定められていない都市計画区域内で行う開発行為は規制の対象にならない。」

【正解:×昭和55年問17,57年問18,58年問19,60年問18,

◆区域区分の定められていない都市計画区域では3,000平方メートル以上

 区域区分の定められていない都市計画区域内で行う開発行為は,開発規模が3,000平方メートル以上の場合には,原則として開発許可を受けなければならないので,<規制の対象にならない>とする本肢は誤りです。(都市計画法29条1項1号,施行令19条)

 ただし,都道府県知事〔指定都市等の長〕は,市街化の状況等により,特に必要があると認める場合は,都道府県の規則〔指定都市等の規則〕で,

 300平方メートル以上3,000平方メートル未満で,開発許可の必要な規模を別に定めることができます。(都市計画法施行令19条1項第4欄)

4.「開発許可を受けた開発区域内の土地においては,一定の場合を除き,工事完了公告があるまでの間は建築物を建築し,又は特定工作物を建設してはならない。」

【正解:昭和57年問18,58年問18,59年問18・問19,

◆工事完了公告前の建築制限

 開発許可を受けた開発区域内の土地においては,工事完了公告があるまでは,原則として,建築物を建築し,又は特定工作物を建設してはならないことになっています。(都市計画法37条) 

●工事完了公告までの間でも建築・建設できる場合
・当該開発行為に関する工事用の仮設建築物・特定工作物の建築・建設(平成15年)

・都道府県知事〔指定都市等の区域では当該指定都市等の長〕が支障ないと認めたとき(平成7年,15年)

開発行為に同意していない者が,その権利行使として建築物を建築又は特定工作物を建設(平成11年)


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