法令上の制限 実戦篇

都市計画法の過去問アーカイブス 平成17年・問20 開発許可基準


都市計画法33条に規定する開発許可の基準のうち、主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為に対して適用のあるものは、次のうちどれか。(平成17年・問20)

1.「予定建築物等の敷地に接する道路の幅員についての基準」

2.「開発区域に設置しなければならない公園、緑地又は広場についての基準

3.「排水施設の構造及び能力についての基準」

4.「開発許可の申請者の資力及び信用についての基準」

【正解】

適用はない 適用はない 適用がある 適用はない

◆33条の開発許可基準

           ┌─市街化調整区域以外(33条のみ)
開発許可の基準┤            ┌─建築物 or 第一種特定工作物(33条+34条)
          └─市街化調整区域┤
                        └─第二種特定工作物(33条)

 33条   都道府県知事は33条に適合していれば,開発許可をしなければならない。
 34条   都道府県知事は33条に適合し,かつ,34条に該当しなければ,
 開発許可をしてはならない。

 33条許可基準に関する問題=平成5年・問20,
                    平成9年・問19(環境の保全−樹木の保存等),
                    平成10年・問19(道路の整備),12年・問19,17年・問20,

●33条の許可基準

 33条の開発許可基準は,大別すると,

・主として,自己の居住又は自己の業務 の用に供する
・その他 (分譲のために宅地造成を行う場合など)

の二つに区分される。

自己の居住 

又は 

自己の業務

自己の居住 ・開発行為を施行する主体が
 自らの生活の本拠として使用
自然人に限られる
自己の業務 ・当該建築物・特定工作物において、
 継続的に自己の業務に係る経済活動
 行われる。
その他    * 他人に譲渡又は使用させることが業務の目的で、
 利用者が開発行為者以外の者となる。

1.「予定建築物等の敷地に接する道路の幅員についての基準」

【正解:適用はない

◆敷地に接する道路の幅員

 主として,自己の居住用住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為では,予定建築物等の用途,予定建築物等の敷地の規模等に応じて,6m以上12m以下で国土交通省令で定める幅員以上の道路が敷地に接するように配置されていなければならないが(都市計画法33条1項2号,同33条2項,都市計画法施行令25条2号),この基準は自己の居住用住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為には適用されないので,誤り。

  【関連問題の出題歴】平成10年・問19(道路の整備),

2.「開発区域に設置しなければならない公園、緑地又は広場についての基準

【正解:適用はない

◆公園,緑地又は広場

 主として,自己の居住用住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為では,開発区域に設置しなければならない公園,緑地又は広場についての基準が定められているが(都市計画法33条1項2号,都市計画法施行令25条7号・8号),この基準は自己の居住用住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為には適用されないので,誤り。

3.「排水施設の構造及び能力についての基準」

【正解:適用がある

◆排水施設の構造及び能力

 排水路その他の排水施設の構造及び能力についての基準については,自己居住用・自己の業務用・その他の区分を問わず,適用されるので正しい(都市計画法33条1項3号)

 (1,000本ノックの該当箇所) http://tokagekyo.7777.net/echo_t2/1219.html

4.「開発許可の申請者の資力及び信用についての基準」

【正解:適用はない

◆申請者の資力及び信用

 『自己の居住用住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為』,『(住宅以外の建築物の建築や特定工作物の建設のために)自己の業務の用に供する目的で行う開発行為』では,原則として,当該開発行為を行うために必要な資力及び信用があることは要求されていない(都市計画法33条1項12号)ので,誤り。

 ⇒ 開発行為の中断により被害が生じるおそれがある場合は,例外的に,居住用・業務用のための開発であっても,資力及び信用が基準に適合していなければならないことがあるが,本肢はそこまでの深読みは要求していないと思われる。

 【出題歴】平成12年問19肢2,

分譲等の目的で開発行為をした開発業者が資金難のために途中で開発工事を中断することを防ぐための規定である。分譲のための開発行為では大規模なものになるので,途中で工事が中断すると,地形などによっては近隣周辺の住民に危険な場合があるからだ。開発行為の中断により,出水,がけ崩れ,土砂の流出などのおそれがある。


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