昭和58年度 宅地建物取引主任者資格試験
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権利の変動分野 〔民法・借地借家法・不動産登記法〕 |
〔問2〕 代理に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 法定代理人は,やむを得ない理由により復代理人を選任した場合には,その選任及び監督について本人に対して責任を負うに過ぎない。 2 第三者が,代理人に対して代理人の権限内において本人のためにすることを示してなした意思表示は,直接,本人に対してその効力を生じる。 3 代理権は,本人の死亡,後見開始の審判又は破産手続開始の決定により消滅する。 4 他人の代理人として契約をなした者が,その代理権を証明することができず,かつ,本人の追認も得られない場合には,原則として履行又は損害賠償の責に任ずる。 |
〔問3〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 土地及びその上に存する建物を所有するAが,その土地の上に債権者Bのために抵当権を設定した。Bは,抵当権を実行する場合には,土地及び建物を一括して競売することができる。 2 自己の所有する建物に債権者Cのために抵当権を設定したDが,その建物を過失により焼失させた場合,Dは,被担保債権についての期限の利益を失う。 3 抵当権設定契約の成立には,目的物の引渡しを必要とせず,かつ,必ずしも契約書の作成を要さない。 4 抵当権の目的物が滅失した場合には,抵当権の効力は,その滅失により目的物の所有者が受領すべき金銭にも及ぶ。 |
〔問4〕 地役権に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 地役権は,設定行為のほか時効によっても取得しうる。 2 要役地の共有者の1人は,その持分について,その土地のために存する地役権を消滅させることができる。 3 承役地の共有者の1人は,その持分について,その土地の上に存する地役権を消滅させることはできない。 4 地役権は,承役地が分割又は一部譲渡された場合には,原則としてその各部分の上に存する。 |
〔問5〕 契約の解除に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 相手方が原状回復行為に着手するまでは,既に行った解除の意思表示を撤回することができる。 2 解除の効果は,解除の意思表示を発したときに生じる。 3 解除権者が数人いる場合,その中の一人について解除権が消滅しても,他の者の解除権はなお存続する。 4 解除後の原状回復において,返還すべき金銭があるときは,その受領の時からの利息を付さなければいけない。 |
〔問6〕 契約に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 承諾期間を定めて契約の申込みをした場合,遅延した承諾は申込者において新たな申込みとみなすことができる。 2 他人の強迫により締結した契約は取り消すことができるが,善意の第三者には取り消しをもって対抗することはできない。 3 当事者の一方が第三者に対して一定の給付をする旨の契約が締結された場合において,その第三者の権利は,債務者に対してその第三者が契約の利益を享受する意思を表示したときに発生する。 4 申込みに対して承諾の通知を発しなくても契約が成立することがある。 |
〔問7〕 AがBに対して負う債務について,Cは保証人(ただし,連帯保証人ではない。)となった。この場合,民法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 BがCに保証債務の履行を請求してきたときは,原則として,Cは,『まずAに催告せよ。』とBに請求することができる。 2 AがBに対して債権を有しているときは,Cは,この債権により相殺をもってBに対抗することができる。 3 Cの保証債務は,AがBに対して負う債務の元本及び利息についてのみであり,Aに債務不履行があった場合の違約金,損害賠償等を含まない。 4 Cは,自己の保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額をBと約定することができる。 |
〔問8〕 AはBに対して土地を2,000万円で売却し,その代金債権を有している。一方,BはAに対して同じく2,000万円の貸金債権を有している。この両債権の相殺に関する次のそれぞれの記述は,民法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 AがBに対して相殺の意思表示をするときは,たとえば,「この意思表示は10日後に効力を生じるものとする。」という期限を付すことができる。 2 AがBに対して相殺の意思表示をしたときは,相殺の効果は,その意思表示がBに到達した時から将来に向かってのみ生じ,それ以前には遡及しない。 3 Bは東京で2,000万円の土地代金を支払い,Aは大阪で2,000万円の借金を返済することになっているときは,相殺をすることはできない。 4 Aの代金債権について消滅時効が完成した後であっても,それ以前にBの貸金債権と相殺し得る状態にあったときは,Aはなお相殺することができる。 |
〔問9〕 AはBの所有する建物を賃借した場合,民法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 当該建物が一部毀損し修繕が必要になった場合,AがBに対し修繕を請求できるのは,毀損した時から一年以内に限られる。 2 Aが当該建物につきBの負担に属する必要費を支出したときは,Bに対し直ちにその償還を請求することができる。 3 当該建物の一部が,隣家の火事により類焼して滅失したときは,Aは,滅失した部分の割合に応じて借賃の減額を請求できる。 4 AはBの所有する建物を賃借した場合,証書作成費用,印紙代等の賃貸借契約に要する費用はAとBが平分して負担する。 |
〔問10〕 AはBから土地を購入したが,その土地にはBの債権者Cのために抵当権が設定され,登記もされていた。この場合,次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Cは,抵当権を実行しようとするときは,あらかじめAにその旨を通知しなければいけない。 2 Cが抵当権を実行したためAが土地の所有権を失ったときは,AはBとの売買契約を解除することができる。 3 Aが第三者Dにこの土地を5年間賃貸する契約をし,その登記がなされたときは,Dは,Cの同意の登記がなくても,この賃借権をCに対抗することができる。改 4 BがCに対して負う債務をAがBに代わって弁済するためには,Bの承諾を得なければならない。 |
〔問11〕 Aが自己の所有する土地をBに売却した場合のAの代金債権の消滅時効に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Bが第三者Cから資金2,000万円の返済を受けたらAに代金を支払うこととした場合,Aの代金債権の消滅時効はBがCから返済を受けたことをAが知ったときから進行を開始する。 2 Aが仕事で海外に1年間出張することになった場合,Aが日本国内にいない間は消滅時効は進行を停止する。 3 AB間の売買契約において,Bは,Aの代金債権について消滅時効が完成した場合の時効の利益をあらかじめ放棄することはできない。 4 Aが,Bに対して代金の支払いを求めて訴訟を起こし代金支払を命じる確定判決を得たときは,Aの代金債権は確定し,以後代金債権が時効により消滅することはあり得ない。 |
〔問12〕 Xは4,200万円相当の土地及び建物を遺産として残して死亡した。Xには配偶者Aがあり,Aとの間に子Bがいる。XとAとの間にはBのほかに子Cもいたが,CはXの死亡の2年前に既に死亡しており,その子C1とC2が残されている。Xにはさらに非嫡出子Dがいる。この場合の民法の規定に基づく法定相続分に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 Aが2,100万円,BとDがそれぞれ700万円,C1とC2がそれぞれ350万円の相続分を取得する。 2 Aが2,100万円,BとC1とC2がそれぞれ600万円,Dが300万円の相続分を取得する。 3 Aが2,100万円,Bが1,400万,Dが700万円の相続分を取得する。 4 Aが2,100万円,Bが840万円,C1とC2とDがそれぞれ420万円の相続分を取得する。 |
〔問13〕 Aは,Bの所有する土地を賃借し,その上に建物を所有している。この場合,借地借家法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 AとBの借地契約上,借地権の存続期間について,特にその定めがなければ30年となるが,借地権の設定後の最初の更新の場合にはその定めがないと20年となる。改 2 Aが当該建物と借地権を第三者Cに譲渡しようとしたときに,Bが正当な理由なく承諾を与えないときには,AはBに対して建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。 3 借地権の存続期間の満了後Aが土地の使用を継続する場合において当該土地の上に建物があるときは,Bは,正当な理由がなければAの土地利用に対して異議を述べることはできない。改 4 Aの借地権の存続期間内にBが当該土地の所有権を第三者Dに譲渡した場合,Aの借地権が登記されていなくても当該建物の登記があれば,AはDに対して借地権を対抗することができる。改 |
〔問14〕 AがBの所有する建物を賃借している場合,借地借家法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 AとBの借家契約上,賃貸借の期間を10ヵ月と定めている場合には,期間の定めがないものとみなされる。なお,この借家契約は,定期建物賃貸借,取壊し予定の建物賃貸借,及び一時使用目的の賃貸借のいずれでもない普通の建物賃貸借とする。 2 Bが当該建物を第三者Cに譲渡し,所有権の登記がされた場合でも,Aは,建物の引渡しを既に受けていれば,Cに対して賃借権を対抗することができる。 3 借賃の増額に関してAB間で調整がつかないときは,Aは,増額を正当とする裁判が確定するまでは,Bに対して相当と認める借賃を支払えばよいが,その裁判が確定し,不足額が生じた場合には,不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付けて支払わなければならない。 4 Aが建物を第三者Dに転貸することについてBが承諾を与えないときには,Aは,Bの承諾に代わる許可の裁判を裁判所に対して申し立てることができる。 |
〔問15〕 不動産登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 土地の登記簿は,1筆の土地につき,1登記記録を備える。 2 賃借権に関する登記事項は,登記用紙中の権利部の甲区に記録される。 3 誰でも,利害関係のある部分に限り,手数料を納付して登記簿の附属書類の政令で定める図面の閲覧を請求することができる 4 誰でも,手数料のほか送付に要する費用を納付して登記事項証明書の送付を請求することができる。 |
〔問16〕 同一の不動産についてされた登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 仮登記がされた所有権移転請求権と登記がされた抵当権の順位は,それらの登記の順位番号による。 2 登記がされた数個の抵当権の順位は,それらの登記の順位番号による。 3 所有権移転請求権保全のための仮登記をした場合,本登記の順位は,仮登記の順位による。 4 登記がされた抵当権の変更の付記登記の順位は,その抵当権の設定の登記の順位による。 |
【正解】
2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
3 |
1 |
2 |
4 |
2 |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
3 |
4 |
1 |
2 |
3 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
4 |
2 |
4 |
2,3 |
1 |
●宅建過去問・民法編 |
昭和55年,昭和56年,昭和57年,昭和58年,昭和59年,昭和60年,昭和61年,昭和62年,昭和63年,平成元年,平成2年,平成3年,平成4年,平成5年,平成6年,平成7年,平成8年,平成9年,平成10年,平成11年,平成12年,平成13年,平成14年,平成15年,平成16年,平成17年,平成18年,平成19年,平成20年, |
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