昭和59年度 宅地建物取引主任者資格試験
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権利の変動分野 〔民法・区分所有法・借地借家法・不動産登記法〕 |
〔問2〕 制限行為能力者に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 未成年者が,法定代理人の同意を得ずに,アパートを賃借する契約を締結した場合,この賃貸借契約は無効である。 2 被補助人が,補助人の同意を必要とするのに,補助人の同意を得ずに,建物の増築工事を請け負わせた場合,この請負契約は無効である。 3 被保佐人が,保佐人の同意を得ずに,宅地を5年間賃貸する契約を締結した場合,この賃貸借契約は取消すことができる。 4 成年被後見人が,成年後見人の同意を得ずに,別荘の贈与を受諾する意思表示をした場合,この意思表示は取消すことができる。 |
〔問3〕 地上権に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 地上権は,地主との契約により設定されるほか,時効によっても取得されることがある。 2 地上権は,抵当権の目的とすることができない。 3 地上権者が地主に対して定期の地代を支払うべきときに,2年以上その支払いを怠ったときは,地主は,地上権の消滅を請求することができる。 4 土地とその上にある建物が同一所有者に属する場合,その建物のみを抵当としたときは,抵当権設定者は,競売の場合に,地上権を設定したものとみなすことができる。 |
〔問4〕 代理に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 復代理人は,代理人を代理するのではなく,直接に本人を代理する。 2 法定代理人は,本人の許可や特別の許可がなくても,自らの責任をもって復代理人を選任することができる。 3 代理人は,復代理人を選任しても自らの代理権を失わない。 4 権限の定めのない代理人は,保存行為しか行うことができない。 |
〔問5〕 A,B,Cは3人で別荘を共有している。この場合,民法の規定によれば,次のうち誤っているものはどれか。
1 別荘を増築するときは,A,B,Cの持分の価格に従い,その過半数の賛成が必要である。 2 A,B,Cは,それぞれ,別荘の全部について,その持分に応じた使用をすることができる。 3 別荘を建て替えるときは,A,B,C全員の同意が必要である。 4 別荘が第三者により不法占拠されている場合,A,B,Cは,それぞれ単独で,その明渡しを請求することができる。 |
〔問6〕 Aは,B所有の建物を購入した。この場合,民法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。
1 建物に隠れた瑕疵があった場合,Aは,Bに損害賠償を請求することができるが,契約を解除することはできない。 2 建物に抵当権が設定されていた場合,Aが善意であるときに限り,契約を解除することができる。 3 建物が引き渡し前に,Bの失火により全焼したときは,Aは直ちに契約を解除することができる。 4 Bが約定の期日に建物を引き渡さないときは,Aは直ちに契約を解除することができる。 |
〔問7〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 抵当権者が目的物の代金から優先弁済を受ける権利を第三者に対抗するには,抵当権が登記されていることが必要であるが,登記されない抵当権も当事者間では効力を有する。 2 同一不動産につき数個の抵当権が設定されている場合,これらの抵当権の順位を変更するには,各抵当権者の合意及び抵当権設定者の承諾が必要である。 3 抵当権は,目的不動産の賃貸により債務者が受けるベき賃料に対しても行うことができるが,そのためには,その払い渡し前に差し押さえることが必要である。 4 建物に抵当権を設定した場合,抵当権の効力は,畳・建具等,当該建物に附加してこれらと一体になった物にも及ぶ。 |
〔問8〕 賃貸借に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 賃貸人は,賃貸借契約の存続中,目的物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。 2 賃借人が自ら目的物の使用及び収益に必要な修繕をした場合,賃貸人は,請求されればその費用を直ちに償還する義務を負う。 3 賃貸人が目的物の保存に必要な修繕を行おうとする場合,賃借人はこれを拒むことができない。 4 賃借人が適法に目的物を転貸した場合,転借人は,賃借人(転貸人)に対しては賃料支払義務を負うが,賃貸人に対しては直接その義務を負うことはない。 |
〔問9〕 A及びBは,Cに対して連帯債務を負担している。この場合,民法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。
1 AがCに対して債権を有しており,Cの債権と相殺が可能であるときは,Bは,Aが相殺を援用しない間は,Aの負担部分についてのみ,相殺を援用することができる。 2 CがAに対して履行を請求しても,Cの債権の消滅時効は,Bについては中断されない。 3 AがCに対して債務を承認すると,Cの債権の消滅時効はBについても中断される。 4 Aについて時効が完成しても,Bは債務の全部を履行しなければならない。 |
〔問10〕 不動産の売買契約に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているのはどれか。
1 承諾の期間の定めのある買受けの申し込みは,原則として,申込者がその期間中に承諾の通知を受けなければ効力を失う。 2 売買契約の目的物である建物の一部が,契約成立後引渡し期日前に,台風により損壊したときは,売主は,その損壊した部分を補修のうえ,期日までに引き渡さねばならない。 3 売買契約が解除された場合,両当事者は原状回復義務を負うが,売主が返還すべき金銭には受領時からの利息を付さなければならない。 4 買受けた不動産について抵当権の登記があるときは,買主は,抵当権消滅請求の手続きを終わるまで,その代金を拒絶することができる。 |
〔問11〕 委任に関する次のそれぞれの記述は,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 委任契約は,原則として,委任者または受任者のいずれにおいても,いつでも解除することができる。 2 委任は,委任者または受任者の死亡,または破産手続開始の決定によって終了するほか,受任者が後見開始の審判を受けたことによっても終了する。 3 委任契約の解除の効果は遡及せず,受任者が委任契約の解除前にした法律行為は,解除後もその効力を有する。 4 受任者は,報酬の有無,多少にかかわらず,自己のためにすると同一の注意をもって,委任事務を処理する義務を負う。 |
〔問12〕 Aは,建物所有を目的として,Bが所有する土地を期間30年の約定で賃借している。この場合,借地借家法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。改
1 建物が滅失又は朽廃した場合でも,借地権は残存期間中消滅しない。 2 Aが借地権を第三者に譲渡する場合,Bの承諾を得る必要はない。 3 借地権の期間満了の際,Aが契約の更新を請求したときは,建物がない場合でも,Aに正当な理由があれば,前契約と同一の条件をもって更に借地権を設定したものとみなされる。 4 Aが建物の増改築を行うことについてAB間に協議が調わない場合には,裁判所はAの申立てによりBの承諾に代わる許可を与えることはできない。 |
〔問13〕 AはB所有の建物を賃借している。この場合,民法及び借地借家法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 Bからの解約申入れは3ヵ月前までに行うものとするという特約は,有効である。 2 一時使用のための建物を賃貸借したことが明らかな場合には,借地借家法は適用されない。改 3 賃貸借期間の定めのない場合,Aはいつでも解約の申入れをすることができるが,賃貸借が終了するのは申入れ後3ヵ月を経過したときである。 4 Bは自ら使用することを必要とする場合にのみ賃貸借の更新を拒むことができるという特約は,有効である。 |
〔問14〕 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は,原則として,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議によってする。 2 規約の設定,変更又は廃止は,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議によってする。 3 区分所有者の1/5以上で議決権の1/5以上を有する者は,管理者に対し,会議の目的たる事項を示して,集会の招集を請求することができる。 4 集会において,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数で区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議をすることができる。改 |
〔問15〕 不動産登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 登記は,すべて当事者の申請又は官庁・公署の嘱託による手続きによらなければすることはできない。 2 登記義務者が登記申請に協力しない場合,登記権利者は,協力するよう裁判所に訴を提起することができる。 3 買戻しの特約は,買主の権利取得の登記に附して行う。 4 登記原因について第三者の許可を要するときは,原則として,登記申請にあたって当該第三者の許可書の添付が必要である。 |
〔問16〕 不動産登記に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。ただし,登記簿がコンピュータ化されていないブック庁 (不動産登記法附則第3条第1項の指定を受けていない登記所) については考えないものとする。
1 登記記録は,一筆の土地又は一個の建物ごとに作成されるが,区分建物の登記では,各区分建物ごとに登記記録が作成されることはない。 2 地図は,すべて一筆の土地ごとに作成され,土地の区画及び地番が明確にされている。 3 一登記記録は,表題部及び権利部に区分して作成され,さらに権利部は甲区・乙区に区分し,登記官は,権利に関する登記をするときは,権利部の相当区に登記事項を記録した順序を示す番号を記録しなければならない。 4 甲区には所有権及び抵当権に関する事項が,乙区にはそれ以外の権利に関する事項がそれぞれ記録される。 |
【正解】
2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
4 |
2 |
4 |
1 |
3 |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
2 |
4 |
1 |
2 |
4 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
1 |
1 |
4 |
1 |
3 |
●宅建過去問・民法編 |
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